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国の緊急経済対策に伴う地域の元気臨時交付金や社会資本整備総合交付金の増により、歳入は増となったものの、財政力指数は0.39と前年度と同率となった。県平均より0.05上回っているが、町内に大型事業所が少なく財政基盤が弱いため、類似団体平均を0.24と大きく下回った。市町村民税や固定資産税(家屋)の税収入増により、基準財政収入額で前年度比0.2%の増となった。基準財政需要額については、平成25年7月から東日本大震災の影響による地方公務員給与費の削減に伴い人件費が0.6%減となったが、社会福祉費が10.9%伸び、前年度比0.8%の増となった。社会保障関係費を含め肥大化する財政需要額は、平成21年度に対し4.9%増加しているのに対し、財政収入額は平成21年度に対し0.1%の増にとどまっている。自主財源の十分な確保が喫緊の課題と言え、更なる徴収業務の強化に取り組み、財政基盤の強化に努める。
経常収支比率は、類似団体との比較においては4.7%下回ったが、前年度に比べ0.7%増の85.5%となり、財政状況の硬直化がすすんだ結果となった。これは前年度に対し、分母となる経常一般財源について、地方税収入の2.6%増や株式等譲渡所得割交付金の増により全体で0.8%増となったものの、分子となる経常経費充当一般財源について、物件費で11.9%の増、繰出金で7.6%の増により全体で1.4%増加したため、前年度を上回る結果となった。今後益々社会保障関係費の増が予想されるところであり、特に子育て支援施策等本町独自の施策について、事業効果及び内容を適宜評価し、長期的な見通しを持って施策を進める。また、学校等公共建築物の劣化が進んでおり、公共施設等総合管理計画を始めとした中長期的な財政計画のもとスクラップ&ビルドを推し進めることが急務である。
前年度同様、類似団体平均を下回る結果となったものの、物件費及び維持補修費の増額により、人口一人当たりの決算額は前年度比2.1%増となった。人件費については、地方公務員給与費の削減に伴い前年度比0.6%減であったが、国の緊急経済対策事業実施に伴う震災対策農業水利施設整備事業の支出増や原油価格高騰及び電気料金値上げに伴う増額が、物件費が増額となった主な要因として挙げられる。町民からの多様な行政需要が増え、権限委譲や制度改正により業務量が増える中、委託業務などの物件費の増加等が見込まれるが、業務の効率化を図り、サービスの質の低下を招かない工夫が今後益々必要になる。
適正な給与水準の維持に努めており、昨年度に対し8.1減少し、類似団体平均と比べ0.8低い数値となっている。なお、24年度は23年度から実施されている国家公務員の次元的な(2年間)給与改定特例法により100を超える数値となっている。措置がないとした場合の参考値は96.0であり、前年度とほぼ同程度の水準と言える。引き続き類似団体平均数値を上回らないよう、適正な給与制度の運用を検討する。
定員適正化計画に基づき新規採用職員については、25年度まで退職者一部不補充等を実施していることから、常に低い数値となっている。今年度は前年度に比べ人口千人あたり0.05人減となったが、類似団体平均と比べても1.09人少なく、宮崎県市町村平均より1.92人少ない結果となった。本町の人口は、微増ではあるものの増加傾向にあることから、住民へのサービスの低下を招かないよう今後も適正な人員管理に努める。
実質公債比率は、類似団体平均を1.1%下回っているものの、昨年度より1.3%上回る結果となった。これは、公債費に準ずる債務負担行為に係る都城クリーンセンター建設事業及び都城地域健康医療ゾーン整備事業に対する支出額や土地開発公社公共施設用地先行取得事業における支出額が大幅に増額となったことが主な要因である。今後、近年実施した防災行政無線整備事業などで借り入れた大型事業の元金償還が始まることに加え、公共施設等総合管理計画に基づく大規模な施設整備が必要となることが予想される。引き続き公債費平準化の観点から長期的な財政計画を立て、より有利な起債を活用する等財政運営に努める。
類似団体平均を大きく下回り、マイナス計上となった。これは、地方債残高は増加したものの、公営企業債等繰入見込額が3.3%減、退職手当負担見込額が6.2%減となり将来負担額が減額となった。また、普通交付税及び地方税の増収により基金取崩額を抑制し、今後計画されている大型事業を見越した基金の積み増しを捻出したことから充当可能基金が5.2%増額となり、充当可能財源が増額したためである。今後、施設老朽化による公営住宅建替事業等といった大型事業の実施を予定していることから、基金積立金の増額や将来コストを見据えたうえでの普通建設事業等の実施を計画的に行う必要がある。
