経営の健全性・効率性について
【経常収支比率・累積欠損金比率】一般会計からの繰入金等の調整や修繕費等の維持管理費用の縮減により、経常収支比率は100%を上回っており、累積欠損金は発生していない。引き続きさらなる費用削減に取り組み、経営改善に努めたい。【流動比率】企業債償還額が現金預金と比較して膨大であり、類似団体と比較して流動比率は低い。年度毎の企業債償還額は逓減し、流動比率が徐々に向上すると見込まれる。【企業債残高対事業規模比率】類似団体を上回っているが、ここ数年は新規布設工事を行っておらず、企業債残高は償還に伴い減少する見込みであり、比率は徐々に減少すると思われる。一般会計からの繰入金額の増減により影響を受け易く、動向に注視が必要である。【経費回収比率・汚水処理原価】汚水処理費を料金収入で賄う事が出来ている。流域下水道に接続しており、処理場を所有していないことが、処理費用が少ない要素であると思われる。【水洗化率】事業計画での整備率100%であるものの、接続率の増加や処理人口の減により、年々増加している。今後とも安定した使用料収入、水質保全を確保するためにも、100%を目指してパンフレット作成などの推進活動に努める。
老朽化の状況について
平成3年度の供用開始以降、管渠やマンホールポンプ等の施設は、定期的な点検や補修により機能を維持しているが、一部のマンホールポンプは耐用年数を超過しており、更新を実施してきた。管渠の法定耐用年数は50年であることから、計画的更新は当面実施しないが、管渠内部調査等の結果に応じて更新する。安定的に機能を維持するため、下水道施設の長寿命化を図るべく計画的に老朽化対策を実施していく。
全体総括
整備区域の拡大は見込めないため、整備区域内の人口減少に伴って、料金収入が減少する局面にあると想定できる。約20年後の本格的な汚水管渠の更新時期を迎えるに当たって、投資資産の回収がどこまで進められるかを慎重に検証する。公営企業として資産投資と資金回収の状況を踏まえ、独立採算ができるように将来の投資需要を適正に予測し、施設の長寿命化と事業運営を進めていく。