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首都近郊という立地条件や、新駅の設置に伴う利便性により、人口が増加傾向にあり、税収が増加していることから、基準財政収入額が伸びており、財政力指数が類似団体の平均を超える状況となっている。また、主要な測定単位として国勢調査が用いられており、人口増加傾向の当市においては基準財政需要額が増加する見込みであるが、税収も伸びているため、基準財政収入額も増加する見込みである。今後も引き続き収納率の向上など、自主財源確保に努める。
平成17年度以降の行財政改革による人件費の抑制や、公債費の抑制によって、類似団体の中では比較的比率が低かったが、近年は増加傾向にある。平成29年度については、公債費・扶助費・物件費が増加したものの、市税や地方消費税交付金、臨時財政対策債発行可能額も増加したことにより、前年度0.5%の減となっている。今後も中学校建設事業など、複数の大規模設事業を予定しており、公債費の増加が見込まれることから、真に必要な事業を取捨選択し、安定的な財政運営に努める。
人件費においては、職員手当の増等により、前年度と比較し50,872千円の増加となっている。また、物件費においては、社会保障・税番号制度及び各種証明書のコンビニ交付開始に対応した窓口電算システムの導入委託料の減等により、152,934千円の減額となったことから、人口1人当たりの人件費・物件費等については減額となっている。本項については、類似団体及び埼玉県の平均値を下回っており、引き続き効率的な行政運営を図っていく。
平成30年度の吉川市ラスパイレス指数は100.4(平成29年度は100.9で-0.5)となった。昨年度からの変動要因は、増要因としては、前歴加算が多い職員を採用したため、若年層の中で高い給与水準となったこと(+0.2)や、短大卒の部長級職員の経験年数が35年以上となり、国職員の同区分の平均給与を大きく上回ることとなったこと(+1.6)があった。また、減要因としては、平成27年度に実施した総合的見直しに伴う現給保障が平成29年度で終了したことにより対象者の給与が下がったことによるもの(-2.3)である。なお、学歴別で見ると、短大卒・高卒の平均給与比較が毎年のラスパイレス指数の引上げ要因となっており、これは国の短大卒・高卒は管理職等の上位の職につくことが少ないためと考えられる。
吉川美南駅周辺の土地区画整理を中心とした人口増に対応しながらも、従前から定員の適正化を厳格に行ってきたことによって、類似団体、全国、埼玉県平均を下回っている。引き続き、業務量に見合った職員数を確保し、定員の適正化に努める。
平成28年度新発債の償還開始や、据置期間の終了した臨時財政対策債の元金償還の開始等により、元利償還金が前年度と比較し79,090千円増加したことなどにより、平成28年度単年度の実質公債費比率5.9%となったことから、3年平均を採用する実質公債費比率は5.5%となった。今後は、将来負担比率と同様、計画的な市債の活用に努め、引き続き将来負担を見据えた安定的な財政運営に努める。
退職手当負担見込額が62,196千円減となったほか、中学校用地取得事業等にかかる債務負担行為に基づく支出予定額が2,180,103千円減、東埼玉資源環境組合の地方債残高の減等による組合負担見込額が104,019千円減となった一方、新庁舎建設事業や中学校用地取得事業により地方債現在高が4,351,038千円増となったほか、新庁舎整備基金などの充当可能基金が1,462,194千円減となったことなどにより、前年度の将来負担比率に比べ23.3ポイント増となった。今後も計画的な市債の活用に努め、引き続き将来負担を見据えた安定的な財政運営に努める。
よしかわ行財政改革推進プランなどの取り組みにより、職員数の減や各種手当を見直し、更には市民交流センターおあしすの指定管理者制度導入などを行ってきた。平成29年度については埼玉県総合事務組合に対する退職手当負担金の減により前年度比0.1ポイントの減となったものの、依然として人口増加等に伴う事務量の増加や職員数の微増などにより、人件費は増加傾向である。
市民交流センターおあしすの指定管理者制度導入や、PFI方式による学校給食センター運営委託料などにより、人件費の一部が物件費に振り替わったことで物件費が類似団体を上回る状況で推移している。今後も引き続き、行財政改革の取り組みによる事務経費の節減や、民間活用も含めた効率的な行政運営に努める。
扶助費については、地域型保育給付費、生活保護費、介護訓練等給付費の増などにより、前年度と比較し133,362千円増加しており、類似団体と比較しても高い数値となっている。今後も人口増に伴う扶助費の増加が見込まれることから、引き続き適正な制度運営に努める。
「その他」の多くを占める繰出金については、高齢者人口が比較的低いことから介護保険特別会計及び後期高齢者医療特別会計への繰出金が抑えられていることなどにより、類似団体平均よりも下回って推移している。今後は、高齢化の進行による繰出金の増加や施設の老朽化に伴う維持補修費の増加が見込まれるため、適正な制度運営や事務経費の削減に努める。
可燃ごみなどの処理業務を東埼玉資源環境組合で、消防業務を吉川松伏消防組合で行っており、その負担金を主な要因として類似団体平均を上回って推移している。特に、東埼玉資源環境組合負担金については、積算根拠となる「人口」「ごみ搬入量」の増により負担割合が増加している。引き続き各種団体への補助金などを含め、適正な補助費等の支出に努める。
公債費については、現在のところ類似団体の平均を下回る状況で推移している。今後は新庁舎建設事業に対する市債の償還が始まることに加え、引き続き土地区画整理事業や吉川中学校建設事業など、複数の大規模建設事業に対する市債の活用が見込まれることから、借入利率の低い貸付制度や、計画的な基金の活用を図っていく。
