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2014年度
2013年度
2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
町内に大型事業所等は少ないものの、多くの宿泊・レジャー施設、別荘等を有するため、固定資産税等の財源を確保できており、類似団体平均とほぼ同程度の0.71となっている。近年は、土地評価額の下落や別荘等の新築家屋が減少傾向にあるため、移住定住や二地域居住の推進、徴収強化等により歳入の確保に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
前年度は、地方交付税の追加交付などが大きく影響し、一時的に改善したものの、依然、人件費、物件費及び補助費等は高水準で推移しており、令和4年度決算は、前年度に比べて6.8ポイント上昇し、90.4%と類似団体平均を上回っている。引き続き「行財政改革推進プラン」に基づき、歳出の徹底した削減に努めるとともに、全ての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図るほか、ふるさと納税等の税外収入確保に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口1人あたり人件費・物件費等決算額が類似団体平均と比べ約1.2倍となっている。広大な面積に居住区域が点在しており、効率的な行政サービスの提供が難しいことや、公共施設を多く有することが主な要因である。特に「ごみ収集費」や「スクールバス運行費」が大きくなっており、効率化・最適化を図っていく必要がある。また、公共施設についても「公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的に適正化を推進していく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
類似団体平均を0.7ポイント下回る96.6となっている。類似団体平均及び全国町村平均と同水準の状況であるため、現水準を維持しつつ、より一層の給与の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
高度・多様化する行政需要に対応するために必要な職員数を確保したことにより、類似団体平均を2.61ポイント上回る10.42人となっている。保育園の適正配置(第2期)を進めているところであり、今後も「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的で効率的な人員を維持しながら職員定数の適正化に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度より0.2ポイント悪化し、類似団体平均は前年度同様1.0ポイント上回る7.1%となっている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止等が行われることから、優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期等を整理し、計画的に積立を行うなど起債に大きく頼ることのない財政運営に努め、類似団体の平均水準まで抑える。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
地方債発行抑制による地方債現在高の減や充当可能基金の増などにより16.2ポイント改善し、12.2%となったものの、類似団体平均が0.0(数値なし)であることから、引き続き、地方債借入の抑制を図り、財政調整基金等の充当可能財源を確保するとともに、経営戦略に基づき水道事業会計等の健全化を図っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
会計年度任用職員の事務補助員を原則パートタイム勤務としたこと等により改善傾向にあるが、類似団体平均を0.3ポイント上回る25.2%となっている。引き続き「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的で効率的な人員を維持しながら職員定数の適正化に努める。
物件費
物件費の分析欄
町有林管理費及びふるさと納税推進費の増などにより、前年度に比べ2.6ポイント増となった。また、町面積が広大であり、公共施設の管理や、ごみ収集運搬、スクールバス運行などの委託料が高額となっているため、類似団体平均を2.2ポイント上回る17.6%となっている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設数の統廃合を行うとともに、事務事業の再点検によりコスト削減を図る。
扶助費
扶助費の分析欄
公立の保育所を多く有しているが、保育士を人件費で計上しているため、類似団体平均を2.3ポイント下回る5.8%となっている。超高齢化に伴う医療・介護等の社会保障関連経費の増加も見込まれるため、町単独事業をはじめとして、行政ニーズの変化や受益と負担の公平性などを点検し、適正な行政サービスの提供に努めるとともに、効果的な予防事業等を実施し、扶助費の上昇傾向を抑制するよう努める。
その他
その他の分析欄
