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財政力指数については、ほぼ横ばいで推移してきており、令和3年度では類似団体平均値は0.07ポイント落ちたものの、市としては変化がなかった。交付税算入率の高い起債を厳選して借り入れ、事業を実施していることから、分母が大きくなることはあるものの、総じて自主財源が少ないことが、指数が上がらない要因であるため、今後も税収確保のため、企業誘致や地域産業の振興に注力していく。
経常収支比率については、類似団体平均値と比較して、毎年度10ポイント程度良い状況が続いているが、これは、毎年度財源の状況が許す限り実施してきている繰上償還と、新規事業の企画立案に当たり、特定財源の確保を徹底してきたことによる成果である。今後も多様化・複雑化する市民ニーズに応えるため、財政の弾力性確保に向けた取組を推進していく。
人口一人当たりの人件費、物件費については、142,513円となっており、類似団体平均値を下回っているものの前年度に比べ微増となっている。これは、退職手当や会計年度任用職員の期末手当などが増えたことによるものである。今後も人事配置の適正化に努めるとともに、佐久市公共施設マネジメント基本方針に則り、公共施設配置の統廃合を含めた適正配置、指定管理者制度の適切な運用や民間譲渡などを進め、行政コストの低減に努めていく。
類似団体内平均値及び全国市平均よりは上回っているものの、国家公務員の給与水準からは下回っている。ここ数年、ラスパイレス指数は上昇傾向が続いていたが、主な要因は長野県に準じた給料表の水準や職員構成の変動によるものである。今後も、長野県人事委員会勧告に基づく給与改定を行うことで、県内の民間給与との均衡を図りつつ、適切な給与水準の維持に努める。
人口1,000人当たりの職員数は、類似団体内平均値及び県平均値を下回っている。今後も、組織機構の見直しや民間活力の活用等により、効率化を図り、市民福祉の向上に努めながら、適正な定員管理に努める。
実質公債費比率については、類似団体平均値と比較して7.8ポイント下回っているが、前年度と比較すると0.4ポイント増加している。これは、単年度比率が比較的低かった平成30年度(-0.77)が3か年平均の算定対象から外れたことによるものである。今後も、市民ニーズを的確に把握し、適切な規模による事業の実施を選択することにより、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
将来負担比率については、地方債残高などから構成される将来負担額に対し、充当可能基金額や普通交付税に係る基準財政需要額算入見込公債費などの充当可能財源が上回ったことにより、前年度に引き続き“数値なし”となった。今後も、現役世代と将来世代の負担バランスを考慮し、交付税算入率の高い有利な起債の活用、繰上償還、基金積立などを効果的に実行するとともに、バランスシートなどの公会計制度による財務手法も活用し、負担調整を図っていく。
人件費に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して3ポイント下回っており、また前年度と比較すると0.5ポイント減少している。これは主に、退職手当や会計年度任用職員の期末手当などが増加した一方で、歳入である経常一般財源等の総額も増加したためである。今後も、民間活力による職員数の抑制、時間外勤務手当の縮減等に努めていく。
物件費に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して0.9ポイント下回っているものの、前年度と比較すると0.5ポイント増加している。これは、主に学習用情報機器借上料の増などによるものである。今後は行政のDX推進により需用費等の経費削減等に努める。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して1.8ポイント下回っており、また前年度と比較すると0.1ポイント減少している。これは主に、医療給付費などが増加した一方で、歳入である経常一般財源も増加したためである。本市では、既に高齢化率が30%を超えており、さらには障害者総合支援法に基づく給付費も確実に増加傾向にある。また、総合戦略に基づく子育て支援にも注力する必要があることから、今後も確実に扶助費は増加していくことが見込まれているため、ニーズに沿った事業の厳選に努めていく。
その他に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して0.9ポイント上回っており、また前年度と比較すると0.6ポイント減少している。その他の主なものは、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者特別会計への繰出金である。今後は、高齢者の増加に伴う影響を考慮し、医療費及び介護給付費の適正化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して2.5ポイント下回っており、また前年度と比較しても1.8ポイント減少している。これは、主に新クリーンセンター建設に係る組合への分担金の皆減などによるものである。今後も補助金等の見直しを行うとともに、交付事業の内容・効果を分析し、補助金交付の適正な執行に努める。
