上野原市立病院
簡易水道事業(法適用)
特定環境保全公共下水道
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3ヵ年平均で見た財政力指数は、類似団体内平均・全国平均及び山梨県平均と比較すると、全てにおいて下回る結果となった。歳入面において、市税収入について主要な税である個人市民税は新型コロナウイルスの影響が弱まったことによる景気の回復により増加しているが、固定資産税は減少傾向と言え、入湯税についても秋山温泉の利用者減少により税収入も減少するなど不安が残る。経常一般財源等については、全体としては前年度増加傾向となっている。要因としては普通交付税が87,878千円の増加となる等あるが、国の税収増加分の臨時的措置であり、歳入全体では依然厳しい状況が続くものとみられる。歳出面においては、前年度から330,680千円減少しているが、これは令和2年度発生のゴミ処理施設火災賠償金の基金への積み立て金が減少したことが大きく影響している。また、経常的な歳出において、人件費が56,610千円ほど増加しているが、これは職員数の増加及び給与改定による影響であると考えられ、今後さらに増加していく場合の影響に懸念が残る。将来的には、少子高齢化による民生費等の増加や、過去に整備した道路・橋りょう、学校・給食施設の更新も喫緊の課題として控えており、厳しい財政運営が予想される中、経費削減など行財政改革を推進し、計画的な行財政運営を行っていく必要がある。
経常収支比率は、前年度から1.0ポイント増加し、88.0%となった。数値増加の主な要因としては、前年度と比較して経常経費充当一般財源等(分子)及び経常一般財源等(分母)共に増加したものの、経常経費充当一般財源等の増加幅の方が大きかったことによるものである。分母を構成する経常一般財源等においては、地方税収入の23,481千円、及び普通交付税収入が87,878千円増加したことにより、経常一般財源120,369千円増加した。分子を構成する経常経費充当一般財源等においては、補助費等の減少はあったものの職員数増加による人件費の増加や情報機器調達による物件費の増加があり、全体では125,941千円の増加となった。今後も引続き行政改革に取り組み、自主財源の確保及び経常経費の削減を図り、財政の健全化に努める。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は前年度に比べると1,946千円増加し、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均と比較すると前年度同様上回る形となっている。増加の主な要因は、物件費・人件費ともに減少傾向にあるが、住民基本台帳人口が前年度に比べより減少したことがあげられる。依然として人口減少傾向が続いているが、公共施設マネジメント計画に基づく公共施設の効果的かつ効率的な管理運営を推進し、職員の適正配置などと平行してコスト削減に努める。
ラスパイレス指数は、例年同様に全国平均を下回ったものの、類似団体平均については同水準となった。直近5ヶ年の数値を見るとほぼ同水準を保っているが、今後も国や県などの動向を注視しながら、引続き給与の適正化に努める。
人口千人当たり職員数は、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均との比較では全てにおいて上回る結果となった。直近4ヶ年の数値を見ると9人程度で推移しているが特に直近3カ年で増加傾向となっており、令和5年度においては10人を超えた。職員総数は一定数を維持しており、特段過多といった状況ではないが、市内人口が減少傾向となっているため、人口千人当たりの職員数はなかなか数値として改善しづらい状況となっている。今後は、多くの山間部地域を抱える地勢の中にあって、効率的な広域行政を検討するなど行政組織のスリム化に努める。
実質公債費率は、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均と比較して、すべて上回る結果となっており、前年度と同水準の結果となっている。分子を構成する公債費等は、臨時財政対策債等の元利償還金の増加などがあったものの、東部地域水道企業団による生活基盤施設耐震化等交付金事業の大幅な減少などにより、前年度よりも106,940千円減少したうえ、普通交付税算入額が減少したことなどにより、分子全体では76,797千円減少した。分母を構成する普通交付税については、臨時財政対策債発行可能額が減少したものの、標準税収入額等や普通交付税額が増加したことにより、標準財政規模が前年度に比べ76,797千円の増加となった。単年度の実質公債費比率は前年と比べ約1.4ポイント下がったが、算定から外れた令和2年度数値(単年度実質公債費比率11.72092)が同程度の数値だったため、結果的に前年度と同じ数値となった。今後については、発行期限が令和7年度まで延長された緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債などの交付税措置の優遇された地方債の集中的な発行や令和10年度から始まる東部環境事務組合の地方債借入も予想されることから、微増に転じていくものとみられ、合わせて公営企業への繰入金などの増加も見込まれるため、連結ベースでの財政健全化に努め、将来を見据えた比率抑制に努める。
