経営の健全性・効率性について
①⑤100%超は確保したものの近年微増傾向にあった有収水量が減少に転じたこと、除却に伴う資産減耗費が増大したことにより収支の落ち込みを招き、類似団体を下回る比率となった。②欠損金は生じていない。③企業債の借入額を抑制したことに伴う自己財源の使用などで現金が減少したことから前年よりも悪化した。今後も同様に建設投資に関する資金需要は継続するため同程度の水準で推移するものと思われる。④平成30年度は企業債借り入れを抑え、自己財源を使用し未償還残高の増加を抑制した。その結果若干ではあるが比率の改善につながった。⑥悪化の要因は、有収水量が減少した上、資産減耗費の増大により経常費用が前年度比113%となったことと分析する。⑦前年から若干の改善は見られたものの依然平均値を下回っている状況である。今後、人口減少等により利用率の低下が懸念されるため、水需要に即した適正な施設規模の検討が必要と考える。⑧86%を割り込み、類似団体平均をさらに下回る水準が続いているため、老朽管の更新等による漏水の防止を行い改善に努めたい。
老朽化の状況について
①近年50%超であり、類似団体と比較しても高水準といえる。導水・浄水・送水・配水施設のいずれも老朽化が確実に進行しており漏水防止、災害対策の観点からも早急な対応(更新)が必要であるといえる。②類似団体・県内他市と比較しても依然高水準となっており、管網の整理・統合を図りながら大量更新に着手する時期にある。③配水管の更新延長が伸びたことから平均値を上回り1%超となった。老朽化や漏水頻度などから優先順位をつけつつ、今後も継続した更新事業の推進を図りたい。
全体総括
経常収支比率、料金回収率は100%超となったものの、平成30年度は全体的に比率等が悪化し、類似団体平均を下回ることとなった。中でも施設の老朽化については平均値を大きく上回り、施設更新が喫緊の課題であることが明らかとなっている。近隣事業体との広域化も視野に入れつつ、早期に総合的な施設更新計画を立て、実行する時期にある。それに伴う財源は、現在の単年度利益では到底賄えないため、必要な経営改善施策を事前に講じ、大型投資に耐えうる経営体力を確保する必要がある。