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町内に大型事業所が進出していることもあり、歳入全体における税収等の自主財源比率が高く、類似団体内平均と比較しても財政力指数は0.18ポイント上回っている。基準財政収入額において、固定資産税や地方消費税交付金の増加により、分子となる基準財政収入額全体は約0.7億円増加した。一方、分母となる基準財政需要額については、社会福祉費、高齢者保健福祉費の増加や普通交付税の追加交付に係る再算定により、令和4年度と比較し約0.7億円増加した。結果として、令和4年度の基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値は0.88となり令和2年度の単年度数値0.92を下回るため、3か年平均すると、財政力指数は0.87となり、前年度より減少した。
経常収支比率は令和4年度と比較し0.6ポイント減少したが、類似団体内平均と比較すると0.8ポイント上回っている。分子となる歳出において、扶助費(+0.4億円)や人件費(+0.3億円)の増加があるものの、補助費(-0.7億円)、公債費(-0.7億円)等の減少により、全体で分子は0.9億円減少した。分母となる歳入において、臨時財政対策債が減少(-1.2億円)したため、全体で0.5億円減少した。その結果、歳出(分子)及び歳入(分母)が供に減少したが、分子の減少幅が大きかったため、経常収支比率は0.6ポイント減少した。
会計年度任用職員の給与改定に伴う人件費の増加に加え、ふるさと納税額に係る返礼代の増加により、人口1人当たりの人件費・物件費等決算額が増加した。その中でも人口1人当たりの決算額が類似団体内平均を下回っていることについては、ラスパイレス指数が100を下回っていることに加え、人口1,000人当たりの職員数において類似団体内平均を下回っていることが要因の一つとして考えられる。また、ごみ処理業務、し尿処理業務、学校給食業務等を一部事務組合で運営しているため、これらの経費を補助費等に区分して計上していることも人口1人当たりの人件費・物件費等決算額が類似団体平均を下回る要因となっていると考えられる。
給与水準について、令和4年度と比較して0.5ポイントの減少となった。これは、経験年数の長い職員の退職により、職員の平均在職年数が減少したことが主な要因である。
多様化、複雑化する行政需要に対応する人材を確保するため、年度途中の採用を行うなど、職員の増員を図った。それにより、人口1,000人当たりの職員数が0.08人増加となった。
将来負担比率と同様に、全国、県及び類似団体内平均を上回っている。これは、上記のとおり、津波避難タワー等の整備を平成25年度に集中して実施し、交付税措置の高い起債を積極的に活用したことにより、一時的に地方債残高が増加したためである。分子においては、元利償還金が減少し、分子から差し引く災害復旧費等に係る基準財政需要額等が減少したことも影響し、分子全体は増加した。分母においては、標準税収入額等が増加したが、臨時財政対策債発行可能額が減少したため標準財政規模全体は減少したが、事業費補正算入公債費及び災復旧費に係る基準財政需要額が減少したことにより算入公債費等が減少したことが主な要因となり、分母は増加した。分子、分母ともに増加したが、分母の増加幅が大きいことにより、単年度の算出数が減少し、3年平均における実質公債費率は令和4年度と比較し0.2ポイント増加した。
全国、県及び類似団体内平均を上回っている。これは、東日本大震災以降の町の施策「津波防災まちづくり」で実施した津波避難タワーの整備(総額57.5億円)など、防災インフラをはじめとした積極的な投資活動を行ってきたことによるものである。また、令和4年度と比較し8.1ポイントの減少となっているのは、地方債現在高の減少に加え、公営企業債等繰入見込額、組合負担等見込額、退職手当負担見込額も減少したことによる分子の大幅な減少が主な要因であり、標準財政規模の減少により分母も減少したが、分子の減少が大きいため、将来負担比率は減少となった。加えて、地方債管理原則(当年度借入額-当年度緊急防災・減災事業債借入額<当年度元金償還額)に基づき事業を実施し、交付税措置の高い起債を優先して活用してきたことも減少の要因となっている。
