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東日本大震災で一時落ち込んだ個人税収入は、平成25年度から回復を見せているものの、固定資産税が減少傾向であり、市税全体でみれば、平成27年度は前年比0.7%の減少となった。一方、支出は、人件費、扶助費、公債費など微増であるが、普通建設事業費が前年比22.7%の減に転じたことにより、財政力指数は、前年比0.02増の0.40となった。しかし、類似団体比較では0.15下回っていることから、引き続き投資的経費の抑制に努めるとともに、公共施設の適正化を進め、人件費・物件費等の削減に努める。
人件費、公債費は、年度間の増減はあるものの、横ばい状況であるが、扶助費の増加が著しく、平成23年度と比較しても約3億円も増加している。また市税収入は、平成25年度から回復の傾向にあるものの震災特需によるものと考えられ、今後も上昇傾向になる可能性は低く、逆に人口減少等により減少に転じる可能性が高い。このことから、今後も経常収支比率は増加する見込みであることから、まずは扶助費の抑制を図るために、事業の見直しを実施し受益者負担の在り方など適正な執行に努める。
物件費は事業の見直し等により減少傾向にあるものの、依然として類似団体よりも高い傾向にある。これは、人口に対して文化会館、公民館、学校施設などの公共施設は多い事が要因と考えられることから、指定管理制度の導入や統廃合による公共施設の適正化に努めるとともに、施設管理委託料のPFIの導入などコストの削減に努める。
市政改革プログラムや定員適正化計画に基づく職員の削減により、平成17年度から平成27年度までの実績として43人、10.2%の減となった。しかし、東日本大震災による復旧・復興業務及び第71回国民体育大会等による業務量の増加により、後年度において多数の定年退職者が見込まれる年度に着目し、これに対応する採用予定者数を前倒しで採用する方法によって行うこととし、定員適正化計画との乖離を防ぐとともに、採用者数の平準化に努めた。
市債の元利償還金は微増ではあるが、災害復旧により標準財政規模が増加していることから、実質公債費比率は減少傾向にある。しかし、類似団体と比較すると、その差は年々広がっていることから、まずは公債費発行額の抑制に努めていく。
平成27年度の市債発行額が1,504,100千円と前年度よりも約5.7億円、27.3%減少したが、充当可能基金が約9.5億円減少したことにより将来負担比率が4.1%増加した。また、文化会館、市民体育館、学校等の大型公共施設建設に係る市債償還があることから類似団体よりも高い比率となっている。今後、歳出増歳入減の傾向であることから基金繰入は避けられず、充当可能基金の減少が見込まれることから、引き続き、市債発行額の抑制を継続していく。
人件費の割合は、ここ数年横ばい状態だが、類似団体と比較すると1.2%高くなった。主な要因としては、保育所や公民館など公共施設の運営を直営で行っているためと考えられる。今後は、施設の適正配置を進めるとともに、指定管理ができる施設は指定管理に移行するなど人件費の削減を進めていく。
物件費は、前年度よりも0.1%減となり、シーリングの実施等による事業費の見直しの成果と考えられる。類似団体との比較では、1.8%低くなっている。この要因は、平成27の人件費が類似団体よりも高くなったことから、公共施設の指定管理等が類似団体よりも進んでいないためと考えれることから、今後は公共施設の適正配置も含めて指定管理への移行など、経常経費全体の適正化に努めていく。
障害者に係る扶助費が増加したことにより、昨年度より大幅の増となった。扶助費は、年々増加傾向にある。特にも障害者に係る扶助費は、増加の一途であることから、対象者の範囲や給付の審査基準など見直しを行い、適正な支出に努めていく。
その他経費については、類似団体よりも大きく下回っているが、年々増加の傾向である。主に、国民健康保険事業会計に対する赤字補てん的な繰出金の増加によるものである。今後は、国民健康保険料の適正化を図り、一般会計の負担の減少に努めるとともに、下水道事業等その他特別会計繰出金も経費削減や料金収入の確保に努めていく。
市単独補助金の見直しにより、市単独の補助金の額は減少傾向であるが、広域連合負担金が増加傾向にあることから、類似団体よりも1.3%高い数値となっている。今後は、広域連合予算の適正化を進めるよう協議を行うなど、補助費等の適正化に努めていく。
市債の新規発行額を抑制しているものの、文化会館、市民体育館、学校等、これまでに大型公共施設の建設に係る市債を発行してきたことから、類似団体と比較しても高い傾向にある。市債償還のピークは平成29であることから、それまでは高い水準で推移すると見込まれる。今後は、引き続き市債の新規発行額を抑制し公債費の減額に努める。
類似団体と比較すると2.4%低くはなっているが、年々増加の傾向にある。主な要因は扶助費の増加にあることから、対象者の範囲や給付の審査基準の見直しを行うなど、適正な支出に努めていく。
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