那須町

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収録データの年度

2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力

財政力指数の分析欄

町内には大型事業所は少ないものの、多くの宿泊・レジャー施設や別荘があるため、固定資産税などの財源を確保できており、財政力指数は類似団体の平均と同じ0.69となっている。しかし近年、土地評価額の下落や別荘などの新築件数の減少が見られるため、移住・定住や二地域居住の促進、徴収強化などにより、安定した歳入の確保に努めていく。

類似団体内順位:18/37

財政構造の弾力性

経常収支比率の分析欄

人件費、物件費及び補助費等は依然として高水準で推移しており、経常収支比率は前年度から0.5ポイント上昇し、90.9%となり、類似団体平均(87.3%)を上回っている。今後も「行財政改革推進プラン」に基づき、歳出の徹底した削減を進めるとともに、全事務事業の優先度を精査し、優先度の低いものについては計画的な廃止・縮小を進めることで経常経費の削減を図る。また、ふるさと納税など税外収入の確保にも引き続き取り組み、財政健全化を推進していく。

類似団体内順位:26/37

人件費・物件費等の状況

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は182,682千円であり、類似団体の平均(157,406千円)と比較して約1.2倍となっている。この要因として、本町は広大な面積に居住区域が点在しているため、効率的な行政サービスの提供が難しいことや、公共施設の数が多いことが挙げられる。特に、「ごみ収集費」や「スクールバス運行費」の負担が大きく、これらの効率化・最適化を進めることが重要である。また、公共施設の適正化については、「公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的に推進していく。

類似団体内順位:29/37

給与水準(国との比較)

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均(97.2)を0.4ポイント下回る96.8となっている。類似団体平均及び全国町村平均(96.3)と同水準の状況であるため、現水準を維持しつつ、より一層の給与の適正化に努める。

類似団体内順位:17/37

定員管理の状況

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たりの職員数は10.50人で、前年度(10.42人)より0.08人増加し、類似団体平均を2.55ポイント上回っている。これは、高度化・多様化する行政需要に対応するため、必要な職員数を確保したことによるものである。引き続き「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的かつ効率的な人員配置を図りながら、職員定数の適正化に努める。

類似団体内順位:34/37

公債費負担の状況

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は7.1%で、前年度と同水準となったものの、類似団体の平均(6.5%)を0.6ポイント上回っている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止を進める中で、事業の優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期を整理することが求められる。併せて、計画的な積立を行い、起債への依存を抑えることで、実質公債費比率を類似団体の平均水準まで引き下げることを目指す。

類似団体内順位:20/37

将来負担の状況

将来負担比率の分析欄

地方債の発行抑制による残高の減少に加え、決算剰余金を中心とした積立や、ふるさと納税額の増加、普通交付税の追加交付分の積立による充当可能基金の増加により、類似団体平均同値の0.0(数値なし)となった。引き続き、地方債借入の抑制を図り、財政調整基金等の充当可能財源を確保するとともに、経営戦略に基づき水道事業会計等の健全化を図っていく。

類似団体内順位:1/37

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費

人件費の分析欄

会計年度任用職員の事務補助員を原則パートタイム勤務としたことなどにより改善傾向にあり、類似団体平均を0.1ポイント下回っている。保育園の適正配置や公共施設の整理・縮小を進めており、「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的かつ効率的な人員体制を維持しながら、職員定数の適正化を図る。

類似団体内順位:23/37

物件費

物件費の分析欄

町の面積が広大であることから、公共施設の管理費、ごみ収集運搬費、スクールバス運行委託費などが高額であり、類似団体平均を1.9ポイント上回る17.5%となっている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設の統廃合を進めるとともに、事務事業の見直しによるコスト削減を図る。

類似団体内順位:28/37

扶助費

扶助費の分析欄

公立保育所を多く有しているが、保育士を人件費で計上しているため、類似団体平均を2.3ポイント下回っている。今後、超高齢化に伴い医療・介護等の社会保障関連経費の増加が見込まれるため、町単独事業をはじめ、行政ニーズの変化や受益と負担の公平性を踏まえた見直しを行う。併せて、効果的な予防事業を推進し、扶助費の上昇を抑制する。

類似団体内順位:5/37

その他

その他の分析欄

前年度から0.4ポイント増加し、類似団体平均を1.2ポイント上回る13.4%となっている。特に繰出金は、超高齢化に伴う介護保険特別会計の給付費増加により法定繰出が増加しているため、介護予防の強化を進め、給付費の抑制に努める。

