経営の健全性・効率性について
・経常収支比率は、近年において類似団体平均を上回る数値を維持しており、100%を超えていることから経営の健全性は保たれている。新型コロナの影響を受け、新たに水道に加入した使用者が大量に使用したことで上昇する結果となっている。・累積欠損金は発生していない。また、流動比率は200を上回り、R2は類似団体平均も上回っている。・企業債残高対給水収益比率は類似団体平均値を下回ったが、固定資産の更新が控えているため再度上昇する可能性がある。・料金回収率は類似団体平均値より高く、100%を超えていることから、経営に必要な経費を水道料金で賄えている状況である。・給水原価は、近年、類似団体平均値並みであったが、前述の新型コロナの影響もあり大きく下回った。今後の状況は読みづらいが注視していく必要がある。・施設利用率は良好と思われる。有収率は、H29に急激に減少し類似団体平均値より低い水準となったが、H30以降は上昇した。引き続き有収率向上に向けて対策を検討する必要がある。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値より低く推移しているが、年々増加傾向にあり資産の老朽化は進んでいる。・管路経年化率は、類似団体平均値よりも低く、老朽管の更新を早期に実施してきた結果が出ている。・管路更新率は、近年において類似団体平均値より低い水準で推移しているが、状況を見ながら更新していく計画となっている。
全体総括
起債にやや依存して固定資産(管路や浄水施設)の早期更新を実施してきた経緯があるため少なからず財政に影響を及ぼしている。企業債は、近年は特に低金利であるため、企業債の割合を高め、残高(負債)の減少速度を落としている。また、水道ビジョン(第2次)の策定により、経年管路等の更新計画を見直した。1986年以降に布設した管路は60年、2007年以降に布設した管路は、80年の更新サイクルとした。有収率向上の対策として漏水調査や効率的な修繕を行う必要がある。人口減少による有収水量の減少や更新費用の増加を考慮すると、現状の料金回収率を維持することが困難になることが想定される。また、固定資産の大量更新を踏まえ、料金改定を実施し、内部留保資金を増加していく必要がある。