経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は前年よりも△5.10%悪化した。新型コロナウィルス感染症拡大の経済的影響を踏まえ、基本料金の免除をR2.6~R2.9までの4か月間実施したため、給水収益が大きく落ち込んでしまったこと(△98,219千円減)が主な原因である。③流動比率は前年よりも△133.8%悪化した。収入面では前述の免除による収入が減少したこと、支出面では建設改良費(投資)が高水準で支出されていることにより、現金が減少し(△252,836千円減)、その結果、流動比率が低下した。④企業債残高対給水収益比率は前年よりも4.06%悪化した。企業債残高は減少したが(△63,782千円減)、前述の免除による給水収益の減少が大きく影響した。⑤料金回収率は100%を下回った。前述の免除による給水収益の減少が大きく影響した。⑥給水原価は1.19円上昇した。主に減価償却費の増加により、費用が増加した(+31,907千円増)ことが影響した。⑦施設利用率は1.18%上昇した。これはステイホームなどの要因により配水量が増加した(+141.69増)ことによる。⑧有収率は97.56%となった。前年度に引き続き良好な状態である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は前年よりも+0.41%悪化した。十分な設備投資(更新)ができていないことから、今後の取り組まなければならない課題の一つとなっている。②管路経年化率は23.08%であった。概ね21%~23%の間で推移しており、上昇傾向にはない。管路更新をすすめ、今後もこの水準を維持または低下させるよう管路更新に取り組む必要がある。③管路更新率は前年よりも+0.75%増、上昇した。下水道築造工事にあわせた配水管布設替を積極的に実施したためである。
全体総括
1.経営の健全性・効率性について令和2年度決算においては新型コロナウィルスの感染拡大による影響を大きく受ける結果となった。2.老朽化の状況については十分な設備投資(更新)ができてはいないものの、他の類似団体と比較した中においては、管路の更新に関しては一定程度の水準を確保しており、今後も老朽化対策に継続的に取り組んでいくことが必要である。人口減少による料金収入の減少も見据えた長期的なビジョンが重要であり、当市では平成29年度に中長期的な視野に基づく計画的な経営のため、経営戦略を策定しており、この計画をもとに、安定的で継続的な水の供給を行っていく。この計画は計画期間を10年と定めているが、水道事業を取り巻く環境の変化を考慮し、中間年(令和5年度)に見直しをすることを想定している。