将来負担比率は、全国平均、山梨県平均と比較して、上回る結果となっているものの、類似団体内平均は下回っており、前年度と比べても13ポイント改善している。分母を構成する普通交付税が令和5年度普通交付税額の再算定によって、昨年度と比べ87,878千円増加され、臨時財政対策債発行可能額が昨年度と比べて、65,298千円減少したものの、標準財政規模の額が前年度に比べ63,613千円増となった。分子の方は、充当可能財源等の基準財政需要額算入見込額が前年度に比べて524,464千円減少し、充当可能基金が前年度に比べて377,903千円増加したものの、充当可能財源等全体としては前年度に比べて152,915千円減少した。しかし、地方債残高について、合併特例事業債(前年度比-337,775千円)や臨時財政対策債(前年度比-394,658千円)などの地方債残高が減少したことなどにより、将来負担額全体が前年度に比べて952,686千円減少した。結果、分母の減少額に対し、分子の減少額が上回ったため、前年度から-13.0ポイントとなった。今後においても、市債の新規発行額を元金償還額の範囲内に抑制するという基本スタンスを堅持しつつ、将来の負担を軽減できるよう、交付税措置を加味した適正な借入を行うなど継続して財政の健全化に努める。
人件費は、類似団体内平均、山梨県平均及び全国平均すべて上回っている状況である。分母となる経常一般財源等の増加分より、職員数の増や給与改定の影響により、分子の人件費充当一般財源等が増加したことにより数値が増加する結果となった。今後も引続き行政改革に取り組み、職員の適正配置や人件費削減に努める。
物件費は、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均と比較してすべて上回っている。その主な要因は、ごみ処理業務や消防業務の単独運営及び直営の保育所運営を行っているためである。なお、分母となる経常一般財源等は増加したものの分子となる物件費充当一般財源等の増加分がわずかだが大きかったため、数値は前年度より0.1ポイント増加する結果となった。今後も引続き行政改革に取組み、コスト削減に努める。
扶助費は、類似団体内平均及び全国平均、山梨県平均と比較して、すべて大幅に下回っている。前年度よりも0.1ポイント増加したが、その主な要因としては、分母となる経常一般財源等の増加分よりも、分子の扶助費充当一般財源等の増加分がわずかであるが大きかったためである。また各平均より大幅に下回っているのは、当市は都心に近いという立地条件もあり、生活保護費の額が周囲と比べて低く抑えられているためと考えられる。今後においても、資格審査等の適正化を徹底するなど前年度に引続き財政圧迫を抑えるよう努める。
その他としては、類似団体内平均、全国平均及び山梨県平均を上回る結果となった。分子については、繰出金充当一般財源等が国民健康保険事業特別会計への繰出金増加等による増加分が、分母となる経常一般財源等の増加分を超したため、結果分子の増加幅を分母の増加幅が上回ったため、数値が若干増加した。今後も財政負担を軽減するため、保険料や使用料等の改定及び徴収率向上に努める。
補助費等は、前年度から0.4ポイント減少し、類似団体内平均及び全国平均、山梨県平均と比較して全てにおいて下回っている。主な要因としては、例年通り各種団体への補助金などを適正に交付しているためと考えられる。今後においても、補助金交付の適正化を徹底するなど前年度に引続き財政圧迫を抑えるよう努める。
公債費は、前年度と比べて同数値であり、類似団体内平均及び全国平均、山梨県平均と比較しても高い数値となっている。当年度については、分母となる経常一般財源等も増加した一方で、分子の公債費充当一般財源等も同様に増加したことにより数値自体は変化しなかった。今後については、発行期限が令和7年度まで延長された緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債などの交付税措置の優遇された地方債の集中的な発行も予想されることから、微増していくものとみられるが、これまで同様、実質負担額の増加を抑制し、事業の優先順位や必要性を十分精査して計画的な市債管理に努める。
公債費以外については、前年度より1ポイント上昇したが、未だ公債費の占める割合が大きいことから、類似団体内平均及び全国平均、山梨県平均よりも低い数値となっている。分母となる経常一般財源等が増加はしたものの、分子の構成要素である人件費については、職員数の増加や給与改定に伴い増加、その他経費については国民健康保険事業特別会計への繰り出し金の増加により増加しており、結果1ポイントの上昇となった。今後はより徹底した経費節減など行政改革を推進し、計画的な行財政運営に努める。
