経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、100%以上を維持し、経常損益は黒字となっている。前年度より16%以上数値が上昇したのは、令和元年6月検針分から料金を値上げしたことによる。②累積欠損比率は、欠損金を計上していない。③流動比率は、100%以上を維持しており、債務に対する賄いは充足している。④企業債残高対給水収益比率は、類似団体平均と比較して非常に低い数値となっている。⑤料金回収率は、100%を維持しており、給水に係る費用は十分賄えている。⑥給水原価は、類似団体平均と比較して4割ほど安い水準となっている。⑦施設利用率は、前年度よりも配水量が減っていることにより、やや低い数値になったものと考えられる。給水戸数は増加していても、節水機器の導入等によるものと考えられる。⑧有収率は、平成28年度から数値が上昇しており、非常に良い結果となっている。今後もこの数値が上昇するよう、漏水調査や施設更新を行っていく。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、直近5年間に毎年約1%ずつ数値が上昇しており、法定耐用年数に近い資産が微増している。②管路経年化率は、直近5年間で5%数値が上昇していることから、法定耐用年数に近づいている管路が増加している。③管路更新率は、類似団体平均とほぼ同程度であるが、直近5年で0.53%も数値が下がっている。管路更新ペースが著しく下がっているため、今後は管路更新工事を増やし、更新ペースを上げる必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性においては、令和元年6月検針分から料金改定を実施し適正な料金設定に見直しを行ったことと、定期的な漏水調査を実施したことにより有収率が向上し、本市水道事業は健全経営を維持している。しかし、直近5年間の老朽化の状況を見ると、3つの数値とも改善していない。特に、管路更新率の数値は下がっているため、料金値上げを実施した令和2年度以降は、管路更新ペースを上げていく必要がある。料金を値上げしたことによって増加した収入を、管路更新等の改良工事費に充てていくことにより、管路更新率を上げ、水道施設の計画的な整備と更新を実施するとともに、今後も持続可能な健全経営を目指していく。