経営の健全性・効率性について
・「経常収支比率」は112%程度で、維持管理費や支払利息等の経常経費を給水収益等の経常収益で賄えている。「累積欠損金」は生じていない。・平成30年4月に簡易水道事業を統合し、多額の起債の償還元金が流動負債として計上されたことから、「流動比率」は、100%をわずかに上回る水準にまで低下している。・「企業債残高対給水収益比率」についても簡易水道事業の統合の影響により、前年度対比で大幅に増加している。・「料金回収率」は、簡易水道事業の統合に伴い、給水原価が上昇したことから、80%を下回る水準まで低下しており、平成30年10月から段階的な料金改定を実施し、供給単価の引き上げに取り組んでいるところである。・「施設利用率」は、簡易水道事業の統合により前年度対比で上昇しているが、「有収率」は77%で類似団体平均値を大きく下回っている。漏水調査等により有収率の向上に努めてはいるものの、老朽管路の計画的更新により有収率の向上に継続的に取り組む必要がある。・安定した給水収益を確保しつつ、経常経費の削減等の経営合理化に継続的に取り組むことによって経営基盤の強化に努める必要がある。
老朽化の状況について
・「有形固定資産減価償却率」は、49%で年々増加傾向にあり、資産の老朽化度合は進みつつある。・「管路経年化率」は、簡易水道事業の統合の影響により前年度対比で低下している。・「管路更新率」は、依然として低い水準にあり、現行の更新水準では更新需要に追いつかない状況にあるため、更新スピードを速める必要がある。しかしながら、管路更新に見合う財源を確保することも同時に必要となることから、料金収入の確保とあわせての検討を必要とする。・このような水道施設の老朽化の状況を踏まえ、予防保全的な補修等により、資産の長寿命化を図り、更新費用の低減を目指すアセット・マネジメント手法を活用した配水管路等の水道施設の更新計画を策定したうえで、計画的な更新事業を実施していく。
全体総括
・平成30年4月に経営基盤の脆弱な簡易水道事業を統合したことから、経営の健全性・効率性を表す指標は悪化している。・また、老朽化する水道施設、管路等の更新需要の増加に十分に対応できていないことが各種指標から見てとれる。・このような現状を踏まえたうえで、「水道事業経営戦略」に基づき、毎年度の進捗管理と計画と実績の乖離の検証を行い、対応策を検討することにより、将来にわたって持続可能な水道事業経営に取り組む。