経営の健全性・効率性について
給水戸数の伸びにより給水収益が増加し、3期連続で経常収支比率が高い水準となり類似団体平均値と比べ高い値となっている。また給水原価が供給単価を下回ったことから、料金回収率は100%を超え、給水に係る費用が水道料金による収入で賄われたことを示すが、給水原価は類似団体平均値よりも高い状況であり、今後とも費用削減についての改善策を見出し効率的な経営を推し進めていく必要がある。施設利用率が平均値を下回る傾向となっており、変化する水道需要に合わせた施設規模への見直しが必要となっている。企業債残高対給水収益比率は年々減少しているが管路経年化率も平均値より高い水準で上昇しており、財源確保をしながら計画的な管路更新が求められる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は年々増加しており、減価償却が進んでいる。管路経年化率は類似団体平均値と比べて高く、今後も耐用年数を経過した老朽管は年々増加する見込みであることから、計画的な管路更新を進めていく必要がある。本市においては、老朽配水管について将来にわたる更新費用を算定し、各年度においてその費用を平準化し計画的に更新を行っていく予定としている。
全体総括
古賀市水道事業は、自己浄水3割と受水7割により給水を賄っているが、今後は福岡地区水道企業団からの受水増量や、将来の水需要減少の予測等により、自己水源による浄水量は更なる減少を迫られることとなる。一方で、自己水源のための現有施設(浄水場、井堰、取水井)は、供給量に関わらず一定の費用が掛かることや、将来の更新費用準備も必要となるため、長期的には厳しい経営も予想される。健全な事業の持続性を維持するため、適切な資産管理及び経営戦略を策定し、計画的かつ合理的な経営推進に努めていくことが求められる。