経営の健全性・効率性について
内子町の公共下水道事業は、汚水処理原価、水洗化率については、類型団体と比較して優位な数値を示しているが、他の経営指標については平均値を下回っている。収益的収支比率は90%前半、毎年赤字経営が続いている。経費回収率は59.87%、平成26年度において、使用料収入で管理費における処理場管理費、管渠管理費は賄えたが、人件費等を含む業務管理費については全てを賄えていない。業務管理費の一部、資本的支出不足分、企業債元利償還金全額を一般会計からの繰り入れで補っている状況である。下水道事業収入の約70%は一般会計からの繰入金となっている。経営改善のために今後も引き続き、戸別訪問など水洗化普及活動に尽力し、水洗化人口及び有収水量の増加を目指していく必要がある。また、使用料改定も必至である。料金の改定については、平成29年度からの地方公営企業法の適用を踏まえ慎重に検討していく予定である。施設利用率は34.05%、類似団体と約20%の開きがある。平成20年に管渠整備は完了しているため、今後、大幅な水量増加は見込めない。未稼働となっている施設については、改築・更新時に利用するなど今後の施設活用について検討して行く必要がある。
老朽化の状況について
管路施設については、経過年数約15年である。管渠等の耐用年数は50年であるため、まだ十分な期間がある。しかし、浄化センター内に設置されている施設・設備については、経年等による機能の低下が発現し始める時期にあり、今後維持管理作業の中で対応することが困難な状況が増加する傾向にあると推測される。平準化と低コストの維持管理を進めるため、施設の重要度や緊急度を考慮した長寿命化計画を策定し、計画に沿って改築・更新を実施していきます。平成25~26年度において、長寿命化計画に基づいた電気設備工事を実施した。今後も長寿命化対策事業の継続等検討し、施設の計画的な維持管理に努めていく。
全体総括
今後も、戸別訪問など水洗化普及活動に尽力し水洗化率のアップをめざすことが第一であるが、近年の人口減少に伴う使用水量の減少、下水道使用料収入の伸び悩みにより、経営環境は大変厳しい状況にある。経営的には依然一般会計からの繰り入れがなくてはならない状況である。今後も、安定的なサービスの提供を確保するため、持続可能な下水道事業の経営を目指す必要がある。下水道事業の健全経営を推進するための取組みとして、平成29年度から「地方公営企業法を適用(法適化)」する予定で現在準備を進めている。