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前年に引き続き、景気の低迷に伴う税収の落ち込みなどにより、前年度に比べて0.02の低下となっている。大型事業所の集中等により類似団体を上回る税収があるため1.11となっているが、5年前に比べて0.23低下している。高齢化などの要因から需要額は今後増加するものと思われ、また収入額については景気の動向に影響を受けやすいため、今後も歳入歳出のバランスに留意して健全な財政運営に努めていくとともに、使用料の見直しや債権回収促進による歳入確保に努める。
自立支援給付費や私立保育園委託料などの増加により扶助費に係る経常収支比率が前年度より0.4ポイント増となったものの、職員数の減(-11人)による人件費に係る経常収支比率の減(-1.0ポイント)や税収の増による経常的一般財源等の増により、経常収支比率は前年度より2.0ポイント下降している。今後も税収の大きな伸びは期待できないことから、行財政改革による経常経費の削減と、使用料の見直しや債権回収促進などによる歳入の確保に努めたい。
消防、給食、ごみ処理などの業務を町単独で実施していることや、小中学校での少人数学級の実施による町費負担教員の配置により、人件費、物件費ともに類似団体を大きく上回っている。少人数学級制度については見直しを行っており、また定員管理の適正化の推進することで人件費総額は減少するものと試算している。今後、消防組織などの広域化についても検討していく必要がある。
ラスパイレス指数は、25年度と比較して0.7ポイント上昇しているが、これは「給与の総合的見直し」が未実施であったことによるものと思われる。総合的見直しは28年度より実施するため、今後ラスパイレス指数は下降する見込みである。しかしながら類似団体と比較すると依然高い水準となっており、今後も国や類似団体の状況を踏まえ、より一層の適正化を図っていく。
職員数は前年度より11人減となったものの、消防を町単独で実施していることや小中学校での少人数学級実施による町費負担教員の配置などにより類似団体を上回っている。27年度も職員数を10人削減しており、28年度以降は少人数学級制度についても見直しを予定している。今後も採用の抑制等により適正な定員管理を行っていく。
臨時財政対策債(22年度債)の償還が開始されたことや、分母の構成要素である標準財政規模が景気の悪化を反映して5.1ポイント下降したなどで、26年度単年度の実質公債費比率が5.1ポイント増の10.8%となり、実質公債費比率(3ヶ年平均)は前年度と比較して0.1ポイント上昇している。当町の場合景気の動向により税収が大きく変動するため分母の数値に影響を受けやすい面があるので、今後も景気の動向を見据えながら過度に地方債に依存することのない財政運営に努めていく。
財政調整基金の取り崩しにより充当可能基金が減少したことや交付税算入率の低い新発債が増える一方で算入率の高い既発債が償還終了したことにより交付税算入見込額が減少し、充当可能財源等が6.4ポイント下降したことで、実質的な将来負担額(分子)が4.2ポイント増加し、さらに分母の構成要素である標準財政規模は5.1ポイント下降したため、将来負担比率が11.9ポイントの増となった。地方債の借入額は年々減少しているため地方債の現在高は減少していく見込みであるが、今後も景気の動向を見据えながらプライマリーバランスを考慮し、過度に地方債に依存することのない財政運営に努めていく。
人件費に係る経常収支比率は、職員数の減(-11人)により前年度より1.0ポイントの減となっている。類似団体との人口一人当たり決算額の比較では、少人数学級実施に伴う町費負担教員の雇用や消防及び給食業務の単独実施により、人件費及び賃金では類似団体を上回っており、一部事務組合の人件費分に充てる負担金では大きく下回っている。少人数学級制度の見直しや定員適正化により人件費総額は減少するものと試算しており、また、消防組織の広域化についても検討していく必要がある。
物件費に係る経常収支比率は、類似団体と比較して大きく上回っている。要因としてはごみ処理業務をすべて第三セクターに委託していることや、給食業務を単独実施していることによる搬送業務の民間委託、調理員の賃金、施設の管理費などが考えられる。今後は第三セクターの見直しや給食業務の広域化、施設の統廃合などを検討し、コストの削減を図っていく必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は、自立支援給付費や私立保育園委託料などの増加により、前年度より0.4ポイント増となっている。また、中学生までを対象とした子ども医療費の独自助成や障がい者福祉サービス等により、平成21年度以降類似団体を上回っている。扶助費は毎年増加しており、今後町独自事業の見直しを図っていく必要がある。
その他に係る経常収支比率は、類似団体に比べて大きく下回っている。特に繰出金に係る経常収支比率が低く、これは下水道事業が法適用事業となっているため、それらに対する繰出しが繰出金ではなく補助費等になるためと思われる。しかし医療費や療養費の増加に伴い国民健康保険特別会計や介護保険特別会計に対する繰出金は増加しており、今後保険税見直しや医療費適正化などにより、普通会計の負担を減らしていく必要がある。
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体に比べて下回っている。これは消防や給食業務、ごみ処理業務を町単独で行っていることから、それらの事業を広域で行っている団体と比べて一部事務組合への負担金が著しく少ないためと思われる。
公債費に係る経常収支比率は前年度から横ばいになっている。現在地方債の借入額は減少しているものの、今後数年間は土地区画整理事業等の大型事業に係る起債の償還開始により公債費が増加していくことが予想され、健全な財政運営を行っていくために過度に地方債へ依存しないような資金手当てを行っていく必要がある。
公債費以外に係る経常収支比率は、特に人件費と物件費について類似団体を大きく上回っており、これは消防、給食、ごみ処理などの業務を単独実施していることが大きな要因と思われる。26年度については税収の増加により経常収支比率は下降しているものの、今後も税収の大きな伸びは期待できないことから、消防や給食業務の広域化の検討と行財政改革による経常経費の削減に努めていく。また、使用料の見直しや債権回収促進など、歳入の確保にも努めていく。
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