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財政力指数の分子となる町の標準的な税収入等(=基準財政収入額)のうち、地方税等は前年度に比べて増となっているが、それ以上に施設の維持等の自治体運営に必要となる財政需要(=基準財政需要額、財政力指数の分母)の増が大きいために前年度を下回っている。今後も、企業誘致などの政策による「税収の増」と徴収体制の強化などによる「税収の確保」という2つの側面から財政基盤の強化を図り、財政力指数の改善に努める。
分母(経常一般財源)は、主に臨時財政対策債の減により、総額で約2億6000万円の減となった。分子(経常経費充当一般財源)は、物件費や扶助費が全体的に増となっていることにより、総額で約1億0900万円の増となった。その結果、経常収支比率は前年度に比べ4.5ポイント上昇した。類似団体と比較し、経常収支比率が高い水準で推移していることから今後もより一層、事務事業の削減・見直しを進め、これまで以上に経常経費の抑制に努める。
物件費については令和3年度より個別事業ごとに積算し集計していく「積み上げ方式」を採用しコスト削減に努めたこと等により、前年度同様類似団体と比較して低水準を維持している。しかしながら人件費について時間外勤務の抑制や、業務の効率化・見直し等の取り組みに努めているものの、会計年度任用職員の増加に伴う給与の増等により高い水準で推移している。全体としては前年度を上回っており、今後も事務事業の削減・見直し、職員数の適正化を図り、コストの削減に努める。
若年層の管理職登用の増加などにより直近は上昇傾向が続いていたが、定年退職者数の減少もや、管理職登用も減少したことなどにより減少に転じた。今後も国家公務員の給与水準との均衡を考慮し、給与の適正化に努める。
類似団体の平均値を上回る状況が続いているが、主な要因は文化財や遺跡などが多数存在していること、公立幼稚園を4カ所直営で運営していることにより職員数が多くなっていることなどが挙げられる。定員適正化計画を基に、今後も職員数の適正化を図っていく。
道路整備、内水対策等の実施のため令和元年度及び令和2年度に借り入れた地方債の元金償還が令和4年度より開始された(平成30年度借入分:37,864千円、令和元年度借入分、元金:23,609千円、令和2年度借入分、元金:28,998千円)ことに加え、臨時財政対策債が大幅な減(338,946千円減)となったこと等から、0.8ポイント上昇した。このような現状を鑑み、特定財源の確保や財源的に有利な起債を活用、さらに公共施設の整備に係る基金を活用するなど、より一層計画的な事業の実施を行い、公債費比率の上昇の抑制に努める。
分母となっている標準財政規模は減となっているが、それに対し分子の地方債現在高、公営企業債等繰入見込額や退職手当負担見込額等の減が大きく、前年度と比較し、減となっている。しかしながら類似団体の平均を上回っており、今後も税収の強化や特定財源の確保など、財政の健全化に取り組む必要がある。
時間外勤務の抑制や業務効率化の取り組みを図っているが、類団平均をやや上回る状況が続いている。一部の窓口業務を業務委託するなど人件費の縮減を図っているが、今後はごみ収集等にも業務委託を拡大することでさらに効率化を推進していく。
令和3年度より個別事業ごとに積算し集計していく「積み上げ方式」を採用し、コスト削減に努めているが、前年度と比較して1.1ポイント増となっている。しかしながら、類似団体と比較すると低水準を維持しているため、引き続き適正な支出に努める。
分母である経常的な収入とされている臨時財政対策債の減及び分子となる扶助費(の一般財源等経費分)そのものが前年度と比較して約40,000千円の増となっていること等から、前年度に比べ0.8ポイント上昇している。今後も少子高齢化等の社会情勢を鑑み、社会保障制度の拡充など、扶助費に係る経費は増加していくと見込まれる中、適正な支出に努める必要がある。
前年度に比べると0.7ポイントの増加となっており、繰出金(令和4年度:966,649千円、令和3年度:942,334千円)の増によるものである。主な要因としては国民健康保険特別会計繰出金(令和4年度:92,804千円、令和3年度:81,575千円)や後期高齢者医療特別会計における療養給付費負担金(令和4年度:365,597千円、令和3年度:348,229千円)の増等が考えられる。繰出金等の抑制に取り組み、負担額を減らしていくように努める。
前年度と同水準となっている。臨時財政対策債の減に対し、補助費等(の一般財源等経費分)そのものも同水準の減となっていたことによる。今後も団体等に対する補助金や協議会等の負担金について、事業効果や目的、団体の状況等を精査し、内容の見直しや終期の設定、補助金の統合及び廃止・縮減に努める。
前年度と比較し、1.3ポイント増となっており、これは道路整備、内水対策等の実施のため令和元年度及び令和2年度に借り入れた地方債の元金償還が令和4年度より開始された(平成30年度借入分:37,864千円、令和元年度借入分、元金:23,609千円、令和2年度借入分、元金:28,998千円)こと等による。今後も公債費は令和7年度頃まで高止まりで推移していくと考えられており、比率の上昇を抑えるため、計画的な地方債の新規発行に努める。