前年度に比べ1.0ポイント増となり、類似団体平均を0.8ポイント上回る13.0%となっている。繰出金については、超高齢化に伴う介護保険特別会計の給付費等の増加により法定繰出が増加しているため、介護予防等を強化し、給付費の抑制に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
類似団体平均を1.3ポイント上回る15.2%となっている。一部事務組合に対するものの割合が高いため、一部事務組合及び構成市町と連携し、経費削減・適正化を図る。また、町単独の補助金については、「補助金に関するガイドライン」に基づき、公平で適正な補助金の交付に努める。
公債費
公債費の分析欄
類似団体平均を0.8ポイント上回る13.6%となっている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止等が行われることから、優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期等を整理し、計画的に積立を行うなど起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
物件費及び補助費等の増より5.2ポイント上昇し、類似団体平均を2.3ポイント上回る76.8%となった。引き続き「行財政改革推進プラン」に基づき、民間活力の導入や職員定数の適正化を図るほか、歳出の徹底した削減に努めるとともに、全ての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
目的別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり569,125円となった。類似団体平均と比べると農林水産業費、商工費、消防費が高くなっている。農林水産業費については、町有林立木伐業務の増のほか、飼料価格高騰対策臨時支援事業補助金により増加している、商工費については、地域応援商品券事業等により高止まりとなっている。また、観光地としての観光施設管理費や観光推進費が類似団体平均に比べ高くなっている。消防費については、常備消防費の高止まりに加え、消防団詰所新築工事や消防ポンプ車両の購入により増加している。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり569,125円となった。類似団体平均と比べると人件費、物件費、補助費等が高くなっている。人件費については、保育園の適正配置や公共施設の整理・縮小を進めているところであり、「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的で効率的な人員を維持しながら職員定数の適正化に努める。物件費については、町面積が広大であり、公共施設の管理や、ごみ収集運搬、スクールバス運行などの委託料が高額となっているため、「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設数の統廃合を行うとともに、事務事業の再点検によりコスト削減を図る。補助費については、一部事務組合に対するものの割合が高いため、一部事務組合及び構成市町と連携し、経費削減・適正化を図る。また、町単独の補助金については、「補助金に関するガイドライン」に基づき、公平で適正な補助金の交付に努める。なお、貸付金が類似団体平均の約5倍と高い水準にあるのは、中小企業振興資金融資預託金(3億円)によるものである。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄財政調整基金残高は、前年度決算剰余金に加え、普通交付税の追加交付分を積み立てたため、前年度に比べ2.71ポイント増の26.51%となった。実質単年度収支は、コロナ禍における歳出抑制や普通交付税等の増により令和4年度も黒字となった。職員数の適正化や事務事業の見直し、公共施設等の適正管理を推進し、健全な行財政運営に努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄すべての会計において黒字となっており赤字は発生していない。今後も引き続きすべての会計において、将来にわたり健全な財政運営を維持するよう行財政改革に努める。
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実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄「元利償還金」の増は、令和元年東日本台風被害に係る災害復旧債等によるものである。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止等が行われることから、優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期等を整理し、計画的に積立を行うなど起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債の利用なし。
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将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄充当可能基金の増により将来負担比率の分子は大幅な減となった。充当可能基金は、決算剰余金を中心とした積立や、ふるさと納税額の増、普通交付税の追加交付分の積立により大幅に増加した。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止等が行われることから、優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期等を整理し、計画的に積立を行うなど起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