公債費に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して2.7ポイント下回っており、また前年度と比較すると1ポイント減少している。これは主に、定時償還の元金・利子の額には大きな変動はないが、歳入である経常一般財源等の総額が増加したためである。公債費については、ここ数年間、小・中学校や保育所などの老朽化への対応や個別施設計画に基づく更新などが続くことから、事業を精査し、市債の新規発行の抑制や計画的な繰上償還の実施等により、起債残高の抑制に努める。
公債費以外に係る経常収支率は類似団体平均値と比較して7.3ポイント下回っており、また前年度と比較しても2.5ポイント減少している。今後は、少子高齢化などを背景とした扶助費等社会保障費、老朽施設の維持管理経費など、経常経費の増加が見込まれることから、事務事業の見直しなど、行財政改革により一層取組、経費の削減に努める。
(増減理由)令和3年度末の基金残高は、普通会計で約330億7,200万円となっており、前年度から約35億400万円の増加となっている。これは、令和元年東日本台風災害に対する支出が一段落したことで、減債基金で約7億200万円、小・中学校施設整備基金で約10億1,600万円などの積立を行うことができたことが主な要因である。(今後の方針)新たな感染症や大規模災害など不測の事態への対応に加え、公共施設の老朽化対策など、今後の財政需要の増大にも適切に対応していけるように一定額を確保していくことを予定している。
(増減理由)令和3年度末の基金残高は、約71億3,900万円となっており、約9,300万円の増額となっている。これは、住宅新築資金等貸付事業会計の廃止に伴い、住宅新築資金等貸付事業債償還準備基金を積み立てたことによる増額である。(今後の方針)当初予算編成において、一定額の取り崩しが不可欠となっているが、財源調整をしながら現状程度の額を目安に維持していく予定である。
(増減理由)令和3年度末の基金残高は、約48億4,100万円となっており、約7億300万円の増額となっている。これは、年度末に生じる財源調整を行った結果により7億円を積み立てたことによる増額である。(今後の方針)令和5年度から令和元年東日本台風災害による起債の償還が本格的に始まるため、当初予算編成において、一定額の取崩が不可欠となっているが、財源調整をしながら単年度の公債費と同規模程度の額を維持していく予定である。
(基金の使途)・小・中学校施設整備基金:市立小・中学校施設整備に要する経費の財源に充てる。・地域振興基金:合併後の地域振興施策の推進に要する経費の財源に充てる。・文化振興基金:文化振興施策の推進に要する経費の財源に充てる。(増減理由)・小・中学校施設整備基金:臼田地区新小学校建設事業などへ充当するため、約10億1,600万円を積み立てたことによる増額・公共施設等適正管理推進基金:公共施設等の集約化・複合化、老朽化対策などの推進のため、約6億円を積み立てたことによる増額(今後の方針)・保育所施設整備基金:中込地区新保育所建設事業へ充当するため取崩を予定
当市では、平成28年度に策定し、令和3年度に改訂を行った公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を23%削減するという目標を掲げ、本計画に基づく個別施設計画により、施設の更新、改修や維持管理の効率化を含めた適正化を計画的に進めている。有形固定資産減価償却率においては、上昇傾向にあるため引き続き個別施設計画に基づく施設の適正化を進めていく必要がある。
令和3年度は、令和元年東日本台風災害に係る災害普及事業債の発行に伴う基準財政需要額算入見込額の増加などにより充当可能財源が増加し、債務償還比率は令和2年度から減少した。今後も、計画的な繰上償還や交付税措置の高い「有利な起債」を選択し、年度間調整、世代間調整などを図っていく。
将来負担比率は数値なしの状況が続き、有形固定資産減価償却率とともに類似団体平均を下回っている。有形固定資産減価償却率については、年々比率が高くなっていることから、施設が全体的に老朽化しつつあり、近い将来維持更新のための投資が必要となる可能性がある。このことから公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を伴う更新及び長寿命化を進めるなどの適正管理に努める。
将来負担比率は数値なしの状況が続き、実質公債費比率とともに類似団体平均を下回っている。実質公債費比率については、昨年度に比べ比率が高くなっているが、これは、交付税算入率が高い「有利な起債」の償還ピークが過ぎ、算入される数値が減少していることが要因である。今後数年間、小・中学校や保育所などの老朽化への対応や個別施設計画に基づく施設更新などが続くことから、市債の適正な発行や計画的な繰上償還の実施、基金の積立等により、引き続き健全財政に努める。
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