経営の健全性・効率性について
経常収支比率(①)は各年度とも100%以上で推移し、単年度の収支黒字を継続した健全経営を維持しているが、令和2年度決算においては、前年度比4.04ポイントの減少となっている。累積欠損金(②)は発生していないが今後、給水人口の減少や節水意識の高まり等により、経常収益の主となる給水収益の減少傾向が続くと見込まれることから、健全経営維持のため、料金回収率の改善や料金収入確保策の検討など、より一層経営基盤の強化に取り組む必要がある。流動比率(③)は継続して100%以上を維持しており、支払能力に問題はないものの、類似団体平均との比較では依然として低い水準にある。今後も低い水準で推移する見込みとなっており、長期的な視点による資金の確保策の検討が必要である。企業債残高対給水収益比率(④)は、大型事業に係る多額の費用を企業債で賄っているため、類似団体平均を大きく上回っており、料金収入の約10倍の企業債残高を抱えている。将来世代への過度な負担を避けるため、投資規模の妥当性を検証するなど、企業債の発行を抑制し企業債残高の縮小を図っていく必要がある。料金回収率(⑤)は100%を下回っている状態が続いており、令和2年度決算においても、前年度比3.49ポイントの減少となっている。給水に係る費用が給水収益のほか繰出金等他の収入で賄われている現状であり、料金水準の見直しが必要となるが、改定は平成18年の合併以降一度も行っておらず、その背景には県内において1番の高料金ということがある。また、供給原価(⑥)についても、類似団体平均を大きく上回っており、維持管理費の削減等の経営改善が必要となるが、費用全体のうち企業債利息、減価償却費、第三者委託などの固定費の割合が8割以上を占めており、大幅な経費削減は困難な状況にある。利益は確保しているものの、回収率の改善に向け、引き続き経費削減の取り組みを推進する一方、持続可能な運営を確保するためには、公営企業として適正な料金水準の検討が必要である。施設利用率(⑦)は、類似団体平均を上回って推移しており、令和2年度決算においても、昨年度に引き続き上昇となった。今後も水需要を見据えた施設の統廃合やダウンサイジングを検討するなど水準維持に努める。有収率(⑧)は、令和2年度決算においては、前年度比1.33ポイントの上昇となったが、類似団体平均との比較では依然として低い水準にあり、施設の稼働状況が収益に反映されていない状況である。配水管等の漏水が有収率低下の原因の一つと考えられるため、今後も計画的な管路更新や漏水調査等の対策を講じ、有収率の向上に努める。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率(①)と管路経年劣化率(②)は、類似団体平均と比較して低い状況で推移しているが、年々増加傾向にあることから、順次更新を進めるとともに適切な維持修繕等による長寿命化を図っていく。管路更新率(③)については、年度によって更新率にばらつきはあるが、補助事業等で財源を確保し、耐震性の低い管路や老朽化した管路を耐震管に布設替えするなど、計画的に整備を進めていく。
全体総括
今後将来、人口減少等により給水収益の大幅な増加が見込めない一方、老朽化施設や老朽管の計画的な更新などといった支出の増加が避けられない状況となっており、水道経営を取り巻く環境はより厳しくなるものと考えられる。今後、安全で安心な水道事業の持続可能な運営を確保するためにも、有収率の向上に努めながら、水需要や維持管理費用の削減、施設の長寿命化、料金水準など、今後の経営環境を取り巻く状況の検討と進めるとともに、アセットマネジメントや経営戦略を見直すなど、経営基盤の強化に取り組んでいく。