前年度と比較して3.2ポイント上昇しているおり、類似団体の平均も下回っていることから、今後もより一層の特定財源の確保や経費の削減に努め、財政の健全化を図っていく。
(増減理由)令和4年度残高は、前年度に比べて約90,258千円の増となっている。財政調整基金については、490千円の増(積立490千円、取崩0千円)減債基金については63,257千円の減(積立86,743千円、取崩150,000千円)その他特定目的基金については152,978千円の増(積立202,597千円、取崩49,619千円)(今後の方針)今後見込まれる地方債償還の増加に対応し、弾力的な財政運営ができるよう、全般的な基金の積立に努める。
(増減理由)令和4年度残高は、前年度に比して490千円の増となっている。(今後の方針)財政調整基金については現在の残高を維持し、今後大規模な投資的経費が必要となるときに備えて適正に運用していく。
(増減理由)令和4年度残高は前年度に比べて63,257千円の減となっている。同年度中に86,743千円の積立を行っており、平成緊急内水対策事業、ごみ処理広域化施設整備事業に係る償還金等に対して150,000千円の取崩を行った。また積立の原資には平成緊急内水対策事業償還金補助金等があり、補助金として交付された分を積み立てている。(今後の方針)ごみ処理広域化施設整備事業については後年度に至るまで償還額が多額に上っており、令和8年度頃まで計画的に取崩を実施する見込みである。各年度40,000千円程度の取崩になる想定である。
(基金の使途)福祉基金については、運用益である利息を福祉関係の事業などに活用する果実運用型基金として運用している。公共施設等整備基金については、公共施設等にかかる更新費用の適正な管理のため運用している。また令和5年度に公共施設の再編について検討予定としており、その際に基金充当の対象とすべき公共施設についても検討の予定である。企業版ふるさと納税基金については田原本町まち・ひと・しごと創生推進計画に掲げた事業に要する経費の財源に充てるため運用している。森林環境整備促進基金については、木材利用の促進、普及啓発等の森林整備の促進のため運用している。ふるさと応援基金については、寄附の際選択いただいた「子育ての願いをかなえるまちづくり」、「健康で安心な暮らしを支えるまちづくり」、「潤いや喜びを与える学びとスポーツのまちづくり」「安全で快適な暮らしを支えるまちづくり」、「賑わいと活力あふれるまちづくり」の5つのメニューに沿った事業を実施するのに活用する。(増減理由)令和4年度残高は、前年度に比べて152,978千円の増となっている。主な要因は繰越金の一部を公共施設整備基金へ積み立てたことによる150,002千円の増による。(今後の方針)福祉基金については現在の残高を維持していく。公共施設等整備基金については、公共施設等にかかる更新費用の適正な管理のため、運用していく。企業版ふるさと納税基金については、田原本町まち・ひと・しごと創生推進計画に掲げた事業に要する経費の財源に充てるため運用していく。森林環境整備促進基金については、森林環境学習などの普及啓発にかかる事業などを実施していく。ふるさと応援基金については、ふるさと応援寄附金により、メニューに沿った事業を実施していく。
有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にある。令和4年3月に公共施設等総合管理計画の見直しを行い、当該計画等に基づき、施設の集約化の検討や老朽化対策等、適切な施設の維持管理を目指していく。
令和3年度は市街地再開発施設用地購入、流域貯留施設、道路の新設改良や学校の外壁補強などに地方債の借入を行った。今後も市街地再開発や学校施設の再配置、公共施設の老朽化対策などがあり、地方債残高は高い水準を維持することが見込まれることから、債務償還比率も類似団体に比べて高い水準が続く予定である。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率共に高い水準にある。今後も公共施設の老朽化対策等に地方債の発行を伴うことが見込まれるため、必要以上に事業費が増大しないよう公共施設の統廃合や改修内容を精査していく必要があり、令和4年3月に公共施設等総合管理計画の見直しを行った。
実質公債費比率は平成28年度までは類似団体と比較して低い水準であったが、平成29年度以降は類似団体を上回る数値となっている。今後も市街地再開発や学校施設の再配置など起債を伴う大型事業が見込まれるため、将来負担比率、実質公債費比率共に高い水準を維持する見込みであるが、税収や充当可能財源の確保に努めると共に、新規事業の実施時期を見直し平準化を図るなど、計画的な起債に努める。
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