経営の健全性・効率性について
経営の健全性については、各指標とも水準以上保たれている。給水に係る費用は料金収入で十分に賄えており、支払に十分耐え得るだけの現金もある。しかし、料金収入が減少しているのに対し、事業費用は年々増加しているため、経常収支比率は大きく減少しており、この傾向は今後も続いていくと見込まれる。効率性については、1日最大給水量を35,100m3から21,400m3に計画変更しており、施設利用率は80%以上と高い水準となっている。有収率については、類似団体と比較すると低い水準にとどまっている。年々有収率は低下する傾向が続いているため、漏水調査や管路老朽化診断を行っているが、有収率が回復するほどの効果は得られていない。しかし、今後も調査等を実施していき、有収率の改善に努める。
老朽化の状況について
管路については、徐々に経年化が進行しており、計画的に更新を実施していく必要があるが、ここ数年では修繕件数が増加しており、管路更新工事の実施は低水準にとどまっている。有収率が年々低下傾向にあることから、毎年漏水調査や管路の老朽化診断を実施しており、その調査結果等をもとに優先順位を決定し、効率的に更新を進めていく。
全体総括
水道事業の経営は比較的安定しているが、平成30年度決算では経常収支比率が大幅に減少している。今後は施設の維持管理費用の増加に対し、人口減による料金収入の減少が見込まれるなど、経営状況は非常に厳しくなると予想される。また、有収率の低下が続いているが、管路の更新率は低い水準にとどまっている。有収率の向上を図るため、漏水調査や管路老朽化診断を行い、管路の更新を進めていく。また管路以外の施設・設備の老朽化も顕著であり、今後は施設更新が大きな課題となると予想される。収支バランスを見ながら、更新の際、効率性の上がるような箇所の選定等を考え、より健全性・効率性を向上させていく必要がある。