経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については、下水道使用料の減少などにより前年度に比べて0.11ポイント減少し111.28%となったものの、単年度収支が黒字であることを意味する100%を超えており、適切な数値であると考える。今後についても、吉川市下水道事業経営戦略に基づき、適切な経営に努めていく。③流動比率については、現金預金の増加などに伴い増加傾向であり、前年度と比べて21.68ポイント増加した。類似団体と比較しても高い傾向にあり、短期的な支払い能力を確保できている状況である。④企業債残高対事業規模比率については、前年度に比べ63.9ポイント上昇し類似団体の平均を上回った。今後も吉川美南駅東口土地区画整理事業に伴う下水道布設工事等により、企業債残高が増加する見込みであるが、区画整理地内の使用収益開始に伴う下水道使用料等の収益増加によって指標の改善に努めていく。⑤経費回収率は、下水道使用料の減少などにより前年度に比べ9.13ポイント減少したが、類似団体を大きく上回っており、適切な数値であると考える。今後も、適切な支出に努め、経費回収率の維持に努めていく。⑥汚水処理原価は、前年度に比べ4.84ポイント増加したが、類似団体を大きく下回っており適切な数値であると考える。今後も、適正な維持管理により、汚水処理費の抑制や有収水量の確保に努めていく。⑦水洗化率については、前年度に比べ0.05ポイント上昇し類似団体の平均を上回っている。引き続き、未接続世帯への通知を実施し、水洗化率の向上を図っていく。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、経年により減価償却が進んだことにより増加しているものの、耐用年数を経過した管渠がないため、②管渠老朽化率及び③管渠改善率は0.00%で推移している。今後は、吉川市下水道経営戦略に基づき、計画的に管渠の維持管理及び更新を図っていく。
全体総括
各指標が類似団体平均値及び全国平均値を上回っており、現在のところ適切な経営状態であるといえるが、吉川市下水道事業経営戦略において、汚水処理費の増加や管渠及びポンプ場施設の耐震化等により、将来的に財源不足が見込まれている。今後は、令和7年度の経営戦略の改定作業の中で、適切な使用料水準等について検討して行く必要がある。