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首都近郊という立地条件や、JR吉川美南駅の設置に伴う利便性の向上により、人口が増加傾向にあり、税収が増加していることから、基準財政収入額が伸びており、財政力指数が類似団体の平均を超える状況となっている。また、主要な測定単位として国勢調査が用いられており、人口増加傾向の当市においては基準財政需要額が増加する見込みであるが、税収も伸びているため、基準財政収入額も増加する見込みである。今後も引き続き収納率の向上など、自主財源確保に努める。
市税や地方交付税、地方消費税交付金、臨時財政対策債などの歳入が増加したことにより、前年度から8.3%の減となっている。今後は、令和元年度に完成した中学校の元利償還や、吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業や公共施設の長寿命化などの大規模事業に対する市債の活用が見込まれることから、借入利率の低い貸付制度や、計画的な基金の活用を図っていく。
人件費においては、職員の新陳代謝により基本給が減となったものの、時間外勤務手当や会計年度任用職員級が増額となったことにより、88,252千円の増となっている。物件費においては、GIGAスクールに対応するためのタブレット購入費などが減となったが、新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る予防接種委託料などや給食食材購入費の増により前年と比較し、54,880千円の増ととなったことから、人口1人当たりの人件費・物件費等については増額となっている。
令和3年のラスパイレス指数は99.5となり100を下回ったが、全国平均は上回っている。学歴別で見ると、短大卒・高卒の平均給与比較が毎年のラスパイレス指数の引上げ要因となっており、これは国の短大卒・高卒は管理職等の上位の職につくことが少ないためと考えられる。こうした中にあって、全体としては、採用退職に伴う職員構成の変化などによって昨年の指数から-0.6となった。
新駅周辺の区画整理を中心とした人口増に対応しながらも、従前から定員の適正化を厳格に行ってきたことによって、類似団体、全国、埼玉県平均を下回っている。引き続き、業務量に見合った職員数を確保し、定員の適正化に努めていく。
令和3年度の普通交付税は、令和2年国調人口の採用により需要額が増加するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響で収入額も減少したため、交付税の増につながったことや、再算定による追加交付の影響などにより前年度と比較し802,181千円増加した。そのため、令和3年度単年度の実質公債費比率は6.22%となり、前年度と比較して1.35%減少し、3年平均値を採用する実質公債費比率は7.1%となり、0.4%減となった。
債務負担行為に基づく支出予定額などの減により、将来負担額が全体として1,062,703千円減額し、基金残高や特定歳入も増加したことにより、充当可能財源が1,990,290千円増加したことから、将来負担比額を充当可能財源等が上回り、将来負担比率は「-」となった。今後も、吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業の推進や公共施設の長寿命化などの大規模事業において、市債を財源とする事業展開が見込まれることから、交付税措置のある地方債を活用するなど、将来負担に配慮した財政運営に努める。
よしかわ行財政改革推進プランなどの取組により、職員数や各種手当を見直し、さらには市民交流センターおあしすの指定管理者制度導入などを行ってきたが、人口増加等に伴う事務量の増加などにより、人件費は増加傾向である。令和3年度については、人件費においては、職員の新陳代謝により基本給の減となったものの、時間外手当や会計年度任用職員費の増により増加した。
市民交流センターおあしすの指定管理者制度導入や、PFI方式による学校給食センター運営委託料などにより、人件費の一部が物件費に振り替わったことで、物件費が類似団体を上回る状況で推移している。今後も引き続き、行財政改革の取組による事務経費の節減や、民間活用も含めた効率的な行政運営に努める。
新型コロナウイルス感染症の影響による利用控えが一部解消された子ども医療給付費の増、施設数の増による介護・訓練等給付の増、受給者数の増による生活保護費の増等が影響し、扶助費充当経常一般財源等全体で増となったが、経常一般財源等の増により前年度比0.8%の減となった。
「その他」の多くを占める繰出金については、国民健康保険事業特別会計において平成30年度に国民健康保険財政健全化計画を策定するなどにより、繰出金の適正化に努めている。今後は、高齢化の進行による繰出金の増加や施設の老朽化に伴う維持補修事業費の増加が見込まれるため、適正な制度運営や事務経費削減に努める。
可燃ごみなどの処理業務を東埼玉資源環境組合で、消防業務を吉川松伏消防組合で行っていることに対する負担金のほか、令和元年度には、下水道事業特別会計が法適化したことに伴い、下水道事業会計負担金が加わったことなどにより、類似団体平均を上回って推移している。引き続き各種団体への補助金などを含め、適正な補助費等の支出に努める。
公共事業等債や一般単独事業債、都道府県貸付金が増加した一方で、教育・福祉施設整備事業債や臨時財政対策債が減少したこと等により、前年度と比較して26,394の千円の減となった。今後も中学校建設事業に対する償還を控えていることや、吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業などの大規模事業に対する市債の活用が見込まれることから、借入利率の低い貸付制度や、計画的な基金の活用を図っていく。
