経営の健全性・効率性について
公共下水道事業については、平成30年度の使用料改定以降、経常収支比率は100%を超え黒字経営となっており、累積欠損金が大幅に減少し累積欠損金比率も減少傾向にある。また、汚水処理費の減少により、経費回収率が前年度より増加し、使用料で回収すべき経費を全て使用料で賄えている健全的な経営状況となっている。流動比率については、流動資産の現金よりも流動負債の企業債償還額が大きいため、類似団体平均値と比較して低い数値となっている。企業債の償還には、下水道使用料収益や留保資金を充てており、不足する部分は一般会計繰入金で補っている。企業債の償還は順調に進み、今後も残高の減少が見込まれるが、資金不足に陥らないために一般会計繰入金の適性化を図りつつ、適正な企業債の借り入れに努めていく必要がある。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超える管渠がまだ無いため、管渠老朽化率が0%なっている。また、令和3年度については管渠の更新工事を行っていないため管渠改善率も0%となっているが、有形固定資産減価償却率が年々上昇しており、施設の老朽化は進んでいる。今後の施設更新などはビジョンに基づき、計画的に行っていく。
全体総括
令和3年度は、平成30年度の使用料改定の効果により、効率的に事業を運営することができ、前年度に引き続き累積欠損金比率が減少しており、今後も累積欠損金の解消が見込まれる。しかしながら、年々法定耐用年数に近い資産が増えてきていることから、将来的に更新需要の増加が予測される。今後も令和3年3月に作成したビジョンを基に、更なる経費縮減に努めつつ、将来発生する更新需要や修繕費用にかかる財源を確保するとともに、計画的な施設の更新・維持補修に備えていく必要がある。