経営の健全性・効率性について
平成28年度末にて旧簡易水道事業が上水道事業へ統合したため、昨年度の経営状況に引き続き、全体的に悪化傾向である。特に、給水収益や一般会計からの繰入金等の収益で、水道施設の維持管理費や支払利息等の費用をどの程度賄えているかを示す「①経常収支比率」が100%を下回り、赤字経営となっている。要因として、人口減少による給水収益の減少のほか、一般会計からの繰入金減少も挙げられる。給水に係る費用が、どの程度給水収益で賄えているかを示す「⑤料金回収率」と併せて分析すると、こちらも100%を下回っていることから、経常費用の削減と、適切な料金収入の確保が必要である。また、給水収益に対する企業債残高の割合を示す「④企業債残高対給水収益比率」について、平均より高比率となっているが、要因としては、上記のとおり給水収益の減少のほか、水道未普及地域解消事業による企業債の増加も挙げられ、今後は当事業の必要性の見極め及び実施による給水収益の適切な回収に努める必要がある。他方、経営の効率性という観点から分析すると、水道施設の配水能力に対する配水量の割合を示す「⑦施設利用率」は56.38%であり前年度より減少しているが、水道施設の稼働が収益に反映されている割合を示す「⑧有収率」では依然50.37%と低く推移している。このことから、漏水等の原因で給水した全ての水道水が収益に結びついているわけではないということが分析できるため、老朽化に伴う施設の更新や、適切な施設規模の見直しが必要である。
老朽化の状況について
当市においては、今日でもなお水道未普及地域が存在しており、平成30年度より山谷川崎地区、令和元年度より卒田地区の未普及地域解消事業に着手した。他方、水道給水区域内に点在すると考えられる老朽管や老朽施設等の更新には、あまり着手していない状況である。上記を踏まえ、当該年度に更新した管路延長の割合を表す「③管路更新率」は、今後増加傾向となることが見込まれるが、現有の水道管路延長のうち、法定耐用年数を超えたものの割合を示す「②管路経年化率」を見ると、平成28年度末における旧簡易水道事業の統合により大きく増加しており、年々増加傾向であるため、未普及地域解消事業と併行して、管路の更新も順次着手しなければならない状況となっている。
全体総括
水道未普及地域解消事業の必要性を見極めながら実施し、これと併行して水道施設の老朽化状況を早期に調査し、必要に応じて順次更新することで、「②管路経年化率」の改善を図り、「③管路更新率」についても当該年度同様管路の更新を実施していく。また、同時に現有施設の必要性や利用頻度についても併せて分析し、水需要を勘案しながら施設のダウンサイジングやスペックダウンを検討することで、「⑦施設利用率」や「⑧有収率」の向上を図り、「①経常収支比率」及び「⑤料金回収率」が100%を上回るよう、経営状況の改善に努める必要がある。