公債費以外の経常収支比率については、令和3年度は類似団体と同等の水準である。今後予定されている中学校建設事業に対する償還の開始や吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業、公共施設の長寿命化などの大規模事業に対する市債の借入により、公債費の増加は避けれないため、公債費以外で経費の削減に積極的に取り組む。
(増減理由)・国調人口の増等による普通交付税の増収分や、国の補正により追加交付された普通交付税のうち、年度内に事業化できなかった分を財政調整基金に積立てたほか、江戸川堤防工事に伴う道路用地売却収入分や決算に伴う余剰金を公共施設整備基金に積立て、個人からの寄附金を障がい者安心暮らしサポート基金に積立てたことなどにより、基金全体で1,592,884千円増加した。(今後の方針)・財政調整基金については標準財政規模の10%となるよう努めることとし、その他特定目的金については事業実施に向けて引き続き活用を図っていく。
(増減理由)・国調人口の増等による普通交付税の増収分や、国の補正により追加交付された普通交付税のうち、年度内に事業化できなかった分を積立てたことにより、775,554千円増加した。(今後の方針)・財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%程度となるよう努めることとしている。
(増減理由)・令和3年度普通交付税再算定による増加分のうち、臨時財政対策債償還基金費である356,234千円を積立てることにより増加した。(今後の方針)・臨時財政対策償還基金を積立てたものについては、臨時財政対策債の償還に合わせ、取崩しを行うほか、条例に基づき運用を図っていく予定である。
(基金の使途)・公共施設施設整備基金:公共施設の整備及び修繕並びに用地取得に要する経費の財源に充てるため・鉄道建設基金:都市高速鉄道東京8号線の実現に向けた費用に充てるため・障がい者安心暮らしサポート基金:障がい者が、住み慣れたこの吉川市で安心して生活していくことを支援するため、障がい者が愛着のある吉川市で親亡き後も安心して暮らしていくための経費の財源に充てるため(増減理由)・公共施設整備基金:江戸川堤防工事に伴う道路用地売却収入分や決算に伴う余剰金の積立てにより、460,298千円増加した。・障がい者安心暮らしサポート基金:個人からの寄附金の積立てにより、895千円増加した。(今後の方針)・公共施設整備基金:条例に基づき、公共施設の整備及び修繕並びに用地取得に要する経費の財源に充てるため積み立てを行い、計画的な事業実施に向けて活用を図っていく予定である。・鉄道建設基金:都市高速鉄道東京8号線建設の実現に向けて、引き続き運用を図っていく予定である。・障がい者安心暮らしサポート基金:基金の財源とするための寄附があった場合に積立を行い、障がい者の就労等の支援の財源と22319して活用していく。
当市の有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると低い水準である。第二保育所の建て替えや、吉川美南駅周辺地域のに伴う人口増加に対応した吉川中学校の建設など、新しい施設が整備されたことにより、有形固定資産減価償却率が比較的引く状況となっていると考えられる。一方で、老人センターや学校等、老朽化の進行が著しい施設もあることから、令和2年度に策定した吉川市公共施設長寿命化計画に基づき、適切に維持管理ができるよう計画的に老朽化対策を行っていく。
令和3年においては、財政調整基金や公共施設整備基金の基金残高の増加や、減債基金の新設により、充当可能財源が増加し、分子が減少したため、債務償還比率は類似団体平均を下回り、債務償還比率が令和2年度より299.3%減少した。しかしながら、令和4年度も引き続き、吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業などの大規模事業が予定されていることから、地方債を活用する事業の厳選や、より低利な借入、基金の活用など、将来負担に配慮した財政運営に努めていく。
当市では、第二保育所の建て替えや吉川美南駅周辺の開発に伴う人口増加に対応した吉川中学校などの新しい施設の整備より、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると低い水準となっている。将来負担比率については、基金残高の増により充当可能財源等が増加したことなどにより、前年度より大きく減少し、「なし」となり、将来負担比率は類似団体よりも低い水準となっているものの、吉川中学校建設事業や吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業などの大規模事業の推進により地方債現在高が増加している。令和4年度以降も、新規整備された施設により有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準を維持する一方で、大規模事業の推進により地方債残高の増加が見込まれ、将来負担比率への影響が懸念されることから、地方債を活用する事業厳選や、より低利な借入、基金汚活用など、将来に配慮似た財政運営に努めていく。
令和3年度における3年平均での実質公債費比率は、類似団体と比較して高い水準となっている。新庁舎建設事業や吉川中学校用地取得事業など、平成29年度に発行した市債の償還開始により、平成30年度以降の元利償還金が増加したことなどが要因である。今後も吉川中学校建設事業や吉川美南駅東口土地区画整理事業など、大規模事業の推進により市債の償還が増えることから、実施公債費比率は上昇傾向が続くことが見込まれる。将来負担比率については、充当可能財源の増加などにより、令和3年度は比率は大きく%減少したものの、今後予定されている大規模事業による将来負担比率への影響が懸念されることから、計画的な市債の償還に努め、将来負担に配慮した財政運営に努めていく。
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