類似団体内順位:25/37

補助費等

補助費等の分析欄

類似団体平均を1.2ポイント上回る15.4%となっている。一部事務組合への支出割合が高いため、構成市町と連携し、経費の削減・適正化を進める。また、町単独の補助金については、「補助金に関するガイドライン」に基づき、公平かつ適正な交付を徹底する。

類似団体内順位:20/37

公債費

公債費の分析欄

類似団体平均を1.7ポイント上回る13.8%となっている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設の長寿命化や統廃合を進めるとともに、優先度を的確に判断し、大規模投資事業の実施時期を整理する。併せて、計画的な積立を行い、起債への依存を抑えた財政運営を推進する。

類似団体内順位:21/37

公債費以外

公債費以外の分析欄

扶助費、公債費及び補助費等の増加により、類似団体平均を1.9ポイント上回る77.1%となった。引き続き「行財政改革推進プラン」に基づき、民間活力の導入や職員定数の適正化を推進するほか、歳出削減を徹底する。さらに、全事務事業の優先度を精査し、優先度の低い事業については計画的に廃止・縮小し、経常経費の削減を図る。

類似団体内順位:25/37

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり594,449円である。類似団体平均と比較すると、農林水産業費、商工費、消防費が高い。農林水産業費は、土地改良事業費補助金の影響で増加している。商工費は、那須高原友愛の森整備費の増加に加え、観光地として観光施設管理費や観光推進費が類似団体平均より高いことが要因である。消防費は、常備消防費の高止まりに加え、消防団詰所の新築工事や消防ポンプ車両の購入による影響が大きい。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり594,449円である。類似団体平均と比較すると、人件費、物件費、補助費等が高い。人件費については、保育園の適正配置や公共施設の整理・縮小を進めており、「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的かつ効率的な人員体制を維持しながら、職員定数の適正化を図る。物件費については、町の面積が広大であることから、公共施設の管理費、ごみ収集運搬費、スクールバス運行委託費などが高額となっている。そのため、「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設の統廃合を進めるとともに、事務事業の見直しを通じてコスト削減を図る。補助費等については、一部事務組合への支出割合が高いため、構成市町と連携し、経費の削減・適正化を進める。また、町単独の補助金については、「補助金に関するガイドライン」に基づき、公平かつ適正な交付を徹底する。なお、貸付金は類似団体平均の約3.6倍と高水準であるが、これは中小企業振興資金融資預託金(2.7億円)が影響している。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は、取崩額を上回る決算剰余金を積み立てたため、前年度比3.3ポイント増の29.81%となった。実質収支額は黒字を維持しており、実質単年度収支についても、令和2年度以降、普通交付税の増加等により継続的な黒字を確保している。今後も職員数の適正化、事務事業の見直し、公共施設等の適正管理を推進し、健全な行財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

すべての会計において黒字となっており赤字は発生していない。今後も引き続きすべての会計において、将来にわたり健全な財政運営を維持するよう行財政改革に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

「元利償還金」の増加は、令和元年東日本台風による災害復旧債などの影響によるものである。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設の長寿命化や更新、縮小・廃止などを計画的に進める。これにより、大規模投資事業の実施時期を整理し、計画的な積立を行うなど起債への依存を抑えた財政運営を目指す。

分析欄:減債基金

満期一括償還地方債の利用なし。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

地方債の発行抑制による残高の減少に加え、決算剰余金を中心とした積立や、ふるさと納税額の増加、普通交付税の追加交付分の積立による充当可能基金の増加により、将来負担比率の分子は-78百万円となり、マイナスとなった。今後も「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設の長寿命化や更新、縮小・廃止などを進める中で、事業の優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期を整理しながら、計画的な基金の積立を行う。これにより、起債への過度な依存を避け、持続可能な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金残高合計

基金全体

(増減理由)財政調整基金への決算剰余金の積み立てや減債基金への普通交付税追加交付分(臨財債償還基金費分)の積み立て、公共施設等整備基金への計画的な積み立て、ふるさと納税寄附額のふるさと那須町応援基金への積み立て等により全体で666百万円増加した。(今後の方針)老朽化が進む公共施設への対応に加え、災害の頻発化・激甚化や行政需要の高度化・多様化、地域経済の低迷による税収減などに備え、財政調整基金、減債基金及び公共施設等整備基金を中心に計画的に積み立てを行っていく。

