経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は100%を超え前年度より上昇した。これは令和2年4月から水道料金を約9%値上げしたことによるものである。③流動比率は類似団体よりも良好である。④企業債残高対給水収益比率は新規借入を控えたほか過去に繰上償還を行ったことにより企業債残高は少なくなっている。⑤料金回収率は100%を超え、前年度比で10%上昇し類似団体よりも良好となった。これは水道料金値上げによるものである。⑥給水原価は営業費用及び営業外費用の減により前年度より4.09円減った。⑦施設利用率と⑧有収率は類似団体よりも下回っている。現在着手している更新事業において現有資産のダウンサイジングや老朽管更新を計画的に実施する必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は類似団体を上回っている。昭和50年代から60年代の大規模住宅開発に伴い建設した水道施設等が耐用年数を経過する時期を迎えている。②管路経年化率は大規模住宅開発において布設した管路の多くは約10年後には耐用年数を経過する。③管路更新率は前年度より上昇したものの類似団体よりも低い状況にある。これは水源一元化事業における送水管の新規布設を重点事業としていたものであるが、令和2年11月に事業完了した。配水管については引き続き施設再構築計画に基づき計画的に更新していく必要がある。
全体総括
令和2年度の当期純利益は189,895千円を計上したものの営業損失は151,803千円である。水道料金の値上げと経費削減により当年度純利益を計上したものである。経常収支比率は100%を超え、流動比率も1116.85%と良好な決算となった。令和3年度からの浄水場更新工事には多額の資金を要する。引き続きコスト削減を図り健全経営に努める。