人件費については、16年度を「行財政改革元年」と位置づけ職員適正化計画等に基づき特殊勤務手当の見直しや一般職の職員採用の抑制等を積極的に行ってきており、22年度には、計画期間を22年度から26年度とする「第5次三股町行政改革大綱」を制定したところである。また、平成25年7月からの地方公務員給与費の削減に加え、24年度に引き続き共済費の組合負担額が減額となり、全体で前年度比0.6%減となった。類似団体との比較では、1.9%低い水準となっており、全国及び県との比較においても平均を下回る結果となった。今後も、適正な人事管理及び人件費の抑制に努めつつ、行政サービスの低下を招かない工夫を行う。
物件費のうち経常的経費については、予算3%カットによる経費節減や合理化抑制に努めたが、昨年度に比べ1.6%の増となった。これは、国の緊急経済対策事業実施に伴い震災対策農業水利施設整備事業の支出額増額や、平成25年5月からの電気料金値上げや原油高騰による燃料費の支出増額が主な要因として考えられる。今後も電気料金を始め職員一人ひとりが節減の意識を持って業務に取り組む必要がある。また、施設の老朽化に伴う修繕が今後益々見込まれることから、中長期的な計画に基づき効率的かつ適正な経費執行に努めていく。
近年、類似団体内でトップクラスの高い数値を示しており、24年度に引き続き類団最下位となった。この高い数値を示す大きな要因となっているのは、扶助費全体の7割を占める児童福祉費にある。これは、当町が人口に占める若年層の割合が高く、乳幼児医療費の無料化や保育所運営費等に対する町単独経費などの少子化対策事業を重点施策として取り組んでいるためである。また、利用者数が増えたことによる障がい者自立支援給付費の増額も一因として挙げられる。今後児童福祉費だけでなく、社会福祉費及び老人福祉費等社会保障関係経費全般について、歳出額の増額が予想されることから、事業効果及び内容を適宜評価し、長期的な見通しを考慮しながら、サービス内容の見直しを図る必要がある。
昨年度から0.8%増加し、類似団体平均値を0.9%上回り、前年度に引き続き全国・県平均ともに上回る結果となった。21年度まで減少傾向にあったが、22年度以降、維持補修費及び繰出金が増加傾向にあり、25年度においても対前年度比で繰出金が2.2%増となった。国保会計等の給付費等抑制に向けた取り組みの充実、公共下水道会計おける使用料等の適正かつ確実な徴収など中長期的な視点にたった事業計画の策定及び実施が必要である。維持補修費については、対前年度比20.7%の減となったものの今後公共施設等の老朽化が進むことが予想され、全施設における現状把握と今後の維持管理に関する見通しの精査を必要とする。
前年度と比較すると、保育士等処遇改善臨時特例事業の制度開始に伴う増額があったが、子宮頸がん予防ワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンなど予防接種事業が減額となり、前年比0.4%の減で、類似団体平均を1.8%下回る結果となった。本町では、町単独補助金について審議会等によって適正な補助額の交付決定に努めているが、今後都城クリーンセンター管理費負担金など同級地への経常経費について、益々社会保障関係費及び清掃関連費に係る補助費等の増が見込まれることから、これからも引き続き補助費等の検証及び適正な執行に努める。
公債費については、25年度10.4%と類似団体平均値を4.2%と大きく下回る結果となった。これは、過去における大型施設建設事業等の償還が随時完了となり、また、近年国の補正予算に伴う臨時交付金等により財源の確保ができたことから、借入額の抑制を図ることができたことが大きな要因となっている。公債費の減少傾向は、26年度まで続くことが見込まれているが、今後、国の補正予算等に関連して実施した大規模な建設事業の元金償還が始まることや、25~26年度大規模事業分の地方債発行額増額が見込まれており、引き続き地方財政措置のある起債の利用など、将来負担の抑制に努める必要がある。
公債費以外の経費については、前年度比で1.2%減少したが、類似団体平均値を2.5%上回る結果となった。これは、扶助費以外の経費については、経費抑制に努めた結果、各費目において類似団体平均値を下回るか同程度に抑えられたところであるが、扶助費が、類似団体との比較において突出し歳出額が大きいためである。今後さらに扶助費の増大が予想されることから、扶助費以外の経費についても、これまで同様、経費削減及び抑制の取り組みを継続し、扶助費について世代間及び年度間における平準化を念頭に事業精査を行い、適正かつ効率的な行政サービスの提供と、計画的な財政運営をすすめる必要がある。
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