財政調整基金

財政調整基金

(増減理由)不足財源を補うため295百万円を取り崩したが、地方財政法第7条に基づき決算剰余金の1/2以上にあたる583百万円を積み立てた結果、288百万円増加した。(今後の方針)老朽化が進む公共施設への対応に加え、災害の頻発化・激甚化、行政需要の高度化・多様化、地域経済の低迷による税収減などに備え、計画的な積み立てを継続する。

減債基金

減債基金

(増減理由)繰越金が当初見込みを上回ったため取り崩しを見送り、さらに普通交付税の追加交付分(臨財債償還基金費分)を積み立てたことで、41百万円増加した。(今後の方針)今後の公債費の推移を考慮し、年度間の負担を平準化できるよう、計画的に取り崩しと積み立てを実施する。

その他特定目的基金

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと那須町応援基金:子育て支援、地域産業の振興、環境保全、福祉、教育等公共施設等整備基金:文化教育施設、防災防火施設、水資源施設その他公共施設の整備総合運動公園整備基金:総合運動公園の整備ふるさと創生事業基金:活力と魅力あふれる豊かなまちづくり森を育む基金:間伐や人材育成、担い手確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備促進(増減理由)ふるさと那須町応援基金:526百万円を取り崩した一方、ふるさと納税寄付額816百万円を積み立てたため、290百万円増加。公共施設等整備基金:橋りょう撤去費用22百万円、定住促進住宅分15百万円、学校施設国庫返還金相当分3百万円を積み立て、合計40百万円増加。森を育む基金:森林環境譲与税34百万円を積み立てたが、森を育む事業および友愛の森再整備事業で45百万円を取り崩し、11百万円減少。その他の特定目的基金:設置目的に応じた事業の財源として取り崩しを実施。(今後の方針)ふるさと那須町応援基金:ふるさと納税寄付額に応じて積み立て、翌年度に特定目的事業の財源として活用。公共施設等整備基金:老朽化した公共施設の改修・更新費用に活用するため、計画的に積み立てを継続。森を育む基金:森林環境譲与税額に応じて積み立て、翌年度に対象事業の財源として取り崩し。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和4年度の有形固定資産減価償却率は68.5%であり、類似団体平均と比べ3.8%高くなっている。経年比較でみると、令和4年度は1.7%増、令和3年度も1.5%増となっており、著しく老朽化が進んでいる。これは資産が多いため、更新・改修等を行っているが減価償却費がそれを上回っていることによるものであり、維持補修をメインに耐え忍んでいる状況である。今後も公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に老朽化した施設の長寿命化や集約・複合化、除却を進めていく。

類似団体内順位:28/37

(参考)債務償還比率

債務償還比率の分析欄

令和4年度の債務償還比率は484.0%であり、類似団体平均と比べ83.5%上回っている。経年比較でみると、36.8%増となり、債務償還比率が大きくなっている。これは、単年度の償還額の増、臨時財政対策債発行可能額の減によるものである。単年度の償還額は増となっているが、地方債発行額の抑制により、地方債現在高、償還額の減少が見込まれ、債務償還比率は改善することが見込まれる。類似団体平均と比べ依然高い水準であることから、地方債発行額の抑制や事務事業の見直しを進めるとともに、基金等を適正に確保していく。

類似団体内順位:26/37

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和4年度の将来負担比率は12.2%であり、経年比較でみると充当可能基金の増等により16.2%改善したが、依然類似団体平均を上回っている。有形固定資産減価償却率も類似団体平均を上回っている。これは公共施設等の老朽化対策が進んでいないにもかかわらず、地方債残高等の将来に負担する債務が多い状況にあるためである。行財政改革推進プラン等に基づき、地方債発行額の抑制や事務事業の更なる見直しを進め、財政調整基金等の適正な規模を確保するとともに、公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に老朽化した施設の長寿命化や集約・複合化、除却を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

令和4年度の将来負担比率は類似団体平均を上回っており、実質公債費比率も類似団体を上回っている。経年比較でみると、将来負担比率は減少傾向、実質公債費比率は横ばいである。将来負担比率が減少傾向にあるのは、積立金が増えたことで充当可能基金が増加し、起債抑制により、地方債の現在高が減少傾向にあるためである。また、利子負担の軽減を図るために財政状況を鑑みながら、償還期間を短くする等の対応をとることで実質公債費比率は横ばいで推移すると見込んでいる。将来負担比率は、依然高い水準となっているため、行財政改革推進プラン等に基づき、地方債発行の抑制や事務事業の更なる見直しを進めるとともに、財政調整基金等の適正な規模を確保していく。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

