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財政力指数は、近年低下傾向にあったが、25年度決算では、前年度と同数値となっている。類似団体の平均(0.63)では下回っているが、全国(0.49)及び長野県(0.38)の平均は上回っている。町土の80%以上を森林が占め、可住地面積の少ないコンパクトな地域的特性により、行政効率が高く、基準財政需要額が低めに算出されることもあるが、地方税等の自主財源確保と歳出削減を一層図ることとし、財政基盤強化に努めていく。
経常収支比率は、22年度決算から数値の改善が見られ、23年度からは70%台を維持している。類似団体平均(87.2%)の中では上位の数値であり、全国(90.2%)及び長野県(83.7%)の平均に対しても大きく下回っている。比率改善の大きな要因としては、持続可能な健全財政構築のために策定した『行財政経営プラン』に基づく人件費の抑制、公債費の縮減が影響しているものと考えられる。今後も行財政改革への取り組みを通じ経常経費の削減に努めていく。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、類似団体平均で6,150円上回っているが、全国及び長野県の平均では下回っている。財政の硬直化を招くとされる義務的経費である人件費は、『行財政経営プラン』に基づき抑制を行ってきており、今後もプランに沿った中長期的な計画的採用を検討し、実施していく。物件費においても、最小の経費で最大の効果が上がるよう行財政運営に努めていく。
ラスパイレス指数は、23年度からの国家公務員の給与改定特例法による措置が終了したことに伴い、対前年度で7.1ポイント減少となっている。類似団体平均(96.7%)、全国平均(98.6%)、長野県平均(95.6%)の全てと比較しても低水準であると言える。今後も適正な給与水準を維持する一方で、人事考課制度の運用による公正な職員配置を図り、更なる住民サービス向上へ結びつけていく。
人口千人当たり職員数は、類似団体平均(6.74人)、全国平均(6.96人)、長野県平均(7.77人)の全てに対し上回っている。対前年度で0.3ポイントが上昇しており、これは職員数の5名増と人口の減少が要因となっている。職員数については『行財政経営プラン』により、定員適正化計画を基に、3分の2方式を基本に取り組んできた結果、目標を達成している。今後も引き続き、世代の偏りが生じないよう年間の必要職員数を平準化して確保しつつ、住民サービスに見合った定員管理を行うことしている。
実質公債費比率(2.0%)は、前年度よりも2.3ポイント低下し、年々比率が低下してきている。類似団体平均(8.6%)、全国平均(9.2%)、長野県平均(8.5%)の全てに対し下回っており、良好な結果を表している。25年度単年度比率を押し下げた要因としては、元利償還金が対前年度99,170千円の減となったことが大きく影響している。23年度以降、保育園改築、小中学校耐震改修、赤砂崎公園整備事業、小学校改築事業、庁舎耐震改修事業などの大型投資的事業を実施してきており、借入金の償還が始まる27年度からは実質公債費比率の上昇が予想されるが、財政を圧迫することがないよう計画的な公債費管理に努めていく。
将来費負担比率(95.1%)は前年度対比で5.6ポイント増加し、類似団体平均(22.3%)、全国平均(51.0%)、長野県平均(14.1%)の全てに対し上回っている。大型投資的事業による地方債の現在高の増及び土地開発公社所有の土地売却に伴う損失による負債額の増が要因となっている。計画的に進めている大型投資的事業により、地方債現在高は年々増加し、平成27年度にピークとなる見通しであるが、特定目的金を計画的に準備し活用していくことで起債額を抑え中長期的視野に立った「計画投資」を推進していく。
人件費にかかる経常収支比率(22.2%)は、長野県平均(20.4%)を上回っているものの、類似団体平均(23.6%)、全国平均(23.7%)を下回っている。対前年度でも0.6ポイント減少している。この結果は、『行財政経営プラン』に基づく人件費の削減(人件費決算額-23,677千円)が図られた成果であり、引き続き、定員適正化計画等を基に、職員の定員管理に努め、人件費抑制を進めていく。
物件費に係る経常収支比率(9.9%)は、対前年で0.4ポイント上昇したが、類似団体平均(15.3%)、全国平均(13.7%)、長野県平均(12.4%)の全てと比較して下回っている。とりわけ物件費の中で、多額の経費を要する経常的な委託料や備品購入費においては、その年度に必要な経費を厳選して執行を行い、前年度決算額ベースに対し大きく経費が上乗せとならないように対応をしている。引き続き、見直し等の対応を含め経費節減を徹底していく。
扶助費にかかる経常収支比率(4.9%)は、対前年度で0.5%減少しており、類似団体平均、全国平均、長野県平均の全てに対して下回っている。しかし、当町の高齢化率は高く、社会福祉にかかる決算額が増傾向にあるため、将来の扶助費増加が懸念される。国及び県の施策の動向に注視し、単独事業の見直しや経費抑制に努めていく必要がある。
その他にかかる経常収支比率(14.3%)の内訳は、維持補修にかかる経常経費(0.3%)と繰出金にかかる経常経費(13.9%)を合算した比率である。類似団体平均(13.8%)、全国平均(12.5%)、長野県平均(13.0%)の全てとの比較で上回っているが、繰出金の減(43,130千円)により、前年度比0.8%の減少となった。引き続き、平成26年度より企業会計に移行する下水道事業について、経費を節減するとともに、独立採算の原則に立ち返り、料金の値上げの検討も含め、普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費にかかる経常収支比率(9.1%)は対前年度で0.2ポイント上昇したが、類似団体平均(12.7%)、全国平均(10.0%)、長野県平均(13.6%)の全てと比較しても大きく下回っている。比率上昇の要因としては、一部事務組合等への補助金・負担金の増が影響している。当初予算編成時に毎年行っている補助金・負担金の見直しは、今後も引き続き取り組むこととしており、適正、公平な補助金負担金の交付に努めていく。
公債費にかかる経常収支比率(12.9%)は対前年度で2.1ポイント低下している。類似団体平均(14.6%)、全国平均(18.6%)、長野県平均(17.2%)の全てに対して下回っている。平成23年度から、大型投資的事業を実施してきており、この地方債の償還が始まる27年度以降は公債費が増となる見込みである。公債費については財政硬直化の主要因として捉えており、実質公債費比率の見通しと将来負担への影響を踏まえて、計画的な事業の実施(特定目的基金の活用)を進めることで公債費抑制を図る。
公債費以外にかかる経常収支比率(60.4%)は類似団体平均(72.6%)、全国平均(71.6%)、長野県平均(66.5%)の全てとの比較で大きく下回っていることから、公債費が大きく影響していることが分かる。財政硬直化の主要因となる「人件費」については、経常経費決算額も多額となるため、常に弾力的な見直しを含めて対応することで、自主財源の確保に努めていく。
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