経営の健全性・効率性について
◇経営の健全性①経常収支比率は、大口使用者の自己水(地下水)利用への転換や全国的な節水機器の普及に伴う給水収益の減少等により、2年連続で減少し、全国及び類似団体の平均値を下回っているが、令和2年度に水道料金の改定をするため、今後は改善される見通しである。②累積欠損金は、引き続き発生していない。③流動比率は、平成29年度より基幹管路更新工事を開始したため2年連続で減少したものの、全国及び類似団体の平均値を大幅に上回っている。④企業債残高対給水収益比率は、基幹管路更新に伴う企業債の借入れを平成29年度より再開したため、2年連続で増加したものの、全国及び類似団体の平均値を下回っている。300%未満を目標としている。⑤料金回収率は、有収水量の減少及び受水費の増加に伴う給水原価の増加により減少し、全国及び類似団体の平均値を下回っているが、水道料金の改定後は改善される見通しである。⑥給水原価は、布袋東部第2水源ポンプ場更新工事時期の揚水停止に伴う県水受水量の増加により、増額となったが、全国及び類似団体の平均値を下回っている。将来的には、濃尾平野の揚水規制に伴い県水受水量が増加するため、更に増額となる見通しである。◇経営の効率性⑦施設利用率は、前年度より増加し、全国及び類似団体の平均値を上回っている。最大稼働率は89.1%、負荷率は86.7%となっていることから適切な施設規模と判断する。⑧有収率は、前年度より減少したものの、全国及び類似団体の平均値を上回っている。今後も、老朽管の更新を実施し有収率の向上に努める。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、基幹管路の更新工事第1,2工区の完了に伴う新規資産の取得により、前年度より減少したものの、全国及び類似団体の平均値を上回っている。今後もライフサイクルコストを勘案した長期的な視点で最適な更新を進めていく必要がある。②管路経年化率は、創設当初に布設した管路が耐用年数を超過し始めてきているため、前年度に引き続き増加したものの、全国及び類似団体平均値を下回っている。引き続き基幹管路更新工事を始めとした計画的な管路の更新を進めていく必要がある。③管路更新率は、前年度より減少したものの、全国及び類似団体の平均値を上回っている。今後も長期的な視点で計画的な更新を進めていく必要がある。毎年度1%以上を目標としている。
全体総括
節水機器の普及や自己水の活用などにより、水需要が低迷し、給水収益が減少する一方で、管路の老朽化や耐震化など強靭化への投資も必要になっている状況の中で、令和2年4月の水道料金の改定により経営の健全性は改善される見通しである。令和元年度の上奈良水源ポンプ場の耐震化に伴う更新工事の実施及び、基幹管路更新工事、配水管改良工事による老朽管の更新を計画的に実施することにより、老朽化の状況は改善される見通しである。今後も安全な水の安定供給を実施するため、令和元年8月に策定した水道事業の中長期的な計画である経営戦略を基に、水道事業の基盤強化に努めていく。経営戦略については毎年度、投資・財政計画の進捗管理を行い、計画期間満了となる令和10年度までに見直しを行う予定である。