人件費の経常収支比率は、類似団体内平均を5.4ポイント下回っている。これは、人口1,000人当たりの職員数とラスパイレス指数が類似団体内平均を下回っていることが要因であると考えられる。また、ごみ処理業務、し尿処理業務、学校給食業務等を一部事務組合で運営していることや消防救急業務を広域化して事務を委託していることも比率を低く抑えることの要因となっている。一方で、給与改定等による各種人件費の増加に伴い、人件費の経常収支比率は、令和4年度と比較して0.5ポイント増加した。
物件費の経常収支比率は、令和4年度と比較して0.2ポイント減少した。これは、委託料の増加があったものの、電気使用料等の減少により需用費の減少が大きかったためである。類似団体内平均と比較して経常収支比率が下回っているのは、ごみ処理業務、し尿処理業務、学校給食業務等を一部事務組合で運営しており、これらの経費を補助費等に区分していることが主な要因であると考えられる。
扶助費の経常収支比率について、類似団体内平均と比較して3.4ポイント下回っている。当町は、高齢化率が県内でも低く、介護等に係る社会福祉費関連の扶助費が類似団体と比較して低く抑えられていると推測され、結果として類似団体平均を下回ったと考えられる。しかしながら、全国的な傾向と同様に当町においても高齢化率は増加していくことが予測されることから、社会保障給付費の総額については今後増加していくため、扶助費の増加が見込まれる。
令和2年度より公共下水道事業会計が公営企業会計に移行したことで、その他に計上されていた繰出金が補助費等に計上されるようになり、類似団体内平均を6.0ポイント下回った。その他の経常収支比率は、分子となる操出金において、保険基盤安定繰出金が減額(-3百万円)となったが、低所得者保険料軽減繰出金等の増額により介護保険事業への繰出金が増(+7百万円)となり、また、保険基盤安定繰出金の増額により後期高齢者医療事業への繰出金も増(+5百万円)となったことが要因となり、その他の経常収支比率は令和4年度と比較して0.1ポイント増加した。
ごみ処理業務、し尿処理業務、学校給食業務等を一部事務組合への補助費等としていることで、補助費等の経常収支比率は類似団体内平均を上回る状況にあるが、これに加えて令和2年度より公共下水道事業が特別会計から公営企業会計に移行し、公共下水道事業の公債費等に係る費用の繰出金も補助費等となり、類似団体内平均を14.2ポイント上回っている。また、ふるさとよしだ寄附金基金の充当額増加により、補助費等の経常的経費充当一般財源が減少し、補助費等の経常収支比率は令和4年度と比較して0.8ポイント減少した。
平成29年度から「津波防災まちづくり」により実施した事業に活用した起債の元金償還が始まったため、公債費が大きく増加となっていたが、地方債管理原則(当年度借入額-当年度緊急防災・減災事業債借入額<当年度元金償還額)に基づき事業を実施し地方債残高の削減に努めてきたことから、平成30年度をピークに数値は減少傾向にある。令和4年度は、借入額の大きい小中学校体育館空調設備整備事業等に活用した起債の元金償還が始まったことで、公債費の経常収支比率は増加となったが、令和5年度は、令和4年度と比較して0.8ポイントの減少となった。
公債費以外の経常収支比率が類似団体平均よりも1.6ポイント下回り、令和4年度と比較して0.2ポイントの増加となった。分子となる歳出は人件費及び扶助費が増加しているが、補助費等の経常的経費充当財源の減少が大きいため、減少している。分母となる歳入は、臨時財政対策債の減少が要因となり減少している。分子分母ともに減少しているが、分母の減少幅の方が大きかったため、0.2ポイント増加となった。
(増減理由)基金全体の残高は、令和4年度と比較して0.5億円減少した。内訳は、財政調整基金が約1.2億円の減少、その他特定目的基金が約0.6億円の増加となっている。各基金の増減理由は下記のとおり。(今後の方針)不測の事態や将来の基金を活用した事業実施に備えるため、適切に残高を管理していく。一方で、状況に合わせた基金の活用についても併せて検討していく。
(増減理由)財政調整基金の残高は、令和4年度比較し約1.2億円減少した。要因としては、保育園用地の取得や庁舎エレベーターの改修等の一般財源で対応した普通建設事業が多く発生したことで、結果として積立額以上の取り崩しが発生したためである。(今後の方針)不測の事態への備えとして、引き続き一定の残高を確保するよう努める。総合計画、行政評価及び予算を連動させる「吉田町まちづくりステップアップ行政評価」において、財政調整基金残高の目標額を20億円としていることから、必要な事業の推進を図りつつ基金残高の増加を目指す。
