経営の健全性・効率性について
①経常収支比率長期前受金戻入の増加及び経費の削減等により、対前年度比11.19ポイントの増加となり、類似団体や全国平均を上回っているが、給水収益が減少していくことを踏まえると、引き続き経費の削減が必要と考える。②累積欠損金比率豪雨災害等の大規模な自然災害が発生しなければ、基本的に欠損金がでないと考えている。③流動比率前年度と比較し304.76ポイント減少したものの、各年度において平均値及び理想的な比率である200%を上回っており、短期債務に対する返済能力は十分にあると考えられる。④企業債残高対給水収益比率平成23年度以前から大きな増減はなく、各年度において平均値を下回っている。前年度と比較し13.26ポイント減少した。企業債の借入もなく給水収益が激減しない限り減少傾向になると考えている。⑤料金回収率前年度と比較し12.35ポイント増加し、100%を上回っており給水に係る費用は給水収益で適正に賄われている。前年度の100%割れは、豪雨災害による復旧費用及び道路整備事業による固定資産除却費の増加によるもので、給水原価が供給単価を上回った一時的なものである。⑥給水原価前年度と比較し12円53銭減少した。平均値よりも安価であるものの、引き続き安価な原価を維持していきたい。⑦施設利用率前年度と比較し16.14ポイント増加した。各施設の規模や利用状況を考慮し、施設の統廃合等を行い効率的な施設利用を行っている。(過去の数値と比べ極端に増加しているが、過去の一日配水能力値が過大であったためで、それを修正したからである。)⑧有収率前年度と比較し0.90ポイント増加した。類似団体平均値を上回っているものの、今後も老朽化した管路からの漏水防止に向けた対策が必要である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率平均値を下回ってはいるが、管路の更新率が上がらない限り、今後も増加傾向となるであろう。前年度と比較し1.26ポイント増加した。②管路経年化率平成28年度から大幅に増加し平均を上回っている。老朽化した管路の更新が課題となっている。前年度と比較し4.64ポイント増加した。③管路更新率引き続き管路更新計画に基づき行っていく。前年度と比較し0.06ポイント増加した。
全体総括
本市の令和3年度の経営状況については、概ね良好である。供給単価は、県内19市のうち3番目に安価な価格であり、住民サービスの点から評価できると思われる。しかしながら、老朽化の状況については、管路経年化率が示すとおり、高度経済成長期以降に急速に整備された水道施設が大量に更新時期を迎えつつあるので計画的な管路更新を行っていく。有収率は平均値を上回っているものの、老朽化した管路からの漏水防止に向けた対策が引き続き必要である。人口減少や節水機器の普及等に伴う収入減が見込まれる等、水道事業を取り巻く経営環境は厳しさを増すことが予測される中、今後も水道施設の耐震化及び老朽化した管路の更新、効率的な施設利用を推進し、安心・安全な水の安定供給に取り組まなければならない。