経営の健全性・効率性について
①経常収支比率100%以上の数値を維持しているが、年々数値の低下が見られることから、より一層費用削減や収益確保に向けた取組が必要である。②累積欠損金比率欠損金は発生していない。③流動比率過去5年間200%以上を維持しているが、年度間によるバラつきや類似団体よりも低い年度が見られる。令和元年度は前年度に比べ未払金が減り数値が上昇した。④企業債残高対給水収益比率数値が増加傾向となっているが、主な要因は浄水場改築工事に伴う企業債発行額増加によるものである。水道事業の重要施設の改築であるため、今後も適切な企業債発行に努める。⑤料金回収率100%以上を維持しており、適切な水準であると考えられる。⑥給水原価過去5年間200円前後で推移しており、類似団体よりも約35円程度上回っているため、今後も費用削減に向けた取組が必要である。⑦施設利用率類似団体に比べ約2%程度低い数値となっている。年々人口が減少し、一日平均配水量も同様に減少傾向になっており、今後も減少傾向が続くと考えられる。⑧有収率類似団体に比べ約2%程度高い数値となっており、90%前後を推移しており、良好であると考えられる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率類似団体と比較して低い数値である。これは浄水場改築事業の一部完成によって有形固定資産が増加したことが要因と考えられる。②管路経年化率類似団体と比較して低い数値であるが、徐々に老朽化が進んでいるため、計画的な管路更新が必要である。③管路更新率類似団体と比較して低い数値となっており、更新ペースが長期化している。現在は浄水場改築事業に投資が集中しているため、当該事業完了後は管路更新に重点を置き、更新を行っていく考えである。
全体総括
人口減少に伴う給水収益の減少など、今後、より一層、事業経営が厳しくなると考えられるため、費用削減、収益の安定的確保など効率的な事業経営が必要不可欠である。施設の老朽化が徐々に進行しているため、計画的な更新が必要であるが、企業債残高対給水収益比率が類似団体よりも高い数値となっているため、適切な企業債発行が必要である。