令和4年度は、町立保育園の統廃合、民営化により「認定こども園・幼稚園・保育所」の有形固定資産減価償却率がわずかに改善されているが、半数の施設が耐用年数を迎え老朽化が進行しており、統合や建替えを含めた再整備の検討が必要である。また、「認定こども園・幼稚園・保育所」の一人当たりの面積は、経年比較で0.028の減となっているが、民営化や利便性や配置バランスを考慮した適正配置により多様化する保育ニーズへの対応や保育サービスの充実を図る。「道路」、「橋りょう・トンネル」、「学校施設」及び「公民館」は、老朽化が進行している状況であり、特に「道路」は、有形固定資産減価償却率が年々大きく増加している。また、人口比較でみると、「橋りょう・トンネル」の一人当たり有形固定資産額が類似団体平均の約2.82倍と多くなっている。橋りょうや舗装の劣化が安全性に関わる原因となる可能性もあり、適切な維持管理を行う必要がある。修繕や更新に多額の費用負担が見込まれるため、引き続き定期的な点検等を実施し、利用状況や緊急性を考慮して計画的な修繕をすることでトータルコストの縮減を図る。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

令和4年度の有形固定資産減価償却率をみると、「図書館」、「体育館・プール」、「庁舎」の老朽化が進行している状況であり、特に「図書館」は老朽化が顕著な施設である。町立図書館は、昭和53年度に整備され定期的に修繕等を実施してきたが、有形固定資産減価償却率で示されているように施設の劣化が目立っている。日常点検や建物・設備の定期点検を引き続き実施し、安全確保に努め、他施設との複合化など今後のサービスや施設の在り方について検討する。「一般廃棄物処理施設」、「体育館・プール」及び「消防施設」は、人口比較でみると一人当たりの面積が類似団体の平均を大きく上回り、老朽化に伴う改修費等は今後大きな財政負担となることが見込まれる。公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に長寿命化や集約化、除却を進め、費用削減の方策を検討しつつ、維持管理に係る費用の増加に留意していく。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計ではこれまで同様、資産総額が毎年約3%の割合で減少しています。これに対し、負債はほぼ横ばいの状況(令和元年度からは微増)が続いています。負債は減少しないが、資産の老朽化だけは著しく進んでいっている状況となります。資産合計をみると、約13.6億円減少していますが、投資及び流動資産は約6.5億円増加しており、特に基金では財政調整基金が約6.5億円増加、減債基金が約2億円増加となっています。そのため、この資産合計減少の要因は有形固定資産であると言えます。また、投資+流動資産は前年比で約111.6%、有形固定資産は前年比96.4%となっていることからも分かります。この状況が純資産比率の減少に起因しているものです。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計では純行政コストが前年比85.2%(約25億円の減少)となりました。令和2年度は、コロナ関連の補助金等が大きくコストに影響していたための結果となっていましたが、そこが減少(補助金等は令和2年度から約22.8億円の減少)したことが最も大きい要因です。経常費用に占める割合も、補助金等は36.2%→25.6%に減少、減価償却費が16.9%→19.2%、物件費が14.2%→18.5%、人件費が13.7%→15.7%とそれぞれ変動しています。給付金等の支給も依然続いている状況であり、類似規模団体との比較ではまだバラつきが生じる可能性があるため、まずは経年比較でコスト増減の要因に注視します。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

本年度差額でマイナスとなっている状況は、企業経営でいう赤字を表しています。(行政コストに財源を含めてもマイナスである状態)。これまで一般会計では、約20億円の赤字が続いており、これは非資金経費(減価償却費や各種引当金繰入等)が約30億円あることも要因です。減価償却費は、住民が施設利用をすることで老朽化に繋がるものと考えると、この減価償却費分をいかに受益者負担で回収出来るかというのも必要かと考えます。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

投資活動収支のみ毎年収支マイナスとなっています。これは資産形成に係る支出(公共施設等整備費支出)が多いものではなく、基金積立が多い傾向にあることが要因と考えます。また、令和3年度のマイナスが大きくなっているのは、投資活動支出が約4.3億円増加(基金積立が約5.1億円増加)に対し、投資活動収入が約2.4億円減少(国県等補助金収入の投資活動分が約1.1億円減少、基金取崩が約1.2億円減少)のためです。さらに、財務活動収支が大きくない(発行と償還が例年ほぼ一定額に近い)ことも特徴です。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

