地域において担っている役割
当院が属している橋本医療圏は1市3町で構成されており、圏域の基幹病院として圏域の北東に位置している。二次救急病院として地域の救急医療を担い、災害拠点病院、がん診療連携拠点病院やへき地医療拠点病院としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、前年度と比べると、病床利用率は低下したが、単価、外来患者数が増加したことにより、医業収益が増加した。また、医業外収益についても、新型コロナウイルス感染症対策補助金により増となり、収益全体で増収となった。一方費用については、新型コロナウイルス感染症対策により給与費が増加したが、材料費、減価償却費が減少したため、医業費用が減少し、費用全体で減少となった。この結果、給与費対医業収益比率は悪化したが、医業収支比率、経常収支比率、材料費対医業収益比率、累積欠損金比率は、改善している。
老朽化の状況について
【有形固定資産減価償却率】令和3年度は有形固定資産が増加し、減価償却累計額が減少したため、有形固定資産減価償却率は少し改善しているが、類似病院と比較して高い水準にあり、老朽化が進んでいる。病院施設や設備の更新を計画的に行う必要がある。【器械備品減価償却率】令和3年度は電子カルテの更新に伴う除却により、減価償却累計額が減少したため、器械備品減価償却率は少し改善しているが、類似病院と比較して高い水準にあり、老朽化が進んでいる。
全体総括
経営の健全性・効率性においては、昨年度と比較すると、改善している。医業収支比率、経常収支比率、病床利用率、累積欠損金比率、材料費対医業収益比率は類似病院平均値を上回っているが、入院患者、外来患者1人1日当たり収益、給与費対医業収益比率は類似病院平均値を下回っている。老朽化の状況においては、類似病院と比較して、老朽化が進んでいる。器械備品については、毎年更新しているが、建物付属設備については、更新が先延ばしになっており、計画的に更新を行う必要がある。更新後には、費用が増加するため、入院、外来患者1人1日当たり収益を伸ばし、安定した病院経営に努める必要がある。