経営の健全性・効率性について
令和2年度より公共下水道事業に地方公営企業法を適用したため、2カ年のみの数値となっている。「①経常収支比率」は100%を超えているが、昨年度及び平均値を下回っている。使用料収入も0.27%減少しており更なる確保が必要である。「②累積欠損金比率」は、地方雨公営企業法を適用した時点で欠損金が発生し、純利益を計上し累積欠損金を減らしたものの、非常に高い数値となっている。「③流動比率」は建設改良に充てた企業債償還金の割合が高く、平均値を大きく下回った。年度途中に一時借入金で賄っている状況も踏まえ、現金預金を増やす必要がある。「④企業債残高対事業規模比率」は、企業債残高は減少しているがそれ以上に一般会計負担分も減少したため、昨年度と比較すると大きく上昇した。「⑤経費回収率」は平均値より高いものの100%を下回っている。「⑥汚水処理原価」は平均値より32.25円高くなっている。⑤、⑥とも汚水処理費の増加分に見合う有収水量と使用料が増加していないためと思われる。「⑦施設利用率」は平均値より下回っており、最大処理水量でも68%の利用率となっている。管渠整備途中であり、また人口減少や節水型社会の広がりなども要因となっている。「⑧水洗化率」は平均値及び全国平均を大きく下回っている。供用開始しても接続に至らない家屋も多いことが要因となっている。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」は、地方公営企業法適用前の減価償却累計額を控除した額を年度開始時点の資産として計上しているため、減価償却累計額が小さく、平均値を大きく下回った。
全体総括
普及率が56.08%と低く、今後も年次計画に基づいた管渠整備を進めながら、処理場の耐震化等にも備えていかなければならないが、今後の更なる人口減少にどう対応していくのかも考えていく必要がある。また、類似団体と比べて汚水処理原価が高く、施設利用率が低いことは、事業の効率性が低いことを表している。様々な課題に対応するためにも、財源の確保が必要であり、接続率向上による有収水量を増加させる取組を行い、安定した収入を確保していかなければならない。今後も令和2年度末に策定した経営戦略に基づく経営基盤の強化や効率的な施設管理等を行い、持続可能なサービスの提供に努めていく。