経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は100%を超えてはいるものの前年度よりも下降している。これは令和3年4月から隔月検針の開始に伴い、調定を一月ずらしたことにより、令和3年度は計11ヶ月分の収入しかなかったためである。③流動比率は類似団体よりも良好である。④企業債残高対給水収益比率は給水収益が減少している一方で、償還が進んでいることから前年度比と比べても同程度の値を示している。⑤料金回収率は100%を超えてはいるものの、⑥の給水原価の増加に伴い、値は減少している。⑥給水原価は有収水量の減少に伴い、増加している。⑦施設利用率は類似団体平均値よりも下回っている。一方で、前年度よりも値は改善されていることから、現有資産のダウンサイジングや更新計画の結果が出てきつつあると考えられる。⑧有収率についても類似団体平均値よりも下回っている。対応としては、漏水調査やAI予測を用いて改善に努める。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は類似団体を上回っている。昭和50年代から60年代の大規模住宅開発に伴い建設した水道施設等が耐用年数を経過する時期を迎えている。②管路経年化率は類似団体平均値を下回っており、法定耐用年数に到達している資産は少なくなっている。しかしながら、今後数年で開発地内の管路が耐用年数を迎えるため、数値の悪化が考えられることから、計画的な改善に取り組む必要がある。③管路更新率は前年度と比べて減少している。現状としては、管路経年化率が低いため、管路更新率も低い値となっている。しかし、今後、耐用年数を迎える管路が増加するため、管路更新も進める必要がある。
全体総括
令和3年度の当期純利益は123,169千円を計上したものの営業損失は231,420千円である。隔月検針への移行による影響から前年度よりも純利益は減少している。経常収支比率は100%を超え、流動比率も1256.23%と良好な決算となった。一方で、老朽管の状況としては、有形固定資産減価償却率は今後も上昇していく見込みとなっている。また、管路経年化率も開発地の耐用年数を迎える管路状況を踏まえると、年々上昇していくことが考えられるため、事業計画に基づき、更新に取り組む必要がある。