(増減理由)基金利息を積み立てたのみであるため、令和4年度と比較し同額となっている。(今後の方針)令和3年度に減債基金を活用した繰上償還により将来負担が軽減したが、今後の事業実施に伴う借入予定や償還の見込みから積立ての必要性を検討していく。
(基金の使途)特定目的基金のうち最も積立額が多い基金はふるさとよしだ寄附金基金であり、吉田町の主要事業「新たな安全と賑わいの創出に向けた取組「シーガーデンシティ構想」」、「災害に強く安全・安心に暮らせるまちづくり」、「誰もが健康でいきいきと暮らせるまちづくり」、「活力あふれる産業振興のまちづくり」、「魅力あふれる多様な交流を生むまちづくり」、「次代を担う心豊かな人を育むまちづくり」、「豊かな自然と共生するまちづくり」、「行政と住民が一体となって取り組むまちづくり」の8項目について、ふるさと納税寄附金の用途を指定された指定寄附分に当基金を積み立てて、翌年度以降の事業に充当している。また、小中学校の建設に備えた「吉田町立小・中学校建設基金」、吉田町の教育の振興を図るための「吉田町教育振興基金」を合わせた3つの基金で特定目的基金残高の90%以上を占めている。(増減理由)令和5年度は前年度と比較し当初予算時の吉田町教育振興基金と吉田町地域福祉基金の取崩しによる基金残高の微減があるものの、ふるさと納税額のうち、基金に積み立てる指定寄附分が増加し、ふるさとよしだ寄附金基金への積立額が増加したことで、基金残高が増加となった。(今後の方針)ふるさとよしだ寄附金基金については、ふるさと納税に係る寄附金の指定寄附を原資としているため、寄附者の意向に沿った活用をしつつ、今後の事業展開に合わせて適正な基金の積立に努めていく。また、その他特定目的基金についても今後の事業の動向を注視し、基金の目的に沿った運用を行うとともに、状況に合わせた活用について検討を行う。
平成23年に発生した東日本大震災以降、沿岸部に位置する当町は、「津波防災まちづくり」を強力に推進し、住民の生命及び安全を守るために、津波避難タワーの建設や、避難路の整備、防災拠点の整備、公共施設の耐震化や空調設備等整備を行ってきたため、有形固定資産減価償却率は類似団体平均と比較して低くなっている。
債務償還比率の増加要因として、臨時財政対策債償還基金費が普通交付税の算定から無くなり交付税額が減額となったこと、新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金が減額となったこと等により、経常一般財源等(歳入)等が減額となっており、結果として債務償還費率は前年度と比較して69.5ポイント高くなっている。また、地方債管理原則に基づき地方債発行の抑制に取り組んだ結果、地方債の現在高は減少傾向となり、債務償還比率減少の一因となっているため、引き続き地方債管理原則に基づいた地方債の運用に努める。
平成25年度以降「津波防災まちづくり」推進のため、津波避難タワー等の防災拠点の整備により、新規の有形固定資産が増加したことから、平成25年度以降、有形固定資産減価償却率が高くなり、併せて、地方債残高が増額になったことにより将来負担比率が類似団体内平均値と比較して高くなっている。現在は、地方債管理原則に基づき地方債発行の抑制に取り組んだことにより、将来負担比率は年々低くなっているため、引き続き地方債管理原則に基づいた地方債の運用に努める。
平成25年度以降「津波防災まちづくり」を積極的に推進したことにより、実施事業に伴う地方債の発行額が増額となったため、類似団体内平均値と比較して、例年、実質公債費比率、将来負担比率はともに高くなっている。令和4年度は平成30年度に実施した小中学校のトイレ改修及び令和元年度に実施した小中学校体育館の空調設備改修等事業の元金償還が開始したため、地方債の元利償還金が増額となり、加えて、普通交付税額が減額となったため、標準財政規模が前年度と比較して126,102千円低くなったことにより、単年度の実質公債費比率は前年度と比較して0.8ポイント高くなり、3年間の平均値は前年度と比較して0.1ポイント低くなった。地方債管理原則に基づき地方債発行の抑制に取り組んでいるため、今後、津波避難タワー等防災拠点整備の地方債の償還完了に伴い実質公債費比率、将来負担比率とともに類似団体内平均値に近づく見込みである。