公債費以外の経常収支比率について、類似団体を上回っている状況で推移している。今後予定されている新庁舎建設事業に対する市債の償還の開始や土地区画整理事業、新中学校建設事業などの大規模事業に対する市債の借り入れにより、公債費の増加は避けられないため、公債費以外での経費削減に積極的に取り組む。
(増減理由)・公共施設整備基金については、借地の取得に限らず、公共施設の整備や長寿命化に要する経費にも対応することを目的に、平成29年3月議会において借地買収準備基金条例を一部改正し、80,005千円を積み立てを行った一方で、社会保障関係経費の増大等により財源不足を補うため財政調整基金を39,361千円の取り崩しこと、新庁舎建設工事を行ったため庁舎建設基金を1,587,308千円を取り崩したこと等により、基金全体としては1,546,646千円の減となった。(今後の方針)・庁舎建設基金については、平成30年度には旧庁舎の解体撤去工事を行うことから、新庁舎建設に付随する一体的な工事として庁舎建設基金をその財源としており、庁舎建設事業の終了後に、基金を廃止する予定である。
(増減理由)・社会保障関係経費の増大等により財源不足を補うため39,361千円の取り崩しを行った。(今後の方針)・財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%程度となるように努めることとしている。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)・庁舎建設基金:吉川市役所庁舎建設の費用に充てるため・公共施設整備基金:公共施設の整備及び修繕並びに用地取得に要する経費の財源に充てるため・鉄道建設基金:都市高速鉄道東京8号線建設の実現に向けた費用に充てるため(増減理由)・庁舎建設基金:平成29年度に新庁舎建設工事を行ったことから1,587,308千円を取り崩した。・公共施設整備基金:借地の取得に限らず、公共施設の整備や長寿命化に要する経費にも対応することを目的に、平成29年3月議会において借地買収準備基金条例を一部改正したものであり、平成29年度は80,005千円を積み立てたものである。(今後の方針)・庁舎建設基金:平成30年度には旧庁舎の解体撤去工事を行うことから、新庁舎建設に付随する一体的な工事として庁舎建設基金をその財源としており、庁舎建設事業の終了後に、基金を廃止する予定である。・公共施設整備基金:条例に基づき、公共施設の整備及び修繕並びに用地取得に要する経費の財源に充てるために積み立てを行い、計画的な事業実施に活用を図っていく予定である。・鉄道建設基金:都市高速鉄道東京8号線建設の実現に向けて、引き続き運用を図っていく予定である。
平成28年度の有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較して低い水準にある。本市では、平成24年に吉川美南駅が開設され、周辺開発が進むなど、人口の増加が見込まれている市であり、吉川美南小学校など新しい施設の整備により、有形固定資産減価償却率が比較的低い状況であると推察されるが、人口増加に対応して整備してきた公共施設・インフラは初期のものは既に老朽化が進んでいる状況である。その中で将来にわたり公共サービスを充実させつつ市の財政の健全性を維持するためには、全市的・長期的な観点から公共施設・インフラを管理していくことが求められているため、今後についても、平成26年度に策定した公共施設総合管理計画に基づき、市の所有する公共施設・インフラの総合的・効率的な管理・活用を図っていく。
平成28年の将来負担比率及び有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較して低い水準にある。有形固定資産減価償却率については、本市では、平成24年に吉川美南駅が開設され、周辺開発が進むなど、人口の増加が見込まれている市であり、吉川美南小学校など新しい施設の整備により、有形固定資産減価償却率が比較的低い状況であると推察されるが、人口増加に対応して整備してきた公共施設・インフラは初期のものは既に老朽化が進んでいる状況である。将来負担比率については、債務負担の支出予定の減、基準財政収入額の伸びに伴う標準財政規模の増により近年は減少傾向にあるが、今後は新庁舎建設事業や新中学校建設事業などの大規模事業が予定されていることから、増加する要因が控えている。今後も計画的な市債の活用に努め、引き続き将来負担を見据えた安定的な財政運営に努めるとともに、公共施設総合管理計画に基づき、市の所有する公共施設・インフラの総合的・効率的な管理・活用を図っていく。
平成29年度の実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準となったが、将来負担比率は高い水準であった。将来負担比率は、近年まで減少傾向にあったが、平成29年度は地方債現在高の増加(4,351,038千円増)や、庁舎建設基金などの充当可能基金の減少(1,462,194千円減)等により平成28年度の将来負担比率と比べ23.3ポイント増となった。平成29年度の実質公債費比率は、緊急防災減災事業債(平成28年度デジタル防災無線整備等)や臨時財政対策債の増により、元利償還額が平成28年度と比較し79,090千円増となるなど分子が増加した一方で、標準財政規模が184,951千円増となるなど分母も増加したことで、平成29年度単年度の実質公債費比率は0.08ポイント減となったものの、3か年平均では0.5ポイント増となった。今後は新庁舎建設事業や新中学校建設事業などの大規模事業に対する地方債の償還が予定されていることから、引き続き地方債を活用する事業を厳選することやより低利な借入や基金の活用など、将来負担に配慮した財政運営に努める。
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