経営の健全性・効率性について
経営の健全性・効率性について、類似団体との比較においては、著しく劣っている分野はないと考える。しかし、1.⑦施設利用率については、改善傾向にあるが、これは認可変更に伴う一日配水能力の見直し等によるものであり引続き施設の効率的運用に努めるものである。改善傾向が見えてきた指標は1.⑧の有収率である。経営状況が厳しかった時期に着手できなかった施設整備や老朽化した管路の布設替工事、また近年では流量計設置による異常水量の早期発見に伴い有収率はわずかではあるが向上してきている。なお、施設整備や老朽管の布設替等の投資額増加に伴いその財源として企業債を借入れたため、1.④企業債残高対給水収益比率について、上昇傾向にあるが、類似団体平均値を下回っている。その他について、1.①経常収支比率は昨年に比べ減少したが単年度の収支が黒字であることを示す100%以上となっており、1.②累積欠損金比率においても0%を継続していることから健全な経営を維持しているといえる。
老朽化の状況について
2.①有形固定資産減価償却率は減少傾向にあり、資産の老朽化度合は類似団体と比較してわずかではあるが低くなっている。一方、2.③管路更新率でわかるように、当年度に更新した管路延長の割合は類似団体と比較して高くなっている。また、2.②管路経年化率は前年度と比較して若干改善されたものの、老朽管の比率は高く、管路更新工事は今後も進めなければならない。管路更新率は2.5%の場合、全ての管路を更新するために40年を要すると言われているため、今後も、経営状況を勘案しながら、管路更新を計画的に行う必要があるといえる。
全体総括
老朽化した水道施設の更新費用や維持管理費の増加が予測される中、人口減少や節水機器の普及により有収水量の減少は今後も続く状況にある。平成30年3月には経営戦略を策定したところではあるが、投資と経営を両立させるために、経費節減及び適正な料金水準の維持に努めるものである。