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基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金への決算剰余金の積み立てや普通交付税追加交付分の積み立て、公共施設等整備基金への計画的な積み立て、ふるさと納税寄附額のふるさと那須町応援基金への積み立て等により全体として452百万円増加した。(今後の方針)老朽化が進む公共施設等への対応のほか、頻発化・激甚化する災害や高度・多様化する行政需要、地域経済の低迷等による税収減などに対応できるように財政調整基金、減債基金及び公共施設等整備基金を中心に計画的に積み立てを行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)不足財源を補うため400百万円を取り崩した一方で、地方財政法第7条の規定に基づき決算剰余金の1/2以上の額として454百万円を積み立て、加えて普通交付税の追加交付分(臨時経済対策費)約80百万円を積み立てたことにより134百万円増加した。(今後の方針)老朽化が進む公共施設等への対応のほか、頻発化・激甚化する災害や高度・多様化する行政需要、地域経済の低迷等による税収減などに対応できるように計画的に積み立てを行っていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)繰越金が当初見込みよりも多かったことから、取り崩しを取りやめたため、例年の運用利子積み立てのみとなった。(今後の方針)今後の公債費の推移を勘案し、年度間の負担平準化を図れるよう計画的に取り崩しと積み立てを行っていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)ふるさと那須町応援基金:子育て支援、地域産業の振興、環境保全、福祉、教育等公共施設等整備基金:文化教育施設、防災防火施設、水資源施設その他公共施設の整備総合運動公園整備基金:総合運動公園の整備ふるさと創生事業基金:活力と魅力あふれる豊かなまちづくり森を育む基金:間伐や人材育成、担い手確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備促進(増減理由)ふるさと那須町応援基金は、472百万円取り崩した一方で、ふるさと納税寄付額の623百万円を積み立てたことにより151百万円増加した。公共施設等整備基金は、友愛の森整備分100百万円及び定住促進住宅分16百万円、橋りょう撤去費用22百万円を積み立てたことにより138百万円増加した森を育む基金は、5百万円取り崩した一方で、森林環境譲与税の収入額34百万円を積み立てたことにより29百万円増加した。その他の特定目的金は、設置目的に応じた事業の財源として取り崩しを行った。(今後の方針)ふるさと那須町応援基金は、ふるさと納税寄付額に応じて積み立てを行い、翌年度に特定目的事業の財源として取り崩しを行っていく。公共施設等整備基金は、老朽化した公共施設等の改修・更新費用等に活用するため、計画的に積み立てを行っていく。森を育む基金は、森林環境譲与税額に応じて積み立てを行い、翌年度に対象事業の財源として取り崩しを行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
令和3年度の有形固定資産減価償却率は66.8%であり、類似団体平均と比べ3.5%高くなっている。経年比較でみると、令和3年度は1.5%増、令和2年度も1.8%増となっており、著しく老朽化が進んでいる。これは資産が多いため、更新・改修等を行っているが減価償却費がそれを上回っていることによるものであり、維持補修をメインに耐え忍んでいる状況である。今後も公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に老朽化した施設の長寿命化や集約・複合化、除却を進めていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
令和3年度の債務償還比率は447.2%であり、類似団体平均と比べ56.2%上回っているが、経年比較でみると、189.0%と大きく改善している。これは公共施設解体事業債や災害復旧事業債等により地方債残高は増加したが、コロナ禍における事業縮小や前年度決算剰余金等の財政調整基金積立による基金の増によるものである。しかしながら、類似団体平均と比べ依然高い水準であることから、行財政改革推進プラン等に基づき、地方債発行額の抑制や事務事業の見直しを進めるとともに、財政調整基金等を適正に確保していく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
