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首都近郊という立地条件や、新駅の設置などに伴い利便性が向上した結果、人口が増加傾向にあり、税収が増加していることから、基準財政収入額が伸びており、財政力指数が類似団体の平均を超える状況となっている。また、主要な測定単位である国勢調査人口が平成27年度調査に更新されたことにより、人口増加傾向の当市においては基準財政需要額が増加する見込みであるが、税収も伸びているため、基準財政収入額も増加する見込みである。今後も引き続き収納率の向上など、自主財源確保に努める。
平成17年度以降の行財政改革による人件費の抑制や、公債費の抑制によって、類似団体の中では比較的比率が低かったが、平成28年度については、地方消費税交付金と臨時財政対策債発行可能額の減少や、公債費・扶助費・物件費が増加したことで、前年度4.1%の増となっている。今後も新庁舎建設事業など、複数の大規模設事業を予定しており、公債費の増加が見込まれることから、真に必要な事業を取捨選択し、安定的な財政運営に努める。
人件費においては、職員数の増等により、前年度と比較し2,276千円の増加している。また、物件費においては、PFI方式により整備された学校給食センターの運営が開始されたこと等により、151,988千円の増額となったことから、人口1人当たりの人件費・物件費等については増額となっている。本項については、類似団体及び埼玉県の平均値を下回っており、引き続き効率的な行政運営を図っていく。
平成29年度の吉川市ラスパイレス指数は100.9(平成28年度は101.1で-0.2)となった。昨年度からの変動要因は、改定率の高い若年層の職員比率が高かったこと(+0.1)、採用と退職者の構成によるもの(+0.2)、高位にいた高卒職員の退職など職員構成の変動によるもの(-0.6)、給与制度の総合的見直しに伴う相違(現給保障者が多い)によるもの(+0.1)である。学歴別で見ると、短大卒・高卒の平均給与比較が毎年のラスパイレス指数の引上げ要因となっているが、国の短大卒・高卒は管理職等の上位の職に少ないためである。
従前から定員の適正化を厳格に行ってきたことによって、類似団体、全国、埼玉県平均を下回っている。引き続き、業務量に見合った職員数を確保し、定員の適正化に努める。
平成27年度新発債の償還開始や、据置期間の終了した臨時財政対策債の元金償還の開始等により、元利償還金が前年度と比較し138,269千円した。また、PFI方式を活用した学校給食センター整備事業について、整備事業費の割賦払が開始されたため「公債費に準ずる債務負担行為に係るもの」が78,678千円増加した。これらにより平成28年度単年度の実質公債費比率6.0%となったことから、3年平均を採用する実質公債費比率は5.0%となった。今後は、将来負担比率と同様、計画的な市債の活用に努め、引き続き将来負担を見据えた安定的な財政運営に努める。
高齢層職員の退職により年齢構成が若返ったことで、退職手当負担見込額が234,435千円減となったほか、学校給食センター整備運営事業等にかかる債務負担行為に基づく支出予定額が189,955千円減、また、東埼玉資源環境組合の地方債残高の減等による組合負担見込額が111,177千円減により、前年度の将来負担比率に比べ7.3ポイント減となった。今後も計画的な市債の活用に努め、引き続き将来負担を見据えた安定的な財政運営に努める。
よしかわ行財政改革推進プランなどの取り組みにより、職員数の減や各種手当を見直し、更には市民交流センターおあしすの指定管理者制度導入などを行ってきた。ここ数年は類似団体の平均値と同程度であるが、人口増加等に伴う事務量の増加や、職員数の微増などにより、人件費は増加傾向である。
市民交流センターおあしすに指定管理者制度を導入したことや、PFI方式による学校給食センター運営委託料の増等により、人件費の一部が物件費に振り替わり、物件費が類似団体を大幅に上回る状況で推移している。今後も引き続き、行財政改革の取り組みにより事務経費の節減に努め、民間活用も含めた効率的な行政運営に努める。
扶助費については、障がい者への介護訓練等給付費、保育委託料の増などにより、前年度と比較し654,534千円増加しており、類似団体と比較しても高い数値となっている。今後も人口増に伴う扶助費の増加が見込まれることから、引き続き適正な制度運営に努める。
「その他」の多くを占める繰出金について、高齢者人口が比較的低いことから、介護保険事業及び後期高齢者保健事業への繰出金が抑えられていることなどにより、類似団体平均よりも下回って推移している。今後は、高齢化の進行による繰出金の増加や施設の老朽化に伴う維持補修費の増加が見込まれるため、適正な制度運営や事務経費の削減に努める。
可燃ごみ等の処理業務を東埼玉資源環境組合で、消防業務を吉川松伏消防組合で行っており、その負担金を主な要因として、類似団体平均を上回って推移している。特に、負担金の積算根拠となる「人口」「ごみ搬入量」の増により、東埼玉資源環境組合への負担割合が増加しているが、全体としては減少傾向となっており、引き続き経費に節減に努める。
公債費については、現在のところ類似団体の平均を下回る状況で推移しているが、今後においては、新庁舎建設事業や土地区画整理事業、新中学校建設事業など複数の大規模建設事業で市債の活用が見込まれることから、借入利率の低い有利な貸付制度や、計画的な基金の活用を図っていく。
公債費以外の経常収支比率について、類似団体を上回っている状況で推移している。今後予定されている新庁舎建設事業をはじめとした大規模事業の実施により、公債費の増加は避けられないため、公債費以外での経費削減に積極的に取り組む。
将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあり、近年は減少傾向にある。平成27年度将来負担比率は臨時財政対策債等基準財政需要額算入見込額の増加(243,625千円増)や、庁舎建設基金の積み立て(500,468千円)等により将来負担額から控除される充当可能財源が増加したことにより平成26年度の将来負担比率と比べ12.8ポイント減となった。東埼玉資源環境組合の平成26年度補正予算債の償還開始等により、元利償還額について平成26年度と比較し12,950千円増となった一方で、基準財政需要額に算入される公債費が48,113千円減となったため、平成27年度単年度の実質公債費比率は4.73ポイントとなった。今後は新庁舎建設事業や(仮称)第4中学校建設事業などの大規模事業が予定されていることから、引き続き地方債を活用する事業を厳選することやより低利な借入や基金の活用など、将来負担に配慮した財政運営に努める。
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