経営の健全性・効率性について
①の経常収支比率は、100%を超えていますが、汚水事業については、下水道使用料で賄うべき費用の一部について、一般会計からの補てんを受け、事業運営を行っています。引き続き経費削減に努めます。③の流動比率は、建設改良費等の財源に充てた企業債の償還が多額なため、24.44%と低くなっています。運転資金の確保が課題となっています。④の企業債残高対事業費規模比率は、建設当初から多額の借入れを行ってきたことから類似団体、全国の平均値を大幅に上回っています。しかし、償還のピークを迎え、企業債残高が減少していることから、下降傾向にあります。⑤の経費回収率は、令和3年10月に実施した下水道使用料の改定等の影響により、89.67%と前年度より良化しました。しかし依然として類似団体、全国の平均値を下回っており、経費の削減と合わせ、経営の効率化が求められます。⑥施設整備はおおむね終わりましたが、今後は老朽化が進む施設の維持管理にかかる経費が増加することが見込まれます。維持管理を適切にかつ効率的に行っていく必要があります。
老朽化の状況について
現在は、法定耐用年数を経過した管渠はないものの、今後、建設のピークであった平成7年度ごろから平成18年度ごろに整備された管渠の老朽化が見込まれます。管路の点検を行い、損傷状況に応じた対策を実施していく必要があります。管渠老朽化率が全国平均や類似団体の平均値より低いこともあり、管渠改善率が低くなっています。
全体総括
下水道事業の現状や課題を整理し、その課題に対し計画的に取り組むべく、令和元年8月に令和2年度から11年度までを計画期間とする「上下水道ビジョン(経営戦略)」を策定しました。令和2年度より、同ビジョンに基づいた事業運営を行っています。下水道事業の経営においては、「基準外一般会計繰入金の削減または解消」「経費回収率100%以上」「運転資金の確保」を同ビジョンの重点基準目標に掲げています。今後も同ビジョンに基づいた取り組みを続け、課題の解消を図ります。下水道施設の老朽化については、今後の経年による老朽化を見据え、同ビジョンやストックマネジメント計画に基づき、定期的な点検を実施し、対処が必要な箇所については修繕・改築を計画的に行っています。