令和3年度の将来負担比率は28.4%であり、経年比較でみると充当可能基金の増等により12.9%改善したものの、依然類似団体平均を大きく上回っている。有形固定資産減価償却率も類似団体平均を上回っている。これは公共施設等の老朽化対策が進んでいないにもかかわらず、地方債残高等の将来に負担する債務が多い状況にあるためである。行財政改革推進プラン等に基づき、地方債発行額の抑制や事務事業の更なる見直しを進め、財政調整基金等の適正な規模を確保するとともに、公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に老朽化した施設の長寿命化や集約・複合化、除却を進めていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
令和3年度の将来負担比率は類似団体平均を大きく上回っており、実質公債費比率も類似団体を上回っている。経年比較でみると、将来負担比率は減少傾向、実質公債費比率は横ばいである。これは普通交付税の増等により標準財政規模が増加し、また、一部事務組合が起こした地方債に係る負担金等が落ち着いてきた結果である。しかしながら、特に将来負担比率は、依然高い水準となっていることから、行財政改革推進プラン等に基づき、地方債発行額の抑制や事務事業の更なる見直しを進めるとともに、財政調整基金等の適正な規模を確保していく。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
令和3年度の有形固定資産減価償却率をみると、「公営住宅」が定住促進住宅(ウィングヴィーナス)整備により12.1%低下(改善)したものの、「道路」、「公民館」及び「学校施設」の老朽化が非常に進行している状況であり、また、人口比較でみると、「橋りょう・トンネル」の一人当たり有形固定資産額が類似団体平均の約2.75倍と非常に多くなっている。特に学校施設の老朽化に伴う改修費等は、今後長期間にわたり大きな財政負担となってくることから、費用削減の方策を検討しつつ、公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に長寿命化を進めていく。また、橋りょうに係る維持経費が非常に大きくなっているため、適正な点検・調査を実施するとともに、国庫補助金の活用や計画的な積み立てにより、長寿命化や除却を積極的に進めていく。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
令和3年度の有形固定資産減価償却率をみると、「図書館」、「体育館・プール」、「庁舎」の老朽化が非常に進行している状況であり、また、人口比較でみると、「体育館・プール」の一人当たり面積が類似団体平均の約1.8倍となっている。特に図書館や体育館・プールの老朽化に伴う改修費等は、今後大きな財政負担となってくることから、費用削減の方策を検討しつつ、公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に長寿命化や集約化、除却を進めていく。また、「一般廃棄物処理施設」は共同一般廃棄物最終処分場新規整備により13.1%低下(改善)したが、これに伴い、一人当たり有形固定資産額は増加し、類似団体平均の約2.7倍となっている。近隣市と連携して実施しているため、今後は近隣市と調整の上、維持管理にかかる経費の増加に留意していく。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
一般会計ではこれまで同様、資産総額が毎年約3%の割合で減少しています。これに対し、負債はほぼ横ばいの状況(令和元年度からは微増)が続いています。負債は減少しないが、資産の老朽化だけは著しく進んでいっている状況となります。資産合計をみると、約13.6億円減少していますが、投資及び流動資産は約6.5億円増加しており、特に基金では財政調整基金が約6.5億円増加、減債基金が約2億円増加となっています。そのため、この資産合計減少の要因は有形固定資産であると言えます。また、投資+流動資産は前年比で約111.6%、有形固定資産は前年比96.4%となっていることからも分かります。この状況が純資産比率の減少に起因しているものです。
2.行政コストの状況
一般会計では純行政コストが前年比85.2%(約25億円の減少)となりました。令和2年度は、コロナ関連の補助金等が大きくコストに影響していたための結果となっていましたが、そこが減少(補助金等は令和2年度から約22.8億円の減少)したことが最も大きい要因です。経常費用に占める割合も、補助金等は36.2%→25.6%に減少、減価償却費が16.9%→19.2%、物件費が14.2%→18.5%、人件費が13.7%→15.7%とそれぞれ変動しています。給付金等の支給も依然続いている状況であり、類似規模団体との比較ではまだバラつきが生じる可能性があるため、まずは経年比較でコスト増減の要因に注視します。
3.純資産変動の状況
本年度差額でマイナスとなっている状況は、企業経営でいう赤字を表しています。(行政コストに財源を含めてもマイナスである状態)。これまで一般会計では、約20億円の赤字が続いており、これは非資金経費(減価償却費や各種引当金繰入等)が約30億円あることも要因です。減価償却費は、住民が施設利用をすることで老朽化に繋がるものと考えると、この減価償却費分をいかに受益者負担で回収出来るかというのも必要かと考えます。
4.資金収支の状況
