経営の健全性・効率性について
①大口需要者の水道使用量の増加等により収益が増加となった一方で、人件費、浄水施設等の運転に係る動力費、浄水施設の機械装置の修繕費や配水・給水管の修繕費や県水からの受水費の増加により費用が増加したため、経常収支比率は前年比で横ばいとなっているが、収支は継続して黒字を計上し、欠損金・借入金ともにない。平成31年3月末時点での未払金の前年比増等により流動負債が前年比増となった為、③流動比率は大幅に減少したが、平均に比して高水準にある。⑦施設利用率は平均に比して高水準にあり、保有する施設を効率的に使用できている。⑧有収率は微増となったが、漏水調査を行ったにもかかわらず、未だ発見できていない漏水箇所が多数存在している。今後も経営の健全性を維持し水道の安定供給を続けるために、漏水調査や修繕工事に重点的に投資して、施設の長寿命化を図っていくとともに、企業債を活用した更新投資の推進を検討していくことが大切である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、水道管路の新規布設等の増加により償却資産が増加した一方で未だ更新できていない管路があることにより、構築物の減価償却累計額が増加したため、減価償却率全体としては、上昇している。また、②管路経年化率についても、昭和50年代の開発に伴い集中的に布設した管路が平成28年度に法定耐用年数を迎えて上昇しており、その後平成30年度においても増加となっている。一方、更新した導水管及び配水管が前年より増加したことにより③管路更新率は微増となった。今後も平成30年度同様に投資を積極的に行い、従来の投資水準に上積みして、経年化率の上昇を抑える必要がある。管路の実耐用年数を法定耐用年数の1.5倍の60年に設定し更新しているため、今後も減価償却率は上昇が見込まれるが、60年周期での更新を着実に進めるよう管路更新率の維持・向上に努めていく。
全体総括
現状は、保有する固定資産を効率的に利用して経営できている一方、施設の老朽化が進んだ場合の影響が大きい経営状況となっている。今後も、積極的な水準の更新投資を維持して、施設の老朽化を抑制することが重要と考えられる。経営戦略については、投資財政計画が作成済みであり、令和2年度に策定を予定している。