事業・施設概要
| 都道府県 | 岩手県 | 経営主体 | 一戸町 |
|---|---|---|---|
| 事業名 | 下水道事業 | 業種名 | 公共下水道 |
| 会計適用区分 | 法適用 | 類似団体区分 | Cd2 |
| 行政区域内人口 | 10,496人 | 現在処理区域内人口 | 3,712人 |
| 現在水洗便所設置済人口 | 2,690人 | 現在処理区域面積 | 235ha |
| 晴天時現在処理能力 | 1,525m³/日 | 下水管布設延長 | 44km |
注:施設・業務量は当該年度値。e-Stat原表との値照合が完了した項目を優先した。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については107.92%となり、類似団体と同程度である。黒字を確保しているが低水準にあり、多額の一般会計繰入額により黒字化している状況である。②累積欠損金は発生しておらず、この状態を維持したい。③流動比率は24.95%と類似団体と比較しても非常に低水準である。流動比率は100%以下で、その年の現金支払額に対して、実質「資金ショート」のリスクが高い状態となる。当町は不足分について多額の一般会計繰入金で補填しており、早急な料金改定の検討は避けて通れない状況にある。④企業債残高対事業規模比率は一般会計からの繰入金を控除した状態で1,856.10%と、類似団体に比べても非常に高い。明確な数値基準は無いと言われているが、非常に厳しい状況であり、使用料収入の増加と工事に伴う企業債の適正な発行が求められる。⑤経費回収率は110.97%と100%を上回り類似団体も上回った。しかし、本計算では減価償却費や元利償還の全ては加味しておらず、その場合原価割れとなる。原価が非常に高いことと、過去の過大投資に伴う多額の企業債が原因となっており、企業債の適正な発行が求められる。⑥汚水処理原価は平均を下回ったが、⑤と同じく実際には加味されていないものがあり、企業債の適正な発行が求められる。⑦施設利用率は類似団体と同程度で5割ほどとなり、当初の計画時から考えると、5割の施設が使用されていない。施設関連の経費は理論上100%かかっているのに50%しか稼働していないという非効率な状態にあり、今後の更新において、ダウンサイジングを検討することは必須である。⑧水洗化については72.47%となり、類似団体を下回った。水洗化率の周知向上に努めるが、今後の人口減少を勘案すると、大幅な増加は望めないと考えられる。全体として、下水道使用料の収入で下水道の支出をまかないきれず、多額の一般会計繰入金により、事業を維持している状況であり、料金改定の検討と企業債の適正な借入が求められている。
老朽化の状況について
本町の公共下水道施設は供用開始から22年を経過したところであり、一般に下水道管渠の法定耐用年数は50年とされることから、現時点では老朽化は進んでいない。①有形固定資産減価償却費は類似団体平均を下回り、②管渠老朽化③管渠改善率は0%であり、資産は健全な状況にあると考えられる。しかし、今後は耐用年数を経過した施設の更新が必要となってくるため、適正な更新時期、ダウンサイジングによる適正規模での更新が求められる。
全体総括
令和6年度に地方公営企業法適用企業となり、令和6年度の決算数値については、資産は健全な状況にあり、老朽化は顕著になっていない。しかし、施設や管渠が結果として過大投資になっていることが原因で、資金が大幅に不足し、企業債残高が資金残高や使用料収入と比較して多額に上っていること、物価高騰により上昇する原価に対して使用料金の水準が低いことにより、会計的に厳しい状態にあり、多額の一般会計繰入金に頼っている状況である。急速な人口減少は施設利用率の低下と料金収入の減少に直結するため、経営維持のため料金改定による町民負担や一般会計繰入金の増加が見込まれる。公営企業の人材は当町の他事業と兼任により確保出来ているが、下水道に携わる民間事業者が減少していることから、いずれは遠方の事業者による維持管理となることが想定され、緊急時の即応性の低下や維持管理費の増加が見込まれる。これらのことから水洗化率の上昇・ダウンサイジングによる施設利用率の適正化・企業債の適正な借入に努めるとともに、早期に料金改定の検討を行う必要があると考えられる。
経営状況
収支構造
総額2.5億円
総額2.3億円