経営の健全性・効率性について
・当市の下水道事業は、昭和58年に事業開始し、令和3年度人口普及率は84.17%で整備途上にある。水洗化率は81.09%となり、近年の整備区域拡大に伴う水洗化の進捗等によって前年度より向上した。・維持管理費は、料金収入の増加により経費回収率は改善したが、下水道汚泥の再資源化や処理場の増改築による省エネルギー化等が効果を上げている状況にあっても、汚泥処分料等の汚水処理費の増加により、収益的収支比率が悪化した。今後も未普及区域の汚水管渠整備を推進し、大口事業所を含めた接続勧奨を強化するとともに、経費抑制策を継続して、更なる経営改善を進める。・企業債は、償還額は事業初期の高利率の企業債の償還完了に伴って平成27年度をピークに減少し続けており、企業債残高対事業規模比率は処理場増改築に係る借入等により平成30年度に増加し、再度減少に転じている。償還額の平準化を図るため、特別措置債借入や、償還期間40年かつ据置期間を設定した借入を継続する。・施設利用率は、未普及区域での整備の進捗に伴って上昇傾向にある。余剰処理能力の活用策として、平成29年度からし尿・浄化槽汚泥の受入処理を行っており、受入処理に係る経費は一般会計から繰入れている。
老朽化の状況について
・処理場について、令和元年度に事業初期から稼働する水処理設備の改築更新工事を終え、令和2~3年度に改築未済の電気設備等のストックマネジメント計画策定委託を実施した。今後は改築対象施設の耐震診断を行い、耐震力を確保した改築更新となるよう実施内容を検討する。・汚水管渠について、事業初期に整備した汚水幹線等が30年を経過したが、令和2年度調査において改修を要する劣化は確認されていない。マンホール破損等による小規模修繕等は増加傾向にあり、今後はストックマネジメント計画及び耐震化計画を策定して将来の改築更新需要を把握し、予防保全的な改築計画を策定する必要がある。
全体総括
・公共下水道の整備途上にあるため、汚水処理費(分流式下水道等に要する経費等の汚水公費負担分を除く)のうち資本費が57.91%を占める高資本費状態にあるが、企業債償還額の減少と、未普及区域の年次的な解消及び大口事業所の接続による有収水量・料金収入の増加に伴い、経費回収率は改善傾向にある。・令和5年度の地方公営企業法適用に向けた移行作業を進めて資産管理や会計処理の適正化を図るとともに、ストックマネジメント計画及び耐震化計画を踏まえた長期的な投資計画策定と、適正な使用料収入を確保するための料金改定の検討を行い、経営の健全性と持続可能性を担保する経営戦略改定を令和7年度までに行う必要がある。