投資活動収支のみ毎年収支マイナスとなっています。これは資産形成に係る支出(公共施設等整備費支出)が多いものではなく、基金積立が多い傾向にあることが要因と考えます。また、令和3年度のマイナスが大きくなっているのは、投資活動支出が約4.3億円増加(基金積立が約5.1億円増加)に対し、投資活動収入が約2.4億円減少(国県等補助金収入の投資活動分が約1.1億円減少、基金取崩が約1.2億円減少)のためです。さらに、財務活動収支が大きくない(発行と償還が例年ほぼ一定額に近い)ことも特徴です。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
前年度までと同様に、資産の老朽化を要因とした資産合計の減少が特徴的です。資産合計は固定資産と流動資産に分類されます。固定資産のうち投資等と流動資産は増加傾向にあります(令和3年度では約6.5億円増加)が、資産合計そのものは約13.6億円の減少です。この要因となるのがいわゆる固定資産(有形固定資産)であり、令和3年度は約20.1億円減少しています。これは資産の除却等によるものではなく、減価償却累計額の増加、すなわち老朽化ということが挙げられます。③の比率で分かる通り、ここ近年著しく増加傾向にあり、類似規模団体と比較してもとても高い水準にあります。①は、横ばいのように見えていますが、資産合計も人口もどちらもバランスよく減少しているためそう見えているだけであり、この横ばいは人口減少とともに施設の老朽化も許容してしまっている(維持補修で耐えている)という状況とも捉えています。
2.資産と負債の比率
④⑤からは総じて将来世代への負担が低いという結果になっています。ただし、経年比較では④は減少傾向にあり、⑤は増加傾向にあるということから、徐々に将来世代への負担が増えている傾向ということが分かります。④が高い傾向にあるのは負債の割合が低いということになりますが、これは現在世代が形成した資産が多くあり、今後の将来世代が資産更新を行う必要がある、いわゆるみなし負債が多い可能性も潜めています。特に現在では老朽化比率が高く、施設によっては更新を余儀なくするケースもあります。そういった場合には資産の増加にも繋がるものの、一定の負債増加へも繋がります。⑤が低いのは、老朽化比率が高いことにも影響している可能性があります。また、⑤は地方債と固定資産に直結していますが、④は負債という大枠で計算しているため、この負債には地方債の他、退職手当引当金や長期未払金(分割払い等)、リース債務、賞与等引当金、預り金(歳計外現金)も含まれており、負債合計では約88百万円の増加に留まっていますが、地方債そのものは約1.2億円増加しているため、負債と一括りにせずに、その内訳の増減を把握していく必要があります。
3.行政コストの状況
令和2年度では行政コストにコロナ関連補助金等の大幅な増加が影響していましたが、令和3年度は約100千円の減少となりました。令和元年度と比較すると依然多い水準となっています。補助金等は前年比で約22.8億円減少しており、物件費が約3.3億円増加しているというのが令和3年度の特徴です。また、町の特徴として経常費用に占める減価償却費の割合が高い点です。これは保有資産の数量やインフラ整備の規模にも起因するものであるため、資産が過大であるとは言い切れません。全国平均では経常費用に占める減価償却費の割合が約10%となっているものの、町では令和元年度から22.4%→16.9%→19.2%と推移しており、全国平均の約2倍近い水準となっています。根本的に受益者負担の見直しが必要なのか、減価償却費分の回収(減価償却した分だけ将来の更新費用として見込まれる)が出来ているのか、など分析する必要があります。
4.負債の状況
⑦は、おおむね横ばいとなっており、微増の傾向にあるのは人口減少による影響と言えます。負債を最も多く占めるは地方債(約142.6億円のうち、約118.3億円)ですが、次に退職手当引当金(市町村総合事務組合への負担金支払額と退職金要支給額(健全化資料)との不足分)が約20億円計上されているため、この増減も負債に影響を与えるため、負債=地方債と考えておりません。また、⑧はここ数年大きくプラスを続けており、堅調な経営をしていると考えます。これは財源を税収や補助金、使用料等で賄っており、基金の取り崩しや地方債の発行に頼らない資金調達が出来ているということを表しています。そのため、将来世代への負担を出来るだけ抑えていると言えます。しかし、現在の資産の老朽化を考えると、現在世代が資産更新を行った負債を将来世代へ引継ぐのではなく、将来世代に資産更新そのものを引き継いでいる(将来世代が負債を発生させる)状況のため、今後資産の最適化を行っていかない限りはいずれ負債の状況は増加することになると考えます。
5.受益者負担の状況
⑨はおおむね全国平均値程度となっています。しかし、純資産変動計算書の本年度差額が近年マイナス続きの状況を鑑みると、コストを賄うだけの財源を調達できていない状況です。これが、「財源が少ないのか」「コストが多いのか」「収益が少ないのか」どの要因が大きいのか、また、検討できる余地があるのか、によって今後の推移は変わっていくものと考えます。今回の⑨に影響する「コストが多いのか」という面では、何に多くコストを要してしまっているのか、それは改善可能なものであるのか、使用料等の収益は十分であるのか、などの棚卸を行った上で、可能な限り将来の資産更新等に向けた回収も受益者負担で賄っていきたいと考えます。ただし、受益者負担の算式に使使用する「経常費用」は、算出された数値だけではなくその要因の確認まで行う必要があります。
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