経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、100%を超え黒字収支であり、また全国及び類似団体平均を上回っており収支は健全な水準である。②累積欠損金なし③短期的な債務に対する支払能力を表す流動比率については、全国及び類似団体平均を大幅に上回っており、健全性を維持している。④企業債残高対給水収益比率は、全国及び類似団体平均よりも高い状況である。そのため、過度な企業債の発行を控え企業債残高を抑制することにより、指数の改善を図っているところである。⑤料金回収率は110.25%と前年度より低下しているが、全国及び類似団体平均を上回っており、経営に必要な経費を料金で賄えている。⑥平成30年度の給水原価について、有収水量は減少しているが経常費用があまり変動せず、数値が昨年より上回る結果となっている。⑦施設利用率は、全国及び類似団体平均と概ね同水準で、平成30年度の最大稼働率は86.48%となっている。これは、柳川市特有の海苔養殖繁忙期のものであり、施設の配水能力を有効に活用している状況になっている。⑧有収率は、全国及び類似団体平均と概ね同水準であり、施設は効率的に稼働している状況となっている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、全国及び類似団体平均を上回っている。また、指数が年々増加傾向にあり、施設の老朽化が進んでいる。②管路経年化率は、全国及び類似団体平均とほぼ同水準である。管路の老朽化は進んでおり、老朽管更新事業の計画的な実施が必要である。③管路更新率は、全国及び類似団体平均を上回っている。今後も引き続き計画的な更新を実施する必要がある。
全体総括
平成30年度における柳川市水道事業の経営の健全性及び効率性については、全国及び類似団体平均を下回っている指標もあるが、概ね良好な状況と判断している。しかしながら、管路経年化率や管路更新率をみると、管路の老朽化が進んでおり、これまで以上の更新投資が必要と思われる。将来的には給水人口の減少による水道料金の減収、配水場の耐震化事業の実施など、今後の財政状況はますます厳しくなることが予想されるため、更なる経費節減に努めるとともに各指標の傾向を十分に分析し、効率的な経営による安定した財政基盤の構築を図る必要がある。