経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は約102%です。昨年度より改善しました。しかしながら、人口減少に伴う給水収益の低下が懸念されるため、経営改善の取り組みが必要です。②累積欠損金はありません。③流動比率は約193%です。簡易水道事業を統合した影響もあり、平成29年度以降は、悪化の傾向にあります。費用の抑制、並びに水道料金の改定など、経営改善の取り組みが必要です。④企業債残高対給水収益比率は約689%です。類似団体・全国平均と比べて、企業債残高の割合が非常に高くなっております。今後も水道施設の一元化事業、老朽管の更新事業、並びに耐震化事業等の実施により、高い水準で推移する見込みです。⑤料金回収率は約99%です。100%を下回っており、適正な水道料金収入が確保できていないと言えます。費用の抑制、並びに水道料金の改定など、経営改善の取り組みが必要です。⑥給水原価は約161円です。前年度よりも低くなっており、類似団体・全国平均と比べて低い水準ですが、給水人口の減少に伴う有収水量の減少や水道施設の老朽化に伴う維持管理費の増加などが見込まれることから、今後、給水原価は高くなっていくことが見込まれます。⑦施設利用率は約70%です。類似団体や全国平均と比べて良好であり、水道施設の利用状況は効率的であると言えます。⑧有収率は約84%です。前年度より悪化しております。漏水調査を実施し、早期発見・対応をする必要があります。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は約48%です。平成29年度以降、年々、増加しており、老朽化は進んでおりますが、類似団体・全国平均と比べると、本市の水道施設は、比較的新しいといえます。②管路経年化率は約17%です。前年度より減少しているのは、令和2年度中に法定耐用年数を経過した管路よりも、更新した管路の延長が長かったことによるものです。③管路更新率は0.94%です。近年は上昇傾向にあり、類似団体・全国平均と比べても更新率は高くなっておりますが、水道施設の一元化事業を最優先としているため、当面の間は横ばいで推移する見込みです。
全体総括
平成29年度に、簡易水道事業を水道事業に経営統合したことにより、統合前に比べると経営状況は悪化しております。水道施設の一元化事業をはじめ、老朽管の更新事業、耐震化事業など、今後も継続して建設改良事業に投資する必要があります。このような中、人口減少に伴う給水収益の減少が見込まれ、経営状況はさらに厳しくなる見込みです。令和2年度に経営審議会の答申を受け、令和3年度に水道料金改定を予定しておりましたが、コロナ禍の社会情勢に配慮して、令和4年4月に料金改定を行うこととしています。