経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%以上であり、単年度収支としては黒字を維持しているが、今後、老朽化施設の改築更新費等、経費の増加が見込まれていることから、その財源確保が課題である。企業債残高対事業規模比率については、当初整備時の企業債償還が順次完了していることから類似団体平均値を大きく下回っているが、供用開始から25年が経過しており、今後、改築更新の本格化に伴う企業債発行の増加が見込まれる。経費回収率については、汚水処理費(維持管理費)の減少等から100%を上回ったが、経営構造的に改善されたと言える状況ではないため、経費削減と適正な使用料収入の確保の両面からの対策が必要である。施設利用率については、類似団体平均値を上回っているが、隣接する処理区との統廃合を含めた施設運営の効率化を進めていく必要がある。水洗化率については、100%を維持しており適正である。
老朽化の状況について
現状では法定耐用年数(50年)を超えた老朽化管渠がないため、改修のみの実施となっているが、処理区の供用開始から25年が経過しており、資産の老朽化度合を示す有形固定資産減価償却率は類似団体平均値より高い値となっている。今後、本格的な施設の改修や更新の時期を迎えるため、ストックマネジメント計画に基づき、計画的に施設の改築更新を行っていく必要がある。
全体総括
当該事業は上野新都市(ゆめが丘地区)のみの事業であり、産業用地内の事業所等の汚水処理に係る使用料収入があること等から、経営指標上は類似団体と比べて比較的良好な状態であるが、産業汚水用を除く一般用に限ると経営は厳しい状況である。こうした状況に加え、今後、施設の老朽化に伴う改築更新に多額の経費が必要となること等により、経営はさらに困難になっていくと予想される。このため、安定的な事業運営に向けた経営基盤強化と財政マネジメント向上のため、伊賀市下水道事業経営戦略に基づく老朽化施設の計画的な改築更新や使用料の改定など、収入・支出の両面からの取り組みを引き続き進めていく。