沼田市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①近年は110%台で推移していたが、修繕費・委託料の増加による費用過多により100%を下回る状況となった。老朽化した施設の更新や使用料見直しを視野に入れた経営改善に取り組む時期に来ている。②発生した欠損金は、利益積立金により補てんしており、次年度への累積欠損金とはならないが、積立金が減少してきているため、欠損金を発生させない経営努力が必要である。③類似団体の平均値を上回っているものの、前年度と比較し大幅に数値が悪化した。今後更に悪化する可能性もあることから、使用料見直しを行う必要がある。④企業債を活用して施設の更新を行っているところであるが、残高対給水収益比率は類似団体と比較して低く抑えられている。今後は多額の費用を要する浄水施設の更新に企業債を活用していく必要があることから、適切な起債計画・運営が必要である。⑤近年は100%台で推移していたが、修繕費・委託料の増加による費用過多により100%を下回る状況となった。類似団体の平均値も下回っており、100％以上を維持するための経営改善が求められる。⑥類似団体の平均値より低い水準ではあるものの、前年度と比較し数値が悪化した。老朽化した管路の更新により有収率の向上を図る必要がある。⑦30％代後半で推移しており、類似団体の平均値より低い状況である。施設更新の際は給水人口に応じた規模で検討する必要がある。⑧80%台で推移していたが、管路施設老朽化に起因する漏水が多発し、数値が大幅に悪化した。経年劣化した管路の更新が急務である。

老朽化の状況について

①60％台であり、類似団体の平均値より高く、施設の老朽化が進んでいるため、積極的な施設・管路の更新が求められる。②20％台後半と高く、類似団体の平均値と比較しても耐用年数を超えている管路の割合が高い状況が続いていることから、計画的な管路の更新が必要である。③類似団体の平均値と比較しても低く、管路更新が大幅に遅れている状況である。更新に必要な財源の確保や経営に与える影響を踏まえた分析を行い、投資計画を見直す必要がある。

全体総括

有収率の悪化及び修繕費用等の増加により、経常収支比率が100%を下回り、欠損金が発生した。老朽化した浄水施設の更新も急務であり、経営改善の実施が不可避となっている。そのため、使用料の改定を踏まえた経営戦略の見直しを早急に行い、計画的な施設更新により安心・安全な水道水を継続的に供給できる体制を確保する必要がある。