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財政力指数は、類似団体平均を0.07ポイント上回る0.73となっている。算出の基準となる基準財政収入額では、税収について23年度以降増加傾向となっているが、基準財政需要額のうち、生活保護費、高齢者保健福祉費など厚生費にかかる経費や公債費に含まれる合併特例債償還費及び臨時財政対策債償還費が年々増加しているため、財政力指数としては低下している。合併特例債償還費及び臨時財政対策債償還費については、今後も増加していく見込みのため、企業誘致や課税客体の適正把握など、財政基盤の強化に努める。
経常収支比率は、類似団体平均を1.1ポイント下回る86.3%となっている。本市の経常収支比率は、20年度には95.3%まで硬直化が進んでいた。主な要因は、生活保護費などの扶助費の増加や、公共下水道事業特別会計への繰出金の増加によるものである。公共下水道事業特別会計は21年度に平均23.8%の料金改定を行うなど、財政健全化に取り組んでいる。22年度以降、経常収支比率が改善しているのは地方交付税や臨時財政対策債など、経常収支比率を算定する分母が増加したことが大きな要因であり、今後は自主財源の確保と行政改革を通じた経常経費の削減に努め、経常収支比率の改善を図っていく。
人件費は過去からの新規採用の抑制により、類似団体平均と比べ、適正度が高くなっている。今後も行政改革大綱に基づき、事務事業の整理、民間委託等の推進、指定管理者制度の導入、組織のスリム化を進めていく。また、上記の取組により、予算編成において節減を図るだけでなく、予算執行にあたっても効率的な執行を行い、極力節減に努めていく。
比較の対象である国が時限的な給与改定特例法による減額を行っていることから、23年度以降ラスパイレス指数は悪化し、24年度については107.9となっている。この国の時限的な特例減額がない場合のラスパイレス指数は99.7となり、国を下回っている。今後も引き続き、適正化に努めていく。
18年度に市町村合併し、19~23年度までを計画期間とする定員適正化計画に基づき定員管理を行った。新規採用職員の数の抑制などにより、計画を上回って職員数が減少し、人口千人当たり職員数では類似団体平均を1.72人下回る5.84人となっている。今後もより適切な定員管理に努めていく。
実質公債費比率は年々減少傾向にあるものの、類似団体平均に比べて1.6ポイント高い水準となっている。主な要因は、一部事務組合、公共下水道事業特別会計に負担している経費のうち、公債費に準ずる経費が大きいことがあげられる。また、22、23年度については土地開発公社から用地の買い戻しを行ったことも比率に影響している。今後も地方交付税算入のある事業債を活用するなど、公債費負担の抑制を図る。
将来負担比率は、22~24年度の3か年で69.1ポイントと大幅に改善している。改善の主な要因は、22、23年度に土地開発公社から用地の買い戻しを行ったことで債務負担行為に基づく支出予定額が減少したことと、財政調整基金、減債基金、施設整備等基金への積立による充当可能基金が増額したこと等があげられる。引き続き、将来負担の軽減に向け、地方交付税算入のある事業債の活用等により改善を図っていく。
人件費に係る経常収支比率は減少傾向にある。主な要因として給与制度の改定による職員給与の減少と地域手当の廃止、新規採用の抑制による職員数の減があげられる。人口千人当たりの職員数は5.94人と類似団体に比較して1.89人下回っている。また、平成22年2月の任期から市議会議員定数を削減(30人から22人)している。今後も引き続き、行政改革への取り組みを通じて人件費の適正化に努める。
民間業務委託や指定管理者制度を推進することで、人件費から物件費にシフトはしているが、物件費に係る経常収支比率は、扶助費や公債費などの経費が伸びているため、相対的に減少傾向にある。また、類似団体と比較して低い要因は、消防業務、ごみ処理業務、し尿処理業務等及び学校給食業務を一部事務組合が行っていることがあげられる。
扶助費に係る経常収支比率が上昇傾向にある要因としては、社会情勢の変化による被保護世帯の増加、児童手当をはじめとする児童福祉費の増加、障害者自立支援事業による社会福祉費の増加などがあげられる。資格審査の適正化や単独事業の見直しを進めていく。
その他に係る経常収支比率を構成している主なものは、国民健康保険、介護保険、公共下水道、後期高齢者医療等の特別会計事業に対する繰出金である。公共下水道事業については、21年度に平均約23.8%引き上げの料金改定を実施し、また、国民健康保険事業においても、23年度に医療分の均等割(7,000→11,000円)及び所得割(5.6→6.0%)を中心とした引き上げの料金改定を実施している。今後とも、各特別会計において、財源の確保・増収に努めるとともに経費の削減を徹底し、収支均衡化に努め、繰出金の抑制を図る必要がある。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体と比較して高い要因は、一部事務組合に対する負担金が多いことがあげられる。本市では、消防業務、ごみ処理業務、し尿処理業務及び学校給食業務等について、一部事務組合で実施しており、その負担金が補助費等の構成比の大半を占めている。一部事務組合に対する負担金の減等により補助費等は減少傾向にあり、今後も一部事務組合のごみ処理施設への公債費負担分を中心に減少が見込まれている。
公債費に係る経常収支比率の伸びは主に臨時財政対策債の発行によるものである。臨時財政対策債以外の事業債は、市債借入額を元金償還額以内にとどめることを目標として、抑制に努めている。19~21年度にかけて公的資金補償金免除繰上償還制度を利用して、利率5%以上の高金利の市債の繰り上げ償還や借り換えを実施して公債費の負担の軽減を図っている。今後も、公債費の見通しを立てながら、有利な地方債である合併特例債を活用しつつ、老朽化した施設の再配置等を計画的に行っていく。
22年度に改善した要因は、地方交付税等の歳入の増加と、扶助費以外のすべての項目で減となったことであり、23年度以降もその水準が続いている。経常収支比率の改善に向けて、歳入面では納税コールセンターやコンビニ収納などの強化対策や企業誘致を推進し、自主財源の確保に努めていく。また、歳出の抑制や国・県等からの補助金の活用などに一層努め、経常一般経費の削減に努めていく。
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