筑後市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

経常収支比率や累積欠損金比率等から、健全で効率的な経営状況であるといえる。施設利用率は若干上昇し、有収率も若干の伸びに回復してはいるが、今後はさらに有収率を改善し収益を上げていかなければならない。流動比率や料金回収率も良好であり、全体としては概ね安定し効率的な運営がなされているものと判断できるが、今後の人口減少等による給水収益の動向について検討する必要がある。

老朽化の状況について

昨年は大規模な管路拡張事業から法定耐用年数を経過する年であったため、管路経年化率が急激に上昇したが、本年は横ばいとなった。管路更新は順調に進んでおり更新事業としては計画的に実施されていくが、今後も経年化は進行するため、費用対効果を十分に検討しながら対策を行うことが必要である。

全体総括

全国平均、類似団体平均と比較すると、経営状況は良好であるが、課題としては有収率をより改善し収益をあげる努力を行うとともに、更なる経費削減に努めることが必要である。今後は、人口減少にともなう将来的な料金収入等が減少するというフェーズを迎えるにあたり、動向を見据えながら、収益確保や計画的な設備投資を行うことが求められる。老朽化対策は概ね順調に進んでいるが、管路経年化率が急激に上昇しており、また、減価償却率が比較的高い状況であるため、早期に事業を拡大する等対策への投資を推進すべきである。現況では経常損益、債務残高が良好であるものの投資控えの状況にあるため、今後は計画的な管路及び施設等の老朽化対策を早期に実施していくことが望まれる。ただし、前述のとおり、将来的な料金収入動向等を見据えた計画・対策となるようにすべきである。