田川市：簡易水道事業（法適用）【地方財政ダッシュボード】

経営の健全性・効率性について

平成28年度決算における①経常収支比率を始めとする経営の健全性・効率性を示す各指標は、前年度に引き続き概ね良好な値となっている。また、⑧有収率は、管路の老朽化の進行などの要因により、近年では低下傾向であったが、平成28年度では向上する結果となった。これは、老朽管の更新及び民間の専門業者による漏水調査の実施など、これまでに講じた漏水防止対策による一定の効果が発現したものと考えられる。しかしながら、有収率は、依然として類似団体平均値を下回っているため、今後、さらなる漏水防止対策を講じる必要がある。

老朽化の状況について

老朽施設への対応として、毎年度更新改良事業を実施している。しかしながら、管路の更新事業は、多くの財源を要するものであるため、予算の範囲内での実施に限られているのが現状である。このため、②管路経年化率は、類似団体平均値を上回っており、管路の老朽化の進行に更新事業のペースが追いついていない状況である。今後は、漏水防止及び耐震化促進のため、管路の更新事業の規模を拡大しつつ、迅速に進めていく必要があるが、それに要する費用が経営に与える影響を勘案しつつ、老朽施設に対するさらなる方策を検討する必要がある。

全体総括

本市水道事業は、現状では良好な経営状況を維持している。しかしながら、今後、給水人口の減少などに伴い給水収益が減少することが見込まれる一方で、老朽化施設の更新や耐震化等への対応に伴う多額の投資は避けられない状況である。このため、今後の水道事業の経営状況は、年々厳しくなることが予想されるが、水道料金への影響を最大限抑制するため、抜本的な将来の経営方針の検討が必要である。現在、これらの課題を踏まえ、田川地区水道企業団と、企業団を構成する１市３町による水道事業の広域統合を軸とした「田川地域水道事業経営戦略」を策定し、広域統合に向けた検討を進めている。

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