前年度までと同様に、資産の老朽化を要因とした資産合計の減少が特徴的です。資産合計は固定資産と流動資産に分類されます。固定資産のうち投資等と流動資産は増加傾向にあります(令和3年度では約6.5億円増加)が、資産合計そのものは約13.6億円の減少です。この要因となるのがいわゆる固定資産(有形固定資産)であり、令和3年度は約20.1億円減少しています。これは資産の除却等によるものではなく、減価償却累計額の増加、すなわち老朽化ということが挙げられます。③の比率で分かる通り、ここ近年著しく増加傾向にあり、類似規模団体と比較してもとても高い水準にあります。①は、横ばいのように見えていますが、資産合計も人口もどちらもバランスよく減少しているためそう見えているだけであり、この横ばいは人口減少とともに施設の老朽化も許容してしまっている(維持補修で耐えている)という状況とも捉えています。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④⑤からは総じて将来世代への負担が低いという結果になっています。ただし、経年比較では④は減少傾向にあり、⑤は増加傾向にあるということから、徐々に将来世代への負担が増えている傾向ということが分かります。④が高い傾向にあるのは負債の割合が低いということになりますが、これは現在世代が形成した資産が多くあり、今後の将来世代が資産更新を行う必要がある、いわゆるみなし負債が多い可能性も潜めています。特に現在では老朽化比率が高く、施設によっては更新を余儀なくするケースもあります。そういった場合には資産の増加にも繋がるものの、一定の負債増加へも繋がります。⑤が低いのは、老朽化比率が高いことにも影響している可能性があります。また、⑤は地方債と固定資産に直結していますが、④は負債という大枠で計算しているため、この負債には地方債の他、退職手当引当金や長期未払金(分割払い等)、リース債務、賞与等引当金、預り金(歳計外現金)も含まれており、負債合計では約88百万円の増加に留まっていますが、地方債そのものは約1.2億円増加しているため、負債と一括りにせずに、その内訳の増減を把握していく必要があります。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

令和2年度では行政コストにコロナ関連補助金等の大幅な増加が影響していましたが、令和3年度は約100千円の減少となりました。令和元年度と比較すると依然多い水準となっています。補助金等は前年比で約22.8億円減少しており、物件費が約3.3億円増加しているというのが令和3年度の特徴です。また、町の特徴として経常費用に占める減価償却費の割合が高い点です。これは保有資産の数量やインフラ整備の規模にも起因するものであるため、資産が過大であるとは言い切れません。全国平均では経常費用に占める減価償却費の割合が約10%となっているものの、町では令和元年度から22.4%→16.9%→19.2%と推移しており、全国平均の約2倍近い水準となっています。根本的に受益者負担の見直しが必要なのか、減価償却費分の回収(減価償却した分だけ将来の更新費用として見込まれる)が出来ているのか、など分析する必要があります。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦は、おおむね横ばいとなっており、微増の傾向にあるのは人口減少による影響と言えます。負債を最も多く占めるは地方債(約142.6億円のうち、約118.3億円)ですが、次に退職手当引当金(市町村総合事務組合への負担金支払額と退職金要支給額(健全化資料)との不足分)が約20億円計上されているため、この増減も負債に影響を与えるため、負債=地方債と考えておりません。また、⑧はここ数年大きくプラスを続けており、堅調な経営をしていると考えます。これは財源を税収や補助金、使用料等で賄っており、基金の取り崩しや地方債の発行に頼らない資金調達が出来ているということを表しています。そのため、将来世代への負担を出来るだけ抑えていると言えます。しかし、現在の資産の老朽化を考えると、現在世代が資産更新を行った負債を将来世代へ引継ぐのではなく、将来世代に資産更新そのものを引き継いでいる(将来世代が負債を発生させる)状況のため、今後資産の最適化を行っていかない限りはいずれ負債の状況は増加することになると考えます。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨はおおむね全国平均値程度となっています。しかし、純資産変動計算書の本年度差額が近年マイナス続きの状況を鑑みると、コストを賄うだけの財源を調達できていない状況です。これが、「財源が少ないのか」「コストが多いのか」「収益が少ないのか」どの要因が大きいのか、また、検討できる余地があるのか、によって今後の推移は変わっていくものと考えます。今回の⑨に影響する「コストが多いのか」という面では、何に多くコストを要してしまっているのか、それは改善可能なものであるのか、使用料等の収益は十分であるのか、などの棚卸を行った上で、可能な限り将来の資産更新等に向けた回収も受益者負担で賄っていきたいと考えます。ただし、受益者負担の算式に使使用する「経常費用」は、算出された数値だけではなくその要因の確認まで行う必要があります。