石垣市:簡易水道事業(法適用)

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経営比較分析表(2017年度)

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、経常収支が黒字である100%を上回り、前年度に比べ7.49ポイント増加しています。併せて⑤料金回収率(給水に係る費用と水道料金収入の比率で100%以上が適正)でも100%を上回り、前年度に比べ9.52ポイント増加しています。給水に係る費用が給水収益で賄えており、給水人口や入域観光客数の増加、事業統合で旧簡易水道区域の水道料金体系を旧上水道区域に統一したことにより料金収入が増加しました。また費用では前年度に比べ減少しています。②累積欠損金比率は本年度もゼロとなり、複数年にわたって累積した損失がないことが分かります。③流動比率は、短期的(1年以内)な債務に対する支払い能力を表します。本年度は330.40%で前年度に比べ68.86ポイント増加し健全な結果となりました。100%を上回り、現金がない事により”1年以内に支払わなければならない負債”がないことが分かります。主な要因は、前年度に比べ純利益や預金残高が増加し、また、投資額が減少したことによります。④企業債残高対給水収益比率は、給水収益に対する企業債残高の割合を表します。本市は他事業体に比べ高い数値となっていますが、年々減少傾向にあります。本市は、沖縄本島から離れた島という地理的条件により、取水施設・導水施設・浄水施設・送水施設・配水施設を有し、給水人口が5万人未満であることから投資財源を企業債に依存せざるを得ません。①経常収支比率は健全ですが、将来の施設更新を見据えた、一層の経営努力が必要となります。⑥給水原価は、有収水量1㎥を供給するのに要した費用(原水を取水し、浄化したのち水道蛇口から1㎥の水を届けるのに要した費用)を表します。前年度に比べ有収水量は増加し、費用が減少した事により減少しました。⑦施設利用率は、施設の利用状況と施設の規模が適正であるかを表します。一日の平均配水量と一日の配水能力の割合で表し、100%に近いほど健全とされ、低いと施設の統廃合やダウンサイジング等の検討が考えられます。本年度は81.22%で前年度に比べ5.84ポイント上昇し、全国平均及び類似団体平均値に比べ適正と考えます。⑧有収率は、施設の稼動によりどれくらいの収益を得ているかを表し、浄水場からの配水量と水道料金で得た有収水量の割合になります。値は100%に近いほど健全ですが、全国平均及び類似団体平均値均より下回り、前年度に比べ4.14ポイント低くなっています。要因は一次側の漏水による無効水量が増加したためです。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却費率は、有形固定資産の老朽化度合いを表します。数値が高い場合は、法定耐用年数を経過した管路を多く保有していることになり、本市は、全国平均及び類似団体と同じ状況にあります。②管路経年化率は、法定耐用年数を超えた管路延長の割合を表しています。前年度に比べ法定耐用年数を超えた管の割合が増加したことになります。③管路更新率は、当該年度に更新した管路延長の割合を表す指標で管路の更新ペースや状況を表しており、全国平均及び類似団体平均値に比べ低い結果となっています。

全体総括

1.経営の健全性・効率性においては、前年度に比べよい結果又は、健全といえる状況にあるといえますが、有収率向上に一次側漏水対策が必要と考えます。2.老朽化の状況においては、有形固定資産の全体が法定耐用年数の49.42%を経過し、管路については、5.80%が法定耐用年数を超えています。管路更新率についても以前と低い更新率となっています。本市においては、給水人口や入域観光客数の増加により料金収入の増加が見込まれますが、将来の人口減少による料金収入の減少、取水施設から給水施設までの施設の老朽化による更新や施設維持に係る費用が今後ますます必要となります。施設更新等の実地計画や財源確保に対する早期の取組が必要と考えます。

類似団体【A5】

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