岩手県一戸町：公共下水道の経営状況（2014年度）

収益的収支比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014
当該団体値（％）	29.37	30.12	31.2	45.68	52.09
類似団体内平均値（％）	72.95	71.61	72.42	69.5	70.56

企業債残高対事業規模比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014
当該団体値（％）	4723.55	4842.45	4378.16	3852.1	1593.8
類似団体内平均値（％）	1907.28	1733.91	1770.18	1832.89	1751.42

経費回収率

年度	2010	2011	2012	2013	2014
当該団体値（％）	32.45	39.17	31.88	45.08	50.68
類似団体内平均値（％）	55.87	52.76	52.27	48.37	48.02

汚水処理原価

年度	2010	2011	2012	2013	2014
当該団体値（円）	734.99	608.64	752.0	532.38	485.25
類似団体内平均値（円）	289.91	303.81	309.02	335.43	352.23

施設利用率

年度	2010	2011	2012	2013	2014
当該団体値（％）	47.94	47.38		47.56	51.16
類似団体内平均値（％）	76.48	46.69	43.94	44.88	50.49

水洗化率

年度	2010	2011	2012	2013	2014
当該団体値（％）	57.27	59.92	61.76	61.85	61.61
類似団体内平均値（％）	63.98	65.48	63.84	62.46	62.67

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率については、単年度の赤字を示しているが、経年では上昇傾向にあり、今後も継続して使用料収入の確保など、収支改善に取り組む必要がある。④企業債残高対事業規模比率については、元金償還金が増加傾向にあり、資本平準化債や施設整備に伴う起債の新規発行を抑制していることから、経年では減少傾向にある。今後継続して使用料収入を確保するともに、新規の起債発行を抑制する取り組みが必要である。⑤経費回収率については、使用料対象経費を賄えていない状況にあるが、経年では上昇傾向にあり、今後も継続して使用料収入の確保に取り組む必要がある。⑥汚水処理原価については、類似団体に比べ高い数値を示している。この大部分は支出の８割近くを元利償還金が占め硬直化していることが要因と考えられる。今後元利償還金が減少傾向にあることから、汚水処理費は低下すると考えられ、また効率的な施設管理により、維持管理に係る経費削減にも取り組む必要がある。⑦施設利用率については、現状において類似団体と同水準を示しており、下水道接続件数の増に伴い今後改善すると想定される。⑧水洗化率については、類似団体比べ同水準にある。管渠整備に伴う処理区域の拡大が概ね終了する予定から、水洗化による環境衛生面での効果、水洗化支援策などの広報周知により、水洗化促進に一層取り組む必要がある。

管渠改善率

年度	2010	2011	2012	2013	2014
当該団体値（％）	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）	0.08	0.01	0.16	0.0	0.19

老朽化の状況について

下水道管渠の法定耐用年数は、一般的に50年とされている。当町の下水道事業は供用開始から12年を経過したばかりであり、小規模な公共桝などの修繕を除き、管渠自体に関する修繕、更新等を行った実績はない。

全体総括

下水道事業は供用開始から12年を経過し、これまで管渠延長に伴う区域拡大を優先して行ってきた。このため経営指標としては、類似団体に比べ、全体として同水準または下回る結果を示したものと考えられる。今後、施設整備手法の経済比較検討を行い、経済的に不利な区域整備を見直すことで、起債の元利償還の負担を抑制することが必要である。同時に、水洗化による環境衛生面での効果、水洗化支援策などの広報周知を行うことで、使用料収入の確保に一層取り組むことが必要である。