経営の健全性・効率性について
【経常損益】経常収支比率は、100%を上回っている。類似団体平均値と比較しても上回っている状態である。更なる収支改善を目指していく。【支払能力】平準化債の発行等によりキャッシュが増加したため流動比率は上昇している。【債務残高】企業債残高対事業規模比率は、施設整備は完了し、償還が進んでいるため類似団体よりも低い数値となっている。ただし、今後長寿命化対策や統廃合事業の実施により、再度上昇していくことが予想されることから、適正な投資規模を検討し債務残高の増加を最小限に抑えていく。【料金水準の適切性】経費回収率は、159%となっており類似団体より高い水準であるが、基準内の繰入金をもって高い回収率となっているため、歳入の確保や歳出削減等の努力は行っていく。【費用の効率性】汚水処理原価は、類似団体平均値を下回っている。今後は施設老朽化により修繕等の経費が増加していくことが予想されるため当該数値の上昇を抑えるため今以上の経費削減に努める。【施設の効率性】施設利用率は、人口減少のため低い数値となっている。類似団体平均値を下回っているが、大幅な人口増による数値の改善は見込めないため、施設の統廃合等を進めて効率的な施設運営に努める。
老朽化の状況について
【施設全体の減価償却の状況】減価償却については平均値よりは下回っているものの、確実に進んでいる。令和4年度から5年度にかけ八鹿浄化センターの脱水機を更新する。【管渠の経年化の状況】【管路の更新投資・老朽化対策の実施状況】昭和62年~平成9年にかけて供用開始された事業であり、供用開始後31年が経過している。耐用年数を経過した管渠はない。現時点では適切な維持管理を行うことで施設の延命化に努めながら、施設更新に向けて検討し、計画的な更新を実施していく。
全体総括
本事業は、昭和62年~平成9年にかけて供用開始し、整備率は100%となっている。施設建設時の起債借入に伴う償還金が多額となっており、収支を圧迫していることに加え、今後、人口減少による使用料収入の減少や施設更新に伴う支出の増といった要因より、経営状況は厳しくなることが予想される。平成29年4月に地方公営企業法を適用し、企業会計方式に移行した。今後は、事業の計画性や透明性の確保、財政状況及び経営状況の透明化・明確化を図り、平成28年度に策定した中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」に沿って計画的で合理的な事業運営を図り、経営改善に努める。