経営の健全性・効率性について
本町の水道事業の経営状況については、経常収支は黒字が継続しており、欠損金は発生していない状況である。とりわけ流動比率は平均値を大きく上回っており、また企業債残高対給水収益比率は約2%と低い水準で、企業債の償還が経営を圧迫している状況でもなく、収支面及び資金面において健全な状態であると言える。しかし、低廉な料金設定の影響により依然として料金回収率は平均値よりも低く、料金収入の不足分を水道事業が保有する財政調整基金からの繰入れにより黒字となっている状況であり、加えて給水原価は平均値よりも高い状態が続いており、今後の経営については、将来的に見込まれる財政調整基金の枯渇にも耐えうるよう、経営改善を図っていくことが必要である。施設利用率については、一日最大給水量の認可変更により一日平均配水量の割合が増加したため、平均値を上回った状態が継続しており、また有収率は計画的な管更新の実施などにより、平均値よりも高い水準が維持できている状況である。
老朽化の状況について
引き続き下水道管の布設工事に併せて老朽化した水道管の更新を行うことで、費用面や工程面において効率的な管更新が実施できており、管路経年化率は平均値よりも低い水準が維持できている。今後、老朽化した施設については、水道法の一部を改正する法律に基づき、適切な資産管理の推進を図ることにより、効率的な更新や維持を行っていく必要がある。
全体総括
経営状況については、財政調整基金の繰入れにより経常収支は黒字を維持しているものの、低廉な料金設定の影響により料金回収率は平均値に対して低い状況が続いている。今後、水道事業を取り巻く経営環境は増々厳しくなると予測される状況の下、健全で安定的な経営を図るためには、引き続き料金回収率の改善に向けた料金水準の検討が必要である。