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子ども子育て支援制度移行、高齢社会の進行などにより扶助費の増加傾向は著しく、基準財政需要額が増額傾向にある一方で、基準財政収入額の根幹をなす税収は、未だ景気回復の波及効果はみられず伸び悩んでいるため、財政力指数は減少傾向にあり、類似団体平均値を大きく下回っている。ここ数年の退職不補充による人件費削減、公売会実施などの収納対策強化により滞納額の圧縮が図られ、歳出削減と徴収率向上に成果を上げている。今後も、集客力の高いイベントの実施、移住定住の促進、企業誘致などの取り組みを強化し、自主財源の確保に努める。
平成26年度は、歳入で地方消費税交付金が増加したものの、普通交付税、臨時財政対策債が減少になっため全体として減少し、歳出は、人件費、物件費、扶助費、繰出金などが全体的に増加したため悪化に転じ、類似団体を超える結果となった。特に類似団体と比較して扶助費の割合が極めて高く、財政硬直化の要因となっている。引き続き、行財政改革の取り組みを強化し、コスト削減及び経常経費の抑制を図り、効率的な行政運営に努めていく。
これまでの行財政改革の一環で取り組んできた公立保育園・小学校給食調理室の民営化、指定管理者制度の導入等による人件費の抑制、職員のコスト意識の高揚に伴う物件費削減などの効果により類似団体平均より良い水準で推移しているが、平成26年度は、給与減額措置終了による人件費の増加と、社会保障・税番号システム制度導入に伴うシステム改修、衆議院選挙及び知事選挙等に伴う物件費の増加により、類似団体との差が縮小してきている。今後、さらに業務効率化及び経費節減による取り組みを継続し、持続可能な財政運営に努めていく。
人勧準拠による高齢者層を対象とした給与抑制などの実施により類似団体、全国平均との差は徐々に縮まりつつあるが、依然として高い水準にある。今後も人事評価制度の運用、組織機構の見直しなどの取り組みを進め、国公・民間準拠など他団体との均衡を保つよう給与適正化に努める。
先の第5次行財政改革による公立保育園や小学校給食調理室の民営化、団塊世代の退職不補充などの削減効果により、類似団体、全国、県平均の水準を引き続き保っている。平成26年度は、過去の退職不補充分の採用増に伴い職員数が増加したため類似団体平均を若干上回ったが、引き続き、業務効率化や新たな行政ニーズに対応した機能強化に向けた組織機構の見直しについて検討を進めるとともに職員一人ひとりのスキルアップを図り、適切な定員管理に努めていく必要がある。
平成19年度から起債許可団体となり、「公債費負担適正化計画」に基づき地方債発行額の上限額を1億円(災害復旧事業債・臨時財政対策債を除く)に設定するなど、投資的経費、地方債発行額の抑制に努め、平成23年度から許可団体から脱却することができたが、未だ類似団体、全国、県平均との差は大きいものがある。元利償還金の減少により平成26年度は良化したが、ここ数年の普通交付税・臨時財政対策債の増額傾向が脱却要因の一つであったことを踏まえると、今後も継続して地方債発行の抑制に努めていく必要がある。
数年前から地方交付税が増額傾向にあるとともに地域活性化交付金を活用したことにより、徐々に基金残高が増え、類似団体の平均値に近づくほど改善に向かってきていたところであったが、近年、防災行政無線整備事業や大規模庁舎改修事業等の実施に伴い地方債発行額が膨らみ、地方債残高が増加に転じており、将来負担増加の不安要因となっている。下水道事業、一部事務組合等の公債費等の負担増も財政運営を圧迫しかねないため、今後も町全体で一体となり行財政改革の継続、普通建設事業の抑制等に取り組み、基金残高を増やしていくことに努めていく。
組織機構の見直しや公立保育園・小学校給食調理室の民営化、退職者不補充などにより、ここ数年は、類似団体平均とほぼ同程度の数値で推移してきたが、平成26年度は過去の退職不補充分の職員採用により職員数が増加となり、人件費が類似団体平均を超える水準となった。今後、業務効率化や組織機構見直しを進めながら適切な定員管理に努め、人件費圧縮を図る。
経常的な物件費については、毎年、予算編成方針において、前年度以下の予算措置を原則としており、数年前はそこからさらに2割の配当保留をかけていたことから、職員一人ひとりのコスト意識の高揚が図られ、類似団体よりもかなり低い水準で推移している。平成26年度は、システム改修などにより増加したが、今後もこの取り組みを継続させ、さらなる経費節減合理化に努める。
高齢社会の進行により介護給付費をはじめとした高齢者福祉・障害者福祉に係る経費が急増していることに加え、保育園の民営化に伴う私立保育園委託料の増額や子ども子育て支援制度の移行など、扶助費の増額傾向が著しい状況である。類似団体平均と相当な差が開いているため、将来の見通し、事業の見直し、経費縮減などの分析を行い、扶助費の適正化を図る。
ここ数年は、概ね類似団体の平均値と同程度の数値で推移している状況だが、平成26年度は、国保、介護、後期高齢者医療、下水道の特別会計に対する繰出金が増額したため類似団体を上回る水準となった。いずれの会計も収支改善は難しく高止まりの状態であり、財政負担の影響が大きくなることが懸念されることから、経費の節減、料金等の見直し、適正化を図る必要がある。
常備消防や廃棄物処理施設等の一部事務組合への負担金が高い水準で推移している。消防分遣所建設、火葬場建設など各組合で施設整備が実施されているため、今後、負担金の増加が見込まれる。適正な救急通報やごみ減量など業務効率化や経費節減につながるよう住民理解や啓発の取り組み強化などを引き続き進める。町単独補助金は、終期設定をするとともに「事務事業評価委員会」による効果検証を行い、廃止・縮減・統合などの見直しを図る。
過去に発行した地方債の償還ピークが過ぎて減少傾向にあり、平成26年度も公債費は減少したため、類似団体より数値は良い水準で推移しているが、ここ数年、実施した庁舎大規模改修事業や災害対策施設整備等に伴い地方債発行額が増加しているため、将来的には公債費負担が大きくなる見込みである。引き続き、健全かつ持続可能な財政運営を実現するために財政負担の将来見通しを的確に分析し、地方債の発行抑制と償還額平準化に努めていく。
近年、公共施設の老朽化に伴う維持補修費等が増大傾向にあり、将来的には莫大な負担になることが懸念される。今後、公共施設等総合管理計画を策定し、将来的な方針に基づき整備計画を立てていくことが必要となる。あわせて、人件費、補助費等、繰出金の抑制を図っていくためにも全庁一体となって、歳出削減・自主財源の確保に取り組む必要がある。
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