経営の健全性・効率性について
簡易水道事業を経営統合し、平成29年度から全市一体の水道事業となったため、すべての指標で前年度と大きく数値が変わっています。①収益的収支については100%を下回っています。これは、簡易水道との統合により、中古資産取得による特別な減価償却費により費用が膨らんだためであり2020年度からは黒字化する見込みである。②累積欠損金比率については3.16%であるが、簡易水道と統合した影響であり、2020年度からは黒字化する見込みである。③流動比率については類似団体平均値を下回っているものの100%を上回っており、短期的債務の支払い能力を有していると言える。④企業債残高対給水収益比率については簡易水道との統合により、類似団体平均値を下回っているものの旧簡易水道企業債に対する繰入により今後の企業債償還資金は確保できているとともに、企業債残高の計画的な減少が図れている。⑤料金回収率と⑥給水原価については、経費に比べ給水収益の割合が少ない状況であることが分かります。これは、旧簡易水道地区を統合したことが大きく影響しており、今後経費削減や給水収益の確保が必要だと考えられる。⑦施設利用率については、毎年80%付近を推移しており、施設能力に過不足はないと思われるが、今後水道利用者の減少が懸念される等で、施設利用率が減少していく場合には施設の見直しの必要性が出てくる。全国平均等の値を参考にして観察していく必要がある。⑧有収率については簡易水道との統合により低下しており、引き続き漏水調査と老朽管更新事業を進めていき、改善を図る。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を上回り年々増加していましたが、平成29年度に簡易水道事業を上水道へ経営統合したことにより、半分近くも低下しました。②管路経年化率は類似団体平均値よりやや高めである。老朽管更新事業を促進し、改善を図る必要がある。③管路更新率は類似団体平均値を下回っている。年を追うごとに更新率が低くなっている。恵那市として漏水防止と安定給水を図るため、更新投資を増やして老朽管の更新工事を促進する必要がある。
全体総括
経営の健全性や効率性については、過去5年の状況を見てみると数値的には比較的良好な状態にあるといえる。平成29年度の単年度の収支は赤字となっていますがこれは平成29年4月1日に簡易水道事業と統合し、減価償却費、企業債残高が大幅に増加した影響で給水収益が減少しましたが、今後10年間の財政計画において、平成29年度、平成30年度と平成31年度を除き当期利益は黒字を計上できる見通しである。以上のことから、水道事業の健全性、効率性は問題ないと思われるが、施設、管路更新の速度を速めていく必要がある。