(増減理由)新田水防会館の代替施設建設に係る経費の支出を補?するため等で、公共施設整備基金約139百万円の取り崩しを行った。他方で、公共施設整備基金へ218百万円、財政調整基金において約212百万円の積み立てなどを行ったため、基金全体としては376百万円の増加となった。(今後の方針)「ふるさとまちづくり基金」については寄附金が増加傾向にあり、今後も残高が増加していくものとみられる。「公共施設整備基金」については、今年度例年より多く取り崩すこととなったが、令和6年度には市庁舎文化ホールの大規模修繕を筆頭に今後も老朽化が進むとみられる公共施設や道路・橋りょうなどのインフラ資産の更新費用等ために取り崩しを行っていくため、基金全体としては横ばいで推移していくものとみられる。財政調整基金については、今年度臨時的な多額の積立てを行ったが、中長期的な見通しのもとに、決算余剰金を中心に積み立てを行うとともに、他の特定目的基金とのバランスをとりながら必要最小限の取り崩しに努める。
(増減理由)将来にわたる財政の健全な運営に資するため、剰余金や預金利息を212百万円積立てたことにより増加している。(今後の方針)厳しい財政状況の中、剰余金を積立てることが以前よりも困難になり、基金残高は今後減少傾向となっていくことが見込まれるが、健全な財政運営を実施していくことで、一定額の確保に努める。
(増減理由)地方債の償還のため約10百万円を取り崩したが、普通交付税にて再算定された「臨時財政対策債償還費」等36百万円積み立てたことにより、約27百万円増加している。(今後の方針)償還のため取崩しを予定していることにより、当面は減少していく見込みである。
(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の整備、維持及び更新の促進を図るもの地域福祉基金:住民が主体となって行う福祉活動の活発化を図るものふるさとまちづくり基金:まちづくりを支援する人々による寄附金を財源として、寄附者の社会的投資を具体化することにより、多様な人々の参加による個性豊かなふるさとづくりに資することを目的とする。(増減理由)公共施設整備基金:新田水防会館代替施設建設費等で140百万円取り崩したが、218百万円の積み立てたことにより増加している。地域福祉基金:敬老会運営事業に係る財源として5百万円、その他各種福祉事業に係る財源として1百万円を取崩したことにより減少している。ふるさとまちづくり基金:子育て世帯向け冊子作成事業等に係る財源として20百万円取り崩した一方で、ふるさと納税寄附金の積立として84百万円積み立てたことにより増加している。(今後の方針)公共施設整備基金:老朽化等に係る公共施設の整備、維持及び更新に係る財源として今後は減少していく見込みである。地域福祉基金:住民が主体となって行う福祉活動の活発化を図るため、引続き敬老会運営事業等の財源として減少していく見込みである。ふるさとまちづくり基金:充当する事業は毎年あるが、年々ふるさと納税寄付金額は増加しており、それに伴い残高は増加していく見込みである。
当市では、平成27年度に策定、令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画において、今後40年間で建物施設の総延床面積を32%削減することを目標としている。有形固定資産減価償却率については、緩やかな上昇傾向にあり、類似団体内と同等の水準で推移している状況である。今後は、それぞれの公共施設等に係る個別施設計画の策定を推進し、当該計画に基づいた施設の適正な維持管理に努める。
債務償還比率は、類似団体内平均よりもやや低い水準で推移している。今後の債務償還比率は、大型事業の完了に伴って地方債の新規借入額が減少し、当面は償還額が借入額を上回ることで将来負担額を構成する地方債残高が減少することが見込まれ、指標としても減少していくことが見込まれる。
将来負担比率は平成30年度より減少に転じているものの、類似団体内平均を大きく上回っている。一方で、有形固定資産減価償却率は増加傾向にあるとともに、令和元年度を境に類似団体内平均よりもやや高い水準で推移している。将来負担比率については、臨時財政対策債発行可能額が大きく減少したことなどにより標準財政規模の額が減少し、また地方債の新規発行額が元利償還額を下回ったことで、一般会計における地方債の現在高が減少しており、これにより将来負担額が大幅に減少したため、数値が減少している。有形固定資産減価償却率については、限られた財源の中で老朽化対策を行っている反面、単純に施設更新を行っているのではなく、可能な限り既存施設を有効活用することで財政負担を抑えている状況である。
将来負担比率は近年減少傾向が続いているが、依然として類似団体内平均値を上回っている。実質公債費比率は令和4年度も増加しており、類似団体内平均値も上回る結果となっている。今後の将来負担比率は、大型事業の借入金の完済が進み、償還額が発行額を上回ることによって地方債残高の減少が見込まれるため、当面は比率の減少が見込まれる。一方で、実質公債費比率については、大型事業実施により発行された地方債の元利償還の開始や、公営企業に対する準元利償還金の増加が見込まれることから、将来を